『Fate/stay night』は奈須きのこ×武内崇コンビ作品の中でも特に歪みを抱え、主人公を縛る制約が強い
サッカー開始まで時間あったのでTYPE-MOONのことを考えていたのだが、やはり奈須きのこ×武内崇のコンビの中で、『Fate/stay night』というのは歪みを抱えている作品だと改めて感じた。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
インタビューとかで幾度となく言われてる話だけど、やはり奈須きのこの文章というのは女性的なんですよね。正確に言えば、女性キャラが発話するとしっくり来る文章になっている。その意味では『空の境界』というのが一番ナチュラルな奈須さんの文章なのかもしれない。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
『空の境界』『月姫』『Fate』に絞って言えば、それは主人公が女性、中性、男性という対応を見せているように思う。例えば「女の子なんだから自分を大事にしなきゃ駄目だ」という台詞、両儀式だと純粋にカッコイイ、遠野志貴だと全然あり(教室で詩集読んでそうだし)。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
ところがこれを衛宮士郎が口にすると、一瞬にしてマッチョ感が出る。図像的にも士郎は男性性強いし、肉体の鍛練とかもやってて、それが精神面とも結びついている感じで違和感が生じる。けれどそれは作品の瑕疵にはならない。そもそも『Fate』は士郎の歪と人々が向き合っていく話だから。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
衛宮士郎がもう一点特殊なのは、彼だけが物語内で強烈な使命感に囚われてるってことです。強迫観念に近い。両儀式は状況に対応してるだけだし、遠野志貴も誰かと一緒にいたいという欲望が敵と戦う状況に繋がってる。しかし士郎の場合、ヒロインズが存在しなくても正義の味方にならないといけない。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
これは作品構造にも明確に表れてて、『空の境界』は断片的な構造+時系列も入れ替わる構造になってる、明確なラスボスもいない。『月姫』はロアっちがいるけど、マルチエンディングだしコハッキーが真ボスとも言える。これが『Fate』だとルート固定+アンリマユがラスボスってのが明確。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
言ってみれば『空の境界』『月姫』『Fate』と、順に令呪的な縛りがあるというか、主人公を縛る制約が強くなっているんですね。衛宮士郎の歪さがテーマになるというのは、実際には言葉やゲームシステムの縛りや歪みとも連関していて、そこがTYPE-MOONの系譜として凄く面白いなーと感じる。
— 坂上秋成 (@ssakagami) 2014, 6月 3
奈須きのこ先生の作品は歪な人格をもったキャラクターもまた魅力の一つ
『Fate/stay night』は衛宮士郎の物語なのでその歪みといえば主人公に集約されるのも致し方なし。
なんといってもこの歪さこそがキモなんですよねー。
その表現を見て士郎のおかしい所を感じ取らなければとにもかくにも始まらない。
乱暴に言うと主人公として生まれたのではなく主人公に仕立て上げたキャラというとしっくりくる。
だから強烈な個性があり、主人公としての行動と内面描写でプレイヤーにその歪さを伝えてきます。
その異常な所も行き過ぎではあるのに納得できてしまうんですよね。これが上手いというかスゴイ。
単純に理解できないからこそ考察の余地もあるというわけだ面白い。
奈須きのこ先生にとっては「歪な主人公を歪なままユーザーに愛してもらう」
ということがテーマの一つという話がありましたが10年もファンに愛される士郎を見るとそれは大成功だったようですね。
士郎は嫌いな人もいる話も聞きますがこんなふうに賛否が出る主人公だからこその人気でしょう。
士郎沼というものにハマっている人ほどに語れないが管理人は士郎が好きである。
コクトー「」