【FGO】AIは寄り添う者として強調されてたのが奏章Ⅲは印象深かった。アーキタイプインセプションは改めてAIとは何かを考えさせられるお話だった
でもその発露の仕方なんていうか…うん
劣等感とか僻みも混じっていたし、AI達の献身が「理解出来ない」恐怖もあったろうしね
でも「誰しもが何かしら特別でありたい」という事自体はそこまでおかしくない考えではあった
花屋の店先に並ぶナンバーワンやオンリーワンになりたいのです
あと、幸福の在り方について、「自分が今何を持ってるのか」みたいな絶対的なものではなく「自分が誰より優れているのか」みたいな相対的なものにやたら偏ってたらしいのも悪い方向に走りましたね
向上心や頑張りのエネルギーになってるうちは良いけど、そんな足るを知らない底なしの執着、それも人の悪意や敵意を増幅させかねない危険な価値観に振り回されて他人の足を引っ張るようなことまでし出すのは流石に違うと思うんですよね
前者よりも後者の方が分かりやすく
優位性を測れるのもあるかもですね
ある意味これがフォウ君担当でもある
「比較」の悪性の一端とも言えるのかもです
あまりに身勝手で独りよがりな動機や価値観だったし、その結果引き起こしたことがあまりに無責任過ぎたから到底共感はできなかったけど、言いたいことはまあ分かる
当人も誰も理解者もいないまま一人で挑戦したことが報われなくて疲れてたのかもしれないね
つまり生まれつきの才能やそこからの努力で得たものを、ただAIを使うだけで努力もせず同じだけのものを得てしまうのが許せない、ってことよね。
現実世界のAIも誰かをサポートすることを目的に生み出されてるケース多いからその通りではあるんだけども、改めてAIとは何かを考えるお話だったアーキタイプインセプション
型月じゃない映画だけど、大長編ドラえもんのび太とブリキの迷宮っていう映画では
味方のロボットドラえもんは人間と寄り添うタイプで、道具や自分にばかり頼らず自分でも頑張れと檄を飛ばしてた
敵のロボットナポギストラー博士は人間に成り代わり支配者になろうと画策して、意識するだけでロボットに命令できるイメコンや体を動かさずに移動できるカプセルを作って人間が自分で活動出来ないようにしむけていた
この映画におけるロボット・AIとの付き合い方の対比を奏章Ⅲで思い起こした
才能ある人間や努力して成功した人間は一足飛びにそこに来られるのは嫌なものなのかな
携帯電話もパソコンも無い時代、クラス全員の電話番号を暗記してるとかすごい桁数の暗算ができるとかをアイデンティティにしてたクラスメイトはいたしな
自分の優位性が崩れることは、自尊心を傷つけうるからね…
すべての人が同じレベルの技巧を手にしたら「神絵師」もいなくなるわけで、そこから価値がなくなる可能性がある(個性を出せればとも思うけど、この世界では叶わないだろうし)
あとは、ベリルじゃないが「素晴らしいものになんてなりたくない」って考えもあるしね
キリ様みたいに社会や人々が幸福になるなら自分が貧乏くじ引くことになろうと惜しげもなく恩恵を共有しよう、って公共心や利他精神が強い人、1つくらい強みが失われても大した痛手にならない人ばっかだったらそうならないはずなんだろうけど、その強みなくなってしまったら褒められるところが何にもない、生きていけないような極端でギリギリな生き方やステータスしてる人からしたら絶対譲れない話なのかもしれませんね
芸術面ではそういう考えもあるんでしょうけど、実務面を考えると「いや代わりがいたほうが嬉しいです。」って思うんだわ…
能力を高く買われてのワンオペもキツイけど代わりはいくらでもいると能力を安く買いたたかれるのもしんどいのがなー…
スポーツ漫画とかでよくある控えの層も厚い強豪校のスタメンみたいなポジションに落ち着けたら実力を試したい人も幸せになれるんだろうけど
個人単位で見たら失われない食い扶持や居場所が作れるから素晴らしいことに見えるけど、社会からしたら代替できない個人に依存する構造になりがちでガバナンスの崩壊からの暴走リスクも高まるから安定性や持続性で見ると悪影響らしいですね
ただ、人間は全てが均質で自我もない機械とは違うし、もちろん団体戦特化で個人の概念がない魔神柱とも違う生き物だから、こういうものを求める性質はしょうがないものと割り切って対処法考えるしかないんでしょうね
人の様にありたいとする人外を描くのがきのこは本当に上手い
シナリオとしてもかなり面白く、AIとの共生をテーマにした内容としても興味深いのすごかったですね。AIや機械と人類が戦争する物語を多く見てきたので余計にそう思いました。そういうテーマの作品で機械が学習し、人間と分かり合えたりするようなのも管理人は好きですけども。
AIだけでなくドローンにも当て嵌まるけど人間の利便性やエンタメを求めて作成された筈の機械が、戦争に用いられて恐ろしい兵器となる様は何か本来の作成意図から掛け離れ過ぎて何か悲しくなってくるわ。