劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』Ⅲ.spring song感想 感情表現の素晴らしさから戦闘シーンの凄さに最高のフィナーレ…何もかもが極上のエンターテイメントに仕上げられた作品でした
春が来た
春が来た
春が来た
ようやく待ち望んでいた春が来た
まずは劇場版FateHF3章の完成と公開スタートについて本当にお疲れ様でした。いちファンとしてこの日を迎えられたことは本当にうれしく思います。期待していた以上のものを観せていただき本当にありがとうございました。最後に幸せそうな桜を見ることができてこちらも幸せです。
さて感想を書いていきたいと思いますが、まだ初日に見ただけでちょっと間違ったことを言うこともあるかもしれません。それでも同じくHF3章を見に行った方々と想いを共有出来たらなと思って感想を書かせていただきます。まだ観に行かれてない方も3章を是非劇場で見て欲しい気持ちです。
そろそろネタバレして感想を書いていきたいと思います。
※ ネタバレ注意
とりあえず総評は何といっても須藤監督がやってくれました!ありがとうございます!なんですよね。ここまでくれば劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』が凄い作品なのは追いかけたファンの誰の目にも疑いなく、どうしてここまで凄い作品になったのかというと、監督がやるべきことと、やるべきではないことをしっかり認識して、そのうえで丁寧に作品を制作したから。これは生半可なことではないし、それを可能にしたのは須藤監督も一人のファンだからなんでしょうね。
今回の劇場版HF3章の舞台挨拶でも制作にあたってこだわったことや注意したことが聞けたんですが、キャラクターの心情への寄り添い方が本当に丁寧なんですよね。それを演じることになる声優さんの力量もまた半端ではない。盛り上げる音響であったり、細かく美しい背景美術であったり、相変わらず作画班の何人か倒れてそうな戦闘シーンの凄まじさ、全ての人がこの作品のために全力で取り組んでくれたからこそ生まれた作品であると…管理人はそう思います。
あと奈須きのこ先生も関わっている。舞台挨拶によると、セイバーオルタの最後のシーンで「あっ…シロウ」って夢から目覚めるような感じの声を出すシーンあるじゃないですか。あれ奈須きのこ先生の影響です。えげつない…!舞台挨拶は面白いからみんなに見てもらいたいくらいです。
第3章は覚悟を決めて結末へ向かって駆け抜けていく内容です。2章での選択と決断を経て覚悟はもう済ませている衛宮士郎。そんな士郎が間桐桜を助けるために走っていく。やはり何といってもこの二人の描写が最高でしたね。特に士郎が桜をおしおきする最後のシーン。士郎が凛を連れて逃げてくれるように促すシーン。あんなに悲痛な叫び声をあげているのに変な言い方ですが、とても愛おしくて可愛かった。それに対する士郎はといえば桜に対して叱ってる感じが出ていて良かった。あと一人だけ残った影の小人お前えらい可愛いなマスコットかよ!
桜へのおしおきはゲームだと静かだけど力強く諭す感じのイメージだったシーン。何もそれはここだけの話ではなく、随所に劇場版ならではの描写が仕込まれています。それがまたアニメ映画という作品にあった内容に昇華されているのだから本当に凄いと言うしかない。原作通りにするだけでなく新しい方向性で楽しませてくれる…これこそエンターテイメントの楽しいところです。ただ一番最初の間桐邸のシーンで慎二の死に顔が綺麗すぎるとか思ってしまったのだ。
そして3章を語るうえで外せないのはやはりバトルシーン。っていうか2章のパワーゲームにも感嘆しましたけど、セイバーオルタVSライダー戦がまた凄いことになっていた。凛が宝石剣で無双するシーンも綺麗で凄かった。ufotableはどこまで上を目指すのか…2章の時もバトルシーンは最高と言いましたが、その最高をこうして更新し続けるとは見ていて感動しかないです。単純にバトルシーンが凄いだけでなく、ライダーさんの挑発が入ってたり静と動の両方でも魅せる魅せる。
士郎と黒化バーサーカーの戦いも外せない。ようやく劇場版でここを観れたと喜んだファンの人も多いのではないでしょうか。倒していいなイリヤからの流れは熱くなるなというのが無理な話。そして原作テキストでもここは一瞬の戦いだった。映像でも短く凝縮された決着、お前が守れも聞けて良かった…!
梶浦さんの作曲されたアレンジEMIYAが場面転換も相まって最高でした。そして「──────ついて来れるか」からの「てめえのほうこそついてきやがれ!」と追い抜いて行った士郎。そしてそれを見るアーチャーの表情ですよ!やれやれって呆れながらも、自分にできなかったことを選んだ男が眩しくもあり、そして口には出さないがそれを応援する、個人的な意見も入りますがそんな顔だと受け取りました。
もうノベルゲームにはできないことを圧倒的に追及してみせた迫力で描写しているのでバトルシーンの外連味がたまらない。感情表現もまた素晴らしいんですよね。劇場版の遠坂凛は全体的にクールだったとは舞台挨拶で植田佳奈さんも言ってましたが、だからこそ最終章のここで、桜を殺す覚悟を決めていた凛がそれを「できない」ってのが刺さりました。
幼少期の思い出がフラッシュバックするのも良き演出。あのワンシーンだけでも色々なものが込められていたように感じますね。すべてが終わった後に各地を間桐桜と遠坂凛が歩くシーンがあるんですが、普通に手をつないでいるのがもうね。本当に亡くした時間を取り戻すかのような姉妹関係をもっと見たくなるではありませんか。
ufotableさんのバトルシーンて何一つ単純なものがない。演出の凄さで圧倒したり、どっかんどっかんするだけじゃなく、英霊たちが体術を駆使してテクニカルに戦っているのがいいですよね。今回の3章で言えばライダーさんはセイバーオルタに対してよく戦いました。
あとは何といっても最後の人間同士の戦いの泥臭さですよ。士郎と言峰はどちらも余力はないけど、確実に仕留めようと的確な攻撃をしてくる言峰に対して、とにかく倒してやると下半身へのタックルで愚直にぶつかる士郎、この対比も良かった。
そして管理人は劇場でEMIYAが流れる度に鳥肌が立つ人間です。
そして何といっても長年のFateファンを興奮させてくれたのが御三家の描写ですね。ゼルレッチまで喋る…!立ち合ったという話でしたが、PCゲームで初めて情報が出たあれからもう10年以上が経過して、そして今こうして映像で見ると…魔道元帥が思いのほか肩入れしている!ってなりますよね。いや本当に聖杯戦争の始まりと御三家を描写してくれて感謝…!
あとマキリ・ゾォルケンがユスティーツァと来日するシーン
日本にやってきた時に小舟を降りるユスティーツァに対して手を差し出したり紳士!この男がどうしてあんな妖怪蟲爺になったっていうとやはりユスティーツァの存在の有無でしょうね。
御三家が儀式を完成させるためにユスティーツァが回路起動させるシーン。つまりユスティーツァが人柱になるんですが、いざその時が来たらマキリ・ゾォルケンの動揺が半端ない。そしてとうとう目の前から消えてしまうと…めっちゃショックうけてるではないか。遠坂永人も当然ながら衝撃はあるけど立ち直りは早かった。それに比べて立ち直りも遅かったマキリ・ゾォルケン。彼にとってユスティーツァがどれだけ重要な存在だったかわかろうというものです。
こういったアニメならではのオリジナルのシーンは原作を知っているファンからすれば未知の領域であり醍醐味なんですよね。同時に加減を誤れば作品の素晴らしさを台無しにする恐れもある。大なり小なりその可能性をがあるんですよ。なのにそんなオリジナルシーンを盛り込むのが一つや二つではない。そうした結果がどうなったかはHF3章を見れば理解できるでしょう。一言でいえば最高です。分かる人にはわかるファンサービスもありがとうですよ。具体的に言うと凛と桜とすれ違った人物と人形のシーンです。ほんとうにさいこーだ。
最高といえば声優さんの演技の話もですね。舞台挨拶では声優さんがお茶目なだけじゃなくて感涙して言葉に詰まる人もいらっしゃいました。あの言葉は全てのファンに届いて欲しいので舞台挨拶は是非とも皆さんに見てもらいたい。(2回目)
こうして劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』もフィナーレを迎えて振り返ってみても全章にわたり素晴らしい演技でした。長い間そのキャラクターとの付き合いがある、というのもあり安心感と信頼感がもう違いますね。
HF3章の衛宮士郎が命を投げ捨てるのを躊躇するシーン。涙を流して生きたいと叫ぶシーンで本当に人間らしい姿で良かった。HF2章の時もだけど桜を手にかけようとしてボロボロと泣いてたし衛宮士郎という「人間」の描き方が素敵だったと言えます。一番凄いなって思ったのは名前を呼びたいけど、その名前が出てこないもどかしさを説明することなく演技で表現したことですね。
桜についてはもう感情を吐露するシーンから物騒なことを口にするシーンまで下屋さんの演技は最上級のものが見れました。一言で表すなら「もはや桜そのもの」と言える程です。やっぱり感情的になっている桜は本当に可愛い。
さて締めくくる前に褒めること以外の事もしてみようと思います。といっても些細な事であり、仕方のないことだと理解もしています。ローレライとか。でもHF2章で削ったのを取り戻すがの如くイリヤの描写が素晴らしかったので良かったですね。………結局褒めてしまうではないか!だってイリヤのシーンが良かったんだもん!こんなんじゃ管理人はイリヤルートが欲しくなってしまう!
まだまだ語れることはたくさんありそうですが、何分まだHF3章を2回ほど見た時点での感想なのでご容赦を。とりあえず記事を書けて落ち着くことができました。また時間を見つけては劇場に足を運んで劇場版HF3章という作品を自分の人生の一部として消化していきたいと思います。
最後に、興奮して勢いで書いているので文章変なところあるかもですが許してほしい。今日という日に劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』を見たみなさんに共感していただければ記事を書いた管理人としても嬉しいです。それにしても本当に凄い映画でした。時間にすると2時間くらいのものですが物語の密度からするとその倍は体感しましたね。皆さんは感じませんでしたか?いやもう凄すぎて時間を忘れて楽しんだとかそういう話。
そしてこの感謝の気持ちが製作スタッフに届けばいいなという思いを込めて「最高の作品と春を届けてくれてありがとうございました」という言葉で締めくくりたいと思います。そして願わくば、2020年以降も桜の幸せが続いて最高の笑顔を見れますように。
それではこれにて失礼。
以上、劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』Ⅲ.spring songの感想でした。
「素晴らしい作品をありがとう」(黒髭風)