Fate/Zero 第24話 「最後の令呪」 感想
2012年06月17日 20:00 Fate/Zero
「衛宮切嗣の名の許に、令呪を以てセイバーに命ず―」
いよいよ聖杯戦争も佳境。
ああ、終わりが近い・・・。
アクションシーンも映像のクオリティも素晴らしかったです。
それだけに尺が足りないというのが残念で仕方ありません。
OPも無しで最初から盛り上げてくれる。
凄い詰め込まれた濃い回でした。
会話もなくいきなり始まる切嗣と綺礼の宿命の対決。
切嗣はいきなり先手必勝とばかりに切り札である起源弾を使います。
それを魔力で刀身を膨張させた黒鍵を扇状にして防御する綺礼。
目に見えて魔力を使用した大技に魔術師殺しの技を叩き込んだことで切嗣は勝利を確信します。
イメージ映像はケイネスさんでお送りしてます。
しかし予想は裏切られる。
綺礼はケイネスのようにならずピンピンしてます。
起源弾が不発に終わったことに切嗣も驚いていますね。
今まで無駄撃ちせずに魔術師を再起不能にしてきただけにこれは初めての経験。
つまり綺礼が初めての男、こう書くと字面的になんか嫌だな(笑)。
令呪はサーヴァントを律する以外にもこうやって消耗品として使えるんですよね。
ちなみに令呪10画でようやくサーヴァントにダメージを与えられるらしいですよ。
魔術刻印を持たない綺礼はこいつを使って戦闘を有利に進めています。
原作だと地の文での解説が入りましたが、アニメでは切嗣がカラクリを理解するという改変。
ここはどうしても必要なのでナイスな判断かと。
倍速で間合いを取ろうとするも、綺礼を見誤っていた切嗣は衝捶の一撃で心臓を破壊されてしまいます。
それは手榴弾が胸元で炸裂したに等しい一撃だとか、そんなものをくらっては即死ですよ。
この時に綺礼が滑走して一瞬で間合いを詰めたのは「活歩」の歩法。
足さばきも見せずに行う離れ業、八極拳の秘門、カッコイイ。
切嗣の死を確認して緊張を解く綺礼。
しかし今度は綺礼が驚愕する番である。
死んでいた切嗣は蘇生して隙を伺っていました!
容赦なく浴びせられるキャレコの銃弾を咄嗟にガード。
綺礼からしたら死体が攻撃してきたようなもの、そんなのは範疇外でしょう。
生き返るというトンデモのカラクリの正体はアヴァロンでした。
反則っぽい効果を発揮する宝具にはさすがの一言。
狙っていたわけではなく切嗣にとっても予想外の出来事。
この時にコンテンダーに弾丸が装填されていれば切嗣の勝ちだったのですが、いくつも幸運は重ならないですね。
倍速で体勢を整えてコンテンダーによる攻撃を放つ切嗣。
「纏」の化勁で受け流す綺礼。
一応言っておくと、
これは敵の拳を巻き取って流すためのもので、間違っても銃弾を受け流すためのものではありません(汗)。
もう怪物と形容するしかないほどの凄まじさです。
自分の魔術とアヴァロンは相性抜群。
アヴァロンの治癒能力は自傷も治癒できる。
ということで固有時制御による自分へのダメージも関係ないとばかりに切嗣は速度アップ。
切嗣は三倍速での攻撃で綺礼の右腕を完璧に破壊。
20キロの鈍器で殴られては痛いなんてレベルじゃない。
三倍速を維持し、立て続けにサバイバルナイフで襲いかかる切嗣。
これを今度は「聴勁」で防ぐ綺礼、
功夫も達人の域になると腕が触れ合った刹那に次の動きを読み取ることができるとか。
つまり死角からの攻撃も全く無意味。
それもすごいけど三倍速のスピードに対処する綺礼がとんでもないよ!
更には「鎖歩」の足さばきで切嗣の体制を崩してしまう。
・・・八極拳って凄いんですね(汗)。
固有時制御・・・四倍だぁぁぁぁーーーー!!!
どこかの主人公のように切嗣は四倍速!
綺礼もこれには対応できずナイフを喰らってしまう。
改めてコンテンダーを照準する切嗣。
狙いは打たれる前に撃つ。
そんな切嗣の左右背後を黒鍵で囲み、「箭疾歩」で飛び込む綺礼。
こちらの狙いは 八大招 ( はちだいしょう ) ・ 立地通天砲 ( りっちつうてんほう ) 。
顎下から突き上げる一撃はで確実に切嗣の頭蓋骨を打ち砕くこと。
お互いの一撃が交差するその時に頭上から降り注いできたアンリマユの泥。
アイリもいよいよ人間の姿から聖杯になり、その聖杯から溢れ出たものですが二人が知るはずもない。
決着がつく前に二人は飲み込まれてしまいました。
いや、それにしてもすごいアクションシーンでしたね。
特に八極拳で切嗣に襲いかかる綺礼の再現が頑張ってました。
もうひとつの戦い、セイバーvsバーサーカー。
セイバーさんはもう戦えないんじゃってくらい憔悴してます。
でもバーサーカーは関係なとばかりに顔面キック。
酷いというか容赦ないな(汗)。
バーサーカーの猛攻をセイバーが受けるだけという一方的な戦闘です。
そんな戦いも唐突に決着。
雁夜の魔力切れで動きが止まったバーサーカーの隙をセイバーの一撃が貫いたという形です。
この戦いはかなりカットされていました。
戦闘シーンの描写もそうですが、正気に戻ったランスロットの言葉も一言だけで。
置鮎 龍太郎さんも喋らせろやーって言ってましたがまさか一言だけとは・・・。
アニメだけ見ている人には、このあっさりとした結末に拍子抜けしてしまったかも。
セイバーとランスロットの最期の会話はセイバーが更に聖杯に執着するシーンだけに残念。
BDBOXに期待しています。
聖杯の内側で切嗣は死んだはずのアイリと再会。
正しくはアイリの仮面を被った聖杯。解釈が難しいですがアイリとなんら変わらないのは確か。
なんでそんなことをするかというと、誰かの殻を被らないと意思疎通ができないからですね。
そんな彼女が切嗣の内側にどうやって願いを叶えるのか見せてくれます。
「正解。それでこそ衛宮切嗣だ」
なんとも残酷な己の真理を見せつけられる切嗣。
これ以外の方法があって欲しいからこそ聖杯という奇跡に頼ったんですよね。
でも聖杯は切嗣の知らない方法を切嗣の願望に含めるわけにはいかないとにべもない。
ここまで犠牲にしてきたモノを考えるとなんとも酷い話です。
本当は聖杯もちゃんと万能の願望機だったんですけどね。
おそらく切嗣の恒久的世界平和も叶えられたんですよ。
ある事情からこの世全ての悪なんてのが居座ってます。
わかりやすく例えると、こいつが仲介人になっているせいで聖杯さんに願いが正しく受理されないわけです。
この聖杯の正体についてはstay nightで詳しく語られています。
気になる人はFate/Zeroの10年後の物語であるFate/stay nightをプレイしてみようじゃなイカ!(えー
聖杯が実現する世界平和は全人類を抹殺によって実現することを切嗣は知ります。
要するに人類がいなければ争いも起こらないから平和だろ?ってことですね。
この聖杯はそういうモノなのです。
そうして最後に残るのはアイリとイリヤの二人、そして切嗣。
つまりこれが切嗣の求めた、争いのない平穏の世界。
聖杯が叶える理想郷のカタチというわけです。
聖杯はアイリの最後の願望も引き継いでいると言っていたのでそれも反映されていると思う。
「僕は――世界を――救うから、だ」
確かに切嗣の願望はこの世界かもしれない。
しかし切嗣は今まで自らの理想の為にそれらに背を向け、あるいは裏切ってきた。
今度も世界を、人類を救うために愛する娘と妻を殺します。
切嗣への底抜けの呪詛をぶつけてアイリも逝ってしまう。
聖杯の仮面とはいえ吐き出される感情はまぎれもなく本物のアイリ。
そんなアイリはイリヤの死に狂乱し、世界を救うと言う切嗣を呪いました。
彼女の本当の望みは世界の救済という理想ではなく、愛する家族と末永く幸せに暮らすことだったのでしょうか・・・。
現実に戻って来た切嗣。
事の顛末は綺礼も一緒に見ていました。
聖杯にまったく興味のなかった綺礼はそれで聖杯を望むようになります。
アレの生み出す地獄が見たいってことですね。
そんな綺礼を背後から撃ち殺す切嗣。
宿命の対決は自らの手で悪夢を終わらせた切嗣の勝ちでした。
満身創痍ながらも聖杯の元に辿り着いたセイバー。
立ちはだかるのはギルガメッシュ。
余裕のギルガメッシュは何を言うのかと思えばセイバーへいきなり求婚(笑)。
セイバーの意思は聞いてない、断ると言っても照れによる言い間違えと解釈。
自分がそう決めたんだから相手も喜んで受け入れるの普通という考えですよ。
相変わらずの我様主義ですなーw
前回のカッコイイのも、今回の横暴なのも、全部ひっくるめて英雄王なんですよね。
セイバーは王の財宝で串刺しにされ絶体絶命の窮地です。
そこへ現れたのは切嗣。
その姿を見つけたセイバーはここに来てどんな指令だろうと応じる構えを見せる。
今までにないほど協力的になってマスターからの援護を待ちます。
だというのに下された指令は宝具による聖杯の破壊。
聖杯の正体を知らない者からすれば何故こんなことをするのか理解できないでしょう。
切嗣以外の人間はただ驚くばかり。
ギルガメッシュも婚儀を邪魔する雑種にお怒りです。
令呪二つを使用した命令に逆らえず絶叫するしかないセイバー。
張り裂けんばかりの声と共に次回へ続きます。
誰も彼も救われない。それこそがFate/Zeroですね。
でも少しだけ救いもあるんですよ。それは次の話でわかります。
というわけで、次回はとうとう最終話。
ここまで楽しませていただいた作品が、最高の結末を迎えることを期待しています。
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