『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』第38話感想 偽りの身体に剣の遺志を宿した衛宮士郎が手にしたものは、彼だけの心象風景が具現化した新しい無限の剣製
前に少し攻撃されたけど正面から相対するのはこれが初めて。
だが以前とは違って聖杯戦争の経験と錬鉄の英霊の知識がある士郎には相手の凄さが理解できる。
人類が成した全ての財が宝具となる英霊ギルガメッシュは間違いなく最強のカードだと。
そして人類という種を背負って戦うエインズワース。だが…
士郎にも背負っているものがある
もう行く道を決めた士郎に迷いもなければ後退も無い。
よりハッキリと言うのなら、あの運命の夜からもう後戻りできない状態へと士郎は成っていた。
いきなりカードも無しで英霊と同じ戦い方をする士郎にアンジェリカもびっくりである。
本来ならカードがその手を離れた時点で英霊相手に戦う術など無いのだが士郎は事情が違う。
もはやカード無しでも投影魔術を行使することができるのだ。
それもこれもカードで繋がった英霊が自分自身という特例だからこそ出来ることである。
色々な意味でエインズワースにとって例外ばかり起こってますけど抑止力が仕事してたりしないでしょうね?
インストール抜きで英雄の力を使えるのは要約するといつか到達する可能性の前借りをしてるから。
実態はそんな生易しいものじゃなく既に起源すらも錬鉄の英雄と同じになっている。
そして戦うたびに士郎の身体は英霊エミヤに「置換(侵食)」されていくのだ。
それは仔細がわからないアンジェリカにも明確に分かる破滅への道であった。
そんなアンジェリカに士郎がかわいい発言
そんなラブコメなシチュじゃないけど妙に気になるのは未来の関係に何かしらありそうだからか。
この場に居たのがベア子だったら士郎もやばかったのだろうか。
アンジェリカのなぜ士郎はこうまでして戦うのかという疑問に回答を与える。
士郎はただ「生き残ってしまったから命を使い切るまで戦おう」という考えでいるだけなのだ。
もうこの士郎は死人。それだけでなく、ついにはエミヤと同じそこに至ってしまった。
そして始まる無限の剣製の詠唱……途中から違うぞ!?
「ただの一度の敗走もなく」のところからこの士郎の心象風景を表す詠唱となっている感じですね。
> けれど、
> ――――yet,
> この生涯はいまだ果てず
> my flame never ends.
> 偽りの体は、
> My whole body was
> それでも
> still
> 剣で出来ていた――――!!
> "unlimited blade works"
この士郎の固有結界…それは雪原に埋もれる剣の丘
空は光すら刺さない暗闇が覆って寒々しい荒野をより救いのない心象風景にしている。
この士郎の決意からしたら当然なんだけど、なんという夢も希望もない世界だ。
既に終わった身。剣が尽きるその時まで士郎はアンジェリカを足止めするだろう。
対してアンジェリカさんはそんな姿の士郎を見て激怒。
人間ですらない獣以下の存在だと明確な怒りを見せてこちらも闘志を燃やします。
この人って役目もあるだろうけど人間という種に好意とか憧れみたいなの持ってるぽいよね。
そう考えると人間という種からはぐれた姿を見せる存在にイライラするのも納得かな。
すまし顔で人類救済を語るよりもこうやって感情を見せてる方が好ましいまである。
立ち位置的にギルガメッシュなアンジェリカが「勘違いしていた」って言わせるのも面白い演出。
そして新しい無限の剣製に新しい詠唱
それがこうしてFateシリーズの作品の中で、それもプリヤで新しく生まれるとまた感慨深い。
何から何までひろやまひろし先生すごいなって唸らされる話でした。
あまりに震える展開に煽り文も不在である。
新しいUBWキタ――――!!