『Fate/Zero』第56話感想 命と憎悪の炎を燃やす雁夜は怨敵とのリターンマッチに挑み表情がすごいことになる
間桐邸で泥酔する男が一人、雁夜の兄にして慎二の父親の鶴野である。
魔術師としての才能は雁夜より劣っていたのだが
その雁夜が居なくなったため間桐の当主になってしまった人物である。
弟には肉親の情はまったくなく、お前のせいで魔導をおしつけられたとすら思っているのだ。
つまるところはっきり言って申し訳程度に魔術がわかる一般人である。
だがそんなんでもサーヴァントの異常さと聖杯戦争中の冬木が魔界なのはわかる。
その恐怖を誤魔化すために日夜お酒に酔うことで何もかも忘れて泥酔する日々。
何不自由のない暮らしができるとはいえ間桐の当主など務まるハズもない男である。
まあみなさんご存知のように表向きのことで全ての実権は臓硯のほうにありますけども。
そんな酒に酔う男の前に現れたのはアイリスフィールを探している切嗣だった。
消去法で考えればアイリさんをさらうなら間桐だと考えてのことである。
むろんそんな事はなく、鶴野さんを痛めつけただけで空振りに終わる。
数時間かけて間桐の防護結界を突破したのにとんだ無駄骨である。
これも間桐が今回の聖杯戦争がお遊びだと知ってればなかったミスだろうが
そんなことは読者である我々にしかわからないからキャラの動きは面白い。
次に向かったのは遠坂邸。
同盟を考えれば時臣はあんなことをしないだろうと候補から外していた場所。
結界の解除に3時間もかけたがそこで切嗣はようやく真実に近づきます。
ここの頭の回転と状況証拠から推理するところはまるで探偵みたいだよね。
そして時臣の死をしらない人物がここにも一人。
雁夜さんはお膳立てされた場にやってくるのだがもはや歩くのも辛い有様。
ゼェゼェと足を引きずりながら歩く姿はさながら亡者である。
だが時臣への殺意の炎だけはメラメラと激しく燃えている。自分が逆に燃やされたくせに。
ガッツだけはホントにすごいもの持ってる雁夜氏はいざ時臣に再び挑むのだ!
死んでるよ
時臣さんが亡くなったことに気づいた雁夜は混乱の極みに。
彼を基点として渦巻いていた情念もなくなってぽっかり胸に空洞が空いたかのようだ。
どんだけ大部分を占めてたんですか聖杯戦争の参加目的すら忘れてますよ。
この表情が番外編で袋詰めされてたのと一緒だと気づくと笑ってしまうのでみんなも気を付けよう!
幼馴染は見ていた
正常な思考も失って最愛の人が時臣さんを見ている理由すらわからない雁夜。
おじさんに向けられるのは憎悪と滾るような憎しみの目である。
そう皮肉にも雁夜が時臣さんに向けてたものと同じである。
こうなることに考えが及ばず勘違いしたまま走り続けたがゆえの末路か。
罵倒されとうとう最愛の人にまで手をかけてしまう雁夜。
これは罠だ!って某デスノみたく申し開きできてればまた違った未来もあったのだろうか(事実だし)
魔導から逃げ出した時に冬木に帰らない決意もしていれば思い出だけは守れたかもしれない。
何もかも失ってしまった雁夜さん獣じみた本能でただ逃げ惑うばかりである。
特等席で見ていた言峰さん。
セリフは小説準拠のものですね。
美味い酒をまた飲みたいという思いは悪くないけど用意する肴が問題である。
最後までシリアスだったのに言峰さんの背景トーンがぽわぽわしたものだと気づき耐えられなかったw
――愉悦。