『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』4巻感想 紡がれるのはアーチャーとランサー、そしてマスターたちの物語。書き下ろし小説ではアーラシュさんバイクに大はしゃぎ
最終巻も発売して遅れましたけど4巻の感想から軽くいこうと思います。
小説本編の内容としてはアーチャー陣営とランサー陣営の本格的な登場がメイン。
そして退場していくところまでも描かれています。
オジマンディアスも4巻で退場。聖杯戦争も終わりが見えてくる内容です。
マスターもブリュンヒルデのマスターであるナイジェルは死亡。
そのナイジェル・セイワードのデザインラフも収録されています。
サングラスを外すと精悍な顔つき。若い荒耶宗蓮みたいな感じ。
天才的な錬金術師の腕前を持ち独自の魔術基盤で封印指定までされた男。
自らの起源「執着」を特性として利用して「人間支配・操作」で無二の成果を得られる。
作中ではその片鱗も見せたがマスター同士の戦いでは相手が悪かったのだ。
彼は死ぬ前にあることをしてるのだがそれは最終巻で語られます。
アーラシュさんのマスターであるエルザさん。
エルザ・西条は生き残ったけどしばらくはずっと泣き続けることになります。
笑顔が素敵な女性なのですが本来の彼女に戻るのもまた最終巻のお話。
実際より幼く見えるとはいいますが確かに子供を産んだ女性には見えぬ。
書き下ろし小説はそんなエルザさんとアーラシュさんが一緒に活動していた時。
バイクに大はしゃぎするアーラシュさんとそれに付き合うエルザさんが見られます。
>「はは。鉄の馬もなかなかに悪くない!本物の馬よりも素直だぞこれは!」
自由気ままな運転に溺れるような英雄の姿がそこにはあった。
日本でヘルメットも付けずにこんな運転して大丈夫なのかって?
二人の会話から察するに魔術でそのへんの認識は誤魔化してるっぽいのじゃ。
聖杯戦争中であるのにエルザさんも思わず笑顔。
マスターとサーヴァントの関係を正しく認識はしている。
それでもアーラシュさんに楽しんでもらえるならいいかと。
今日のごはんは何にしようかなと彼を楽しませることを考える。
魔術師らしからぬところが本当に素敵な女性ですねエルザさんは。
そんなマスターに召喚されたアーラシュさんもまた素敵な男性だ。
それは聖杯戦争で静謐のハサンと戦うことになった時の会話。
「全ての母と子が救われる世界」を願い戦うエルザさん。
ですがアーラシュと共に戦うということに昂ぶってしまう。
そんな自分に自己嫌悪した時にかけた言葉。
>「浅ましい女」
>「浅ましくはねえだろう」
>「男が死地にいう時に祈ってくれるのは、まあ、佳い女って言うんじゃないのか」
>「俺は好きだぜ」
アサシンの相手をしつつエルザさんの心のケアまで怠らぬ大英雄。
エルザさんも調子を取り戻して聖杯戦争に挑むので。本当に良いコンビだ。
そしてそんなアーラシュさんの相手をしていたのは静謐のハサン。
彼女はどこか捨て鉢になっているかのような様子。
それはパラケルススからの贈り物が効いてるからなのかどうか。
故に捨て身で一輪だけ咲かせることのできる自爆技でアーラシュを仕留めようとする。
そんな静謐のハサンの腕を掴んでみせて「あんたは本当にそれでいいのか?」
と瞳を見てしっかりと聞くアーラシュさん。
静謐のハサンはまた揺れ動いて惑う。戦いは決着とならずお流れとなりました。
ホームに戻って静謐のハサンはあるじのために戦うと自分に言い聞かせる。
自分は既に求めたものを得たのだからそれを信じて戦うのだと。
そんな静謐のハサンに言葉を投げかけるのがリビングデットとなった巽くん。
>「にげろ、ここは、だめダ」
>「きみは、こんなとこに、いちゃ、いけなイ」
>「にげ、テ」
変わらずに静謐のハサンを案じる言葉を紡ぐ巽くん。
それも蘇ったばかりと比べるとどんどん流暢になっていく。
静謐のハサンもそんな自分が殺してしまった優しい少年と向き合う。
>「ねえタツミ」
>「口付けしても、あなたは、もう、死なないんですよね」
当然ながら巽くんの肌はとても冷たかったという。
それから時は進んで残る英霊はキャスター、アサシン、セイバーとなった。
思えばここに至るまで多くの女たちが泣いた。今も泣いている。
キャスターは未だに世界を救う英雄が現れないことを憂う。
だが邪悪を引き裂く英霊はもうすぐ目覚める。
アーラシュ、ブリュンヒルデに想いを託され、オジマンディアスも認める勇者の輝きを持つ英霊。
その正義が顕れるのは最終巻となります。
もうすぐセイバーが本当の意味で活躍するんだなーと感じさせてくれる4巻でした。
こうして単行本で見ると一気に読めて臨場感がまた違います。
書き下ろし小説ではアーラシュさんとエルザさんの良い関係が見れてよかった。
最終巻の感想も時間を見つけて書こうと思うのでよろしくお願いします。
死んでからが本番だった巽くん。