コミック版『Fate/strange Fake』1巻感想 森井しづきさんの絵が素晴らしい最高のコミカライズ!新キャラに加えてとんでもない爆弾が仕込まれてるぞー!
プロローグ小説の内容に追加が少しあるんですが
その少しが型月ファンの心をがっちり掴むであろう
管理人もちょー興奮した。
※ネタバレ要注意
この1巻ではその舞台となる、スノーフィールドに魔術師と英霊が集う様子が描かれています。
北米大陸西部、ラスベガスのやや北に位置する70年程前から急速に発展したアメリカの大都市。
聖杯戦争の舞台としてはアメリカという異例の地もそうですが
サーヴァントの召喚にしても起こるのはイレギュラーな事柄ばかり
ニセモノなんて称されてる聖杯戦争ですけど出てくるのはクセモノ揃いっていうね。
集うキャラの様々な思惑が交差してまさしく先の読めない展開はワクワクすること間違いなしです。
コミックの帯には武内崇さん描き下ろしギルガメッシュ。
最高のコミカライズだと太鼓判を押すほど、読み終えた管理人もまったくの同意です。
電撃文庫の『Fate/strange Fake』1巻の情報も掲載されてました。
表紙はギルガメッシュとエルキドゥがメイン。
ここから内容のネタバレ感想に入りますのでお気をつけください
ギルガメッシュ召喚(玉座付)
これは豪奢を極めたサーヴァントの名に相応しい佇まいですわー。
召喚した魔術師はそれなりに名の知れた魔術師の家系の当主だが
今は力が緩やかに衰えていく家系でしかない。マキリのようになるのは嫌だとは本人の言。
今こそ家系の力を取り戻すのだとばかりギャンブル。
偽りの聖杯戦争の噂を聞いて突発的に参戦し手持ちの触媒でギルガメッシュ召喚したというわけだ
ギルガメッシュの召還の触媒となった鍵は英雄王の宝物殿のもの。
ちなみに聖杯戦争に参戦する予定もないのになんでこんなのを持ってたのかというと
昔々、彼の先人が探し出したもので、目的はバビロンにある魔術宝具の数々だったから。
先祖「鍵を見つけた!本物だ!じゃあ宝物庫もどっかにあるぞ!見つければウハウハ!」
先祖「……宝物庫が見つからない」
という感じである。
先祖はまだ力があったのでこの鍵を見つけた功績は本物であると思うが
王の宝を掠め取ろうだなんて恐れ多いにも程があるぜ。魔術師だからね仕方ないね。
ちなみに本来の持ち主のギルガメッシュからすれば
>「造らせたは良いものの、使う必要が無いと捨て置いたに過ぎん」
という下らないものだったのであっさりポイ捨て召喚者もこれにはおこである。
まあマスターだったのはほんのわずかの間だったけどね。
あっという間にティーネ・チェルクによって令呪を奪われて殺されちゃいます。
大丈夫だ当主が死んだ場合は後継が…はい、この人自分で間引いてます(才能が劣っていたので)
以上、家の力を取り戻すどころか自らの手で完膚なきまでに終わらせた魔術師のお話でした。
というわけでギルガメッシュのマスターになったティーネちゃん。
マスターとはいうけどスタイルは臣下として仕えるという感じ。
ちなみに心底敬意を払っているぞー。腹芸とかそういうのもないぞー。
願望機にも興味がなく合衆国に侵略されたスノーフィールドの地を取り返すことが望み
一族のために感情を捨てたとされる少女です。
なのだが、仕える相手が感情どころか圧倒的な自我の持ち主である英雄王。
あくまで自分のことしか考えない王の傲岸さに羨望し
若返りの秘薬をポンと頂戴して驚いたり
王様の影響けて感情の兆しが見えるティーネちゃんかわいいです。
そしてギルガメッシュは自分に続いて召喚された友の存在を感じてご満悦。
英雄王が驚き、焦燥、戸惑い、そして感動。
聖杯戦争で召喚された直後から本気になったギルガメッシュが見れるのはこのFakeだけ!
未来が楽しみなフラット・エスカルドス。
時計塔の生徒でロード・エルメロイⅡ世の教え子で、彼に言わせると才能のある馬鹿で
かつての私(ウェイバー)とは正反対な奴。あらゆる意味で的確な表現だ。
過去に類を見ない魔術回路とそれを御す才能を持っていて、作中の描写でもそれがわかる。
ちなみに教え子でいつまでも卒業できず教室に何年も在籍してい最古参でもある。
なんで才能あるのに卒業できないのかというと一言でいうなら性格に問題アリ。
これもまた作中の描写でわかるけど、だからこそ見ていていいキャラだと思うのだ。
まあ、そのキャラのせいで多くの教師が胃痛を訴えることになり、
最終的にあなたしかいないとロード・エルメロイⅡ世に預けられたわけだけどもw
1巻ではこのフラットくんとエルメロイⅡ世のやり取りが清涼剤といってもいいかもしれない。
中でもフラットくんの「世界征服」発言に揺さぶられるエルメロイⅡ世のシーンがお気に入りです。
フラットはバーサーカーのますたーとなるのだが、この経緯がまたトンデモだったりする。
エルメロイⅡ世に送られてきたジャック・ザ・リッパーの銘入りレプリカナイフ(ゲームの抽選景品)
これをサーヴァント召喚の触媒と勘違いして喜び勇んで渡米。
スノーフィールド現地の公園で魔力の流れなどをいじっているうちにバーサーカーを偶然召喚。
その後はとりあえず日向ぼっこすることにしたと、もうどこから突っ込めばいいのやらである。
事実を知ったらエルメロイⅡ世はいったいどんな顔をするのだろうかw
バーサーカーはジャック・ザ・リッパーなのだが普通とはちょっと毛色が違う。
なにせ真名は本人にもわからないというのだ。
更に狂戦士でありながら会話もでき、切り裂きジャックでありながら朗らかで紳士的な人格。
誰でもない状況こそが誰にでもなれるという特徴といえば特徴である。
これはコミカライズしたことによってわかりやすく恩恵を受けてますよね。
バーサーカー主従がどんなふうに立ち回るのか気になる人も多いのではなかろうか。
ジェスターさんすごく変態っぽくなってる
小説での危険な手合いというイメージが一気に危ないヤツになったぜ(ストーカー的な意味で)
姿かたちも変えることができるのでまあ変態というのも間違いではないか。
召喚されたサーヴァントにいきなり殺されて喜ぶというのも珍しい存在だよね。
まったく吸血鬼で概念核(魂)を6個備えてなかったら死んでたぜみたいな。
それにしてもぽわ…って、おっさんの恍惚とした表情をまさか見せられるとは思わなかったw
ジェスターとアサシンに関しては今後は二人の勝負?が見所の一つになるのだろうか。
ジェスターに召喚されたアサシンは可愛い。
狂信者ではあるが、誰も恨まず己の未熟を恥じてストイックに修練を重ねるところがいいよね。
それでザバーニーヤを18種類も修得しちゃうんだからトンデモっぷりがわかろうというものだ。
ジェスターがぽわっとしちゃうのも仕方ないのだ。
ちょっと教団の人たちー彼女にハサンの名をあげなさいよー。
キャスターのマスターはスノーフィールドの警察署の署長さん。
なのだが風貌といい立ち振る舞いといい、とても警察の人には見えないw
貫禄だけならランガル(老人)やファルデウスよりもあるよこの人。
警察署長とはいえ魔術師であるわけだし
少なくとも警察官たち28人も魔術師の弟子なのだから普通のポリスと違うのも当然か。
キャスターはイラストで描写すると俗っぽさがいい感じに出ていますね。
見ての通りとても人を食った性格である。
本物を越える宝具の贋作を複数量産が可能なすごいヤツなのだが
これに関しては実際に使われてみないとわからないよね。
そんなにたくさん誰に使うのかって?英雄王ギルガメッシュですよ勝てる気がしない。
数で勝負するのならそれこそすげー魔術使って無限にコピー作れるやつを呼ぶべき。
っていうかそんな情報どこに転がってたんだろうかやはりネット世界は広大だ。
謎の少女?
プロローグのみの小説には登場しなかった新キャラクター。
発言からすると今回の聖杯戦争を用意した組織の深いところにも関わっているようだ。
更に当時のジャンヌ・ダルクを知っているぽい。
じゃあ英霊かっていうとそうでもないような、現時点では黒幕らしき謎の存在だ。
禍々しい目をしているし只者ではなさそうだ。
この作品で一番かわいそうなマスター繰丘つばき。
10歳3ヶ月の年端もいかない幼子が聖杯戦争に巻き込まれるのもそうだが
繰丘夫妻の魔術教育のせいで昏睡状態に陥る。
というのも、激痛を伴う細菌による肉体改造で魔術回路を増設したはいいが細菌が暴走したため。
病院の無菌室で治療を受け夢の中を彷徨っているかわいそうな少女。
両親はわりと人でなしなのだがライダー召喚に際して悲惨な目に遭うのであった。まさに因果応報。
ちなみにこの細菌は盗んできた魔術体系の一部に独自の改良を重ね完成させたものなのだが。
「とある魔術師」なんて言われてますが蟲のカタチが特徴的すぎて言うまでもなくわかりやすすぎるw
対して問題のライダーはこの作品で一番のイレギュラー。
繰丘つばきが召喚したサーヴァントだが外見は黒い霧の塊のようなもの。
ぶっちゃけ人ですらなく病気そのもの。魔力吸収のついでに疫病を広める困ったちゃん。
作中でも主従合わせて最大にして最悪のダークホースなんていうけど
暴れるだけ暴れて単純に退場なんてことにはならないんじゃないかなーと思う。
個人的に、この二人はどこか微笑ましいところがある気がするので主従関係とか期待したい。
最後に召喚されたのはFateファンも待ってた英雄王の唯一の友エルキドゥ。
なるほどこりゃ美しい
だがただ美しいだけの存在でないことはファンも知っているし英雄王も知っている。
バーサーカーで召喚されたらすごいらしいが此度はランサーのクラスで現界しております。
かつて神の泥人形だった頃のエピソードも紹介されてます。
見た目的には例えるなら某なんとか姫の最後のシシ神みたいなものか。
篭絡した聖娼シャムハトさんもすごいよね色々と。
ギルガメッシュが友の存在を感じてご満悦だったように。
戸惑い。焦燥。そして圧倒的な歓喜。
示し合わせたわけでもないのにお互い「あの広場での決闘」の続きに思いを馳せる通じ合いっぷり
なんなの君たち唯一無二の友なの(そうだよ)
ともかく、いよいよ見られるぞ戦うエルキドゥの勇姿が!
ランサーのマスターは名も無き合成獣。銀色の毛並みの狼。
主従関係はおそらく現時点ではマスターたちの中では一番良いと思われる。
飼い主の魔術師には畜生扱いの上に使い捨ての触媒にされるところだったが
逃げ出してサーヴァント召喚してマスターになるというサクセスストーリーを披露。
飼い主はろくでもなさそうな感じだが、それでも聖杯戦争に参加するマスターの座を
ペット兼触媒に奪われたら心穏やかではいられない気持ちもわかる。
でもまあ、後のやられっぷりを見るに聖杯戦争参戦しても負けの未来しか見えなかったと思うナリ。
彼に功績があるとすればエルキドゥを聖杯戦争に招いたことだろう。よくやった。
追加のキャラは出てきたものの、これでプロローグのキャラは全員が出揃った。
さあ聖杯戦争の開幕だといった空気の中にとんでもない爆弾が投下されました
魔導元帥キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグにケータイさ…コーバック・アルカトラス!
死徒二十七祖の二人が揃って登場じゃないですか!
今回の件にはアルカトラスも多少なりとも関わっているらしいぞ。
いやまあ元は月姫の設定から登場したキャラではあるがFateに絡むという意味ではそうおかしくない
Fake登場キャラに死徒も居るし、小説でもORTっぽいのについて言及されてるし
特にゼルレッチは事が聖杯戦争となれば無関係というわけでもないしね。
だがそのあとに登場したのはFateキャラなんだけどある意味では死徒二十七祖以上の核弾頭。
!?
髪を金髪に染めた眼鏡の東洋人とおぼしき少女!?
ネームがAya~ってこれもしかして沙条綾香さん?
いやまてミスリードかもしれないしかしこの外見で名前もそれっぽいとくればほぼ間違いなくしかし…
A氏の枠には綾香さんが収まった?いやいや元からそうで、もしや冬木に在住していたというのか…
うむつまり…どういうことだってばよ!
ほかにも「闖入者が多ければ多いほど喜ぶ手合いの魔物(バカ)」というのも言及されてたり
なんかFateというよりは型月キャラの多くが関わる大きな話になりそうでワクワクするぜ。
というわけで内容はほとんどプロローグ小説と一緒
だけど気になる新キャラにとんでもないオチが仕込まれた1冊でした。
特に素晴らしいと思ったのはコミカライズしてくださった森井しづきさんの手腕ですね。
小説原作の成田良悟さんもあとがき解説で語ってますが
文章とは違った描き方で色々と見せてくれますよ。
ストーリーは同じでも表現の違いでまったく別の楽しみを提供してくれる作品となっています。
アルカトラスさんのセリフではありませんが『Fate/strange Fake』というこの作品
これからも期待を持って見届けようではありませんか。
ちなみに巻末には森井しづきさんによるFakeキャラのみんなでお店経営ネタのイラスト。
ギルガメッシュとエルキドゥが揃ってウェイター姿でござる。
心底ワクワクしてくる