【Fate】キャス狐「冬木の聖杯ですってよ、御主人様!」
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/ /: ̄/ // | _ "/'| イ:::::\ ブッ転々しちゃいますよ?
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| レ'"/´ ././| |/| \ _,.イ| | ノ ̄:∧ \
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白野「ん――んん――」
キャス狐「御主人様――ゴクリ。起きませんかー?起きませんよねー。右よーし、左よーし。それでは」
キャス狐「ご主人様をいただきます☆」
キャス狐「いやん!またもや逃げられた?つーか今度はグーで殴られたぁん」
白野「ムーンセルの中でくらい大人しくしてよ――ってこれ土―地面?」
キャス狐「御主人様、御主人様」クイクイ
白野「何だよ、裾引っ張るなって」
白野「どうしたのさ空何か指―さし―て?え―嘘――だろ――どうして」
キャス狐「私もセラフを問い詰めようとしたんですけどねー、あんの無機質うんともすんとも言いやがりません」
白野「だって――あれって――月?」
白野「いや、ちょっと待って。俺とタマモは――」
キャス狐「シッ!ごめんなさい御主人様。真名で呼んでいただけるのは
すごーくありがたいんですけど、この場ではいつも通りキャスターでお願いします☆」
白野「っ――わかった」
白野「ところでここは?見たところお寺みたいだけど――」
キャス狐「そんなことよりぃ、月夜のデートとか行ってみませんか?っていやん、私ったら大胆☆」
白野「そうだね、わかった。とりあえずここから出よう
キャス狐「ささっ、そうと決まれば善は急げ。こんな辛気臭い場所とっとと出ちゃいましょ!」
白野「ちょっと、あんまり引っ張るなって」
キャス狐「こっちですよこっちー!」
キャス狐「だってぇん、御主人様と月夜の散歩でぇ、あんなことやぁ、こんなことぉ」
キャス狐「したかったんですもん☆」
白野「イラッ」
キャス狐「ああー!御主人様今、こいつって面倒臭い女だぜー。とか思ってますね?」
キャス狐「がーん!およよよ、やっぱり私は都合のいい女――最後には毛皮にされちゃうんですねぇ」
白野「フゥ―それよりも、さっきの場所に長くいたくない理由って?」
キャス狐「気付かれていたんですね!?さっすが私の愛すべき旦那様ですぅ!」
キャス狐「キャー!!御主人様からの俺の嫁宣言第2弾!これもマイリス確定ですぅ!」
キャス狐「まぁ、そのへんのことも歩きながら話していきましょう。
今はこの場から少しでも離れるのことが先決です」
白野「そうだね。このお寺は何か嫌な感じがする」
英霊にされたから真の実力発揮できないって結構実際は最強レベル?
宝具が、ではなく本人が天照の一部
アンマリヒッパルナッテ
???「ふむ、半妖のサーヴァントとそのマスター――か。あの女狐も中々面白いものを召喚する」
???「ちょっとアサシン!今ここをサーヴァントが通らなかった?」
???「おや、キャスターではないか。こんな夜分に何用か?」
???「俺が命じられたのは、この門を入ろうとする輩の迎撃。出て行く奴のことなど知らぬわ」
???「っ、この、減らず口を――。ハァまぁいい。取り敢えず当初の目的は達成したわ。
あとのことは追追考えましょう」
白野「なぁ、それでここは一体どこなんだよ?」
キャス狐「ごめんなさい御主人様、それは私にもわかりません」
白野「そっか。いやいいんだ」
白野「ただ?」
キャス狐「この街の到る所でサーヴァントの気配がします。恐らくはここでも――」
白野「聖杯戦争が―行われてる?」
白野「一体どうなってるんだ?俺達は月でトワイスを倒し聖杯を勝ち取った」
キャス狐「そして私と御主人様はムーンセルに侵入し願いをインプットしデリートを待つ身となった」
白野「そこまでは覚えている。だが気が付くと地上で痴女のサーヴァントに寝込みを襲われた」
キャス狐「イヤン」
抱くならどっち。
ぼ く は
玉 藻 の 前 ち ゃ ん
キャス狐「御主人様――」
白野「だけど――俺は一人じゃない。キャスターが一緒にいてくれてよかった」
キャス狐「はいっ!一緒に月の戻る手段を考えましょうね、御主人様!」
キャス狐「でも――月に戻るって何だかかぐや姫みたいでドキドキしますねぇ」
キャス狐「セラフがぱぱっとマイルームを用意してくれればいいんですけどねぇ」
白野「まさかこんな形でセラフの便利さを実感することになるなんて――」
キャス狐「まずは私と御主人様の愛の巣を――っ!?」
キャス狐「まだハッキリとはわかりませんが、サーヴァントの気配が2つ。恐らく戦闘中ですね」
キャス狐「距離はここからそんなに離れていないみたいですねぇ、どうします?」
白野「何か情報が得られるかもしれない、行ってみよう!」
キャス狐「はい!」
型月はどんなに作品やってても付いていけない
ふっ、それはどうかな?
しゃらくせぇ!!
キャス狐「ここですよ御主人様。大きなお屋敷ですねぇ」
白野「本当だ、ということはここは日本―ん?―あれは――遠坂!?そんな――」
白野「あれは確かランサー。遠坂のサーヴァントの筈なのにどうして?」
ランサー「おい、いつまで覗き見してるつもりだ?えぇ!!」
白野「しまった!?」
ところで御主人様、聖杯戦争で犬なんてクラスありましたっけ?」
ランサー「てめぇ、聞こえてんぞ!!いきなり出てきて挑発たぁ余裕だな」
キャス狐「べっつにー、事実を言ったまでですし」
ランサー「いい度胸してるじゃねぇか。魔術師如きが俺に勝てるとでも思ってんのか?」
本来は死者の蘇生すら可能なんだぞ
ランサー「っ!?お前――何を知ってやがる?」
キャス狐「敵であるあなたに教えることなど何一つありませんが、強いて言うなら色色とでも言っておきましょうか」
ランサー「ちっ、了解だマスター。命拾いしたな狐女。今日のところは見逃してやる」
キャス狐「やっぱり根っから負け犬根性が染み込んでるお方は違いますねぇ」
キャス狐「伊達に見ているだけでネガティブになりそうな青タイツを着ているだけのことはあると言いましょうか」
ランサー「殺す!次あったときはその小僧共共殺してやるからな!!」
もしかして:怨天祝奉
夫婦で初めて力を発揮するって保健室で力説してた
キャス狐「ふぅ、とりあえず片方は何とかなったみたいですねぇ御主人様」
遠坂「ちょっと貴方達!何てことしてくれたの?おかげで私の計画が台無しじゃない!!」
白野「ち、違うんだ遠坂、これには事情が――」
遠坂「え――なんであなた私の名前知ってるのよ?」
遠坂「ちょっとアーチャー黙ってて!何よ最悪の状況――て?」
???「問おう。貴方が私のマスターか?」
アーチャー「衛宮士郎がサーヴァントを召喚した」
B B B B B B
G G G G G EX
衛宮「仕方ないだろう。いきなりこんな状況になって混乱してるんだ。少しくらい整理させてくれ」
遠坂「まぁ、百歩譲って私は良いとしましょう。何であいつまでここにいるのよ!?」
キャス狐「ずいぶん嫌われちゃいましたねぇ御主人様?」
キャス狐「はいストップ。これ以上私の旦那様を愚弄するような言葉を言おうものならこの場で呪殺しますよ、小娘?」
遠坂「ばっ、だっ、旦那様ぁ!?サーヴァントが?人間の!?え、ちょ、おもが!」
凛「もがもがももが!!んーーんーーー!!ぷはっ!苦しいわよ!」
白野「キャスターもだ。俺達は情報を殆ど持ってないんだ。安易な挑発はやめてくれ」
キャス狐「すいません、御主人様」
アーチャー「彼はともかく先程から呆けているそこの愚鈍な男は何もわかっていないようだからね」
衛宮「おい、それって俺のことか?」
アーチャー「ふっ、そう聞こえたなら訂正しよう。そこの成り行きでこの戦争に参加した正義の味方などという妄念に囚われた愚かな男と」
遠坂「こらアーチャー。あなたまで何熱くなってるのよ」
遠坂「ふぅ――私だけじゃこの状況は如何ともし難いわ。とりあえず協会に行きましょう」
白野「協会?」
遠坂「うるっさいわね!私が脱落するわけないじゃない!だからここには来たくなかったのよ」
言峰「ふむ、ではなぜこの教会に?マスターが監督役と不用意に接するのはルール違反だと知らない君ではあるまい」
遠坂「用があるのは私じゃないわよ。後ろの冴えない男二人組み」
遠坂「ほら衛宮君も行くわよ!さっさと準備する」
協会
遠坂「邪魔するわよ綺礼」
言峰「おや凛ではないか。まさ遠家の長女ともあろう者が序盤で脱落するとは――時臣氏が知ったらさぞや悲しむであろう」
遠坂「片方は成り行きでマスターになっちゃった衛宮君、もう一人はあーうん、まぁ似たようなものよ」
白野「フランシスコ・ザビ!!じゃなくて岸波白野です」
言峰「衛宮――そうか、君が」
衛宮「――何がだ?」
言峰「正義の味方には―――
キャス狐「だーー!!うっさいっつーの!さっきからぐだぐだぐだぐだ、ちゃっちゃとシステムだけ説明してください」
白野「あ、おいキャスター!」
言峰「ほう、彼女がザビエル君のサーヴァントか。どうやらキャスターのクラスらしいがおかしいな」
キャス狐「何がですか?私からしたらその陰鬱な表情のほうがおかしいっつーの。瞳に光りいれてから出直して来いってんです」
遠坂「何ですって――それじゃあ彼女は」
言峰「イレギュラークラス否そう決め付けるのは早計か。まぁいいそれは追々調べていくとしよう」
言峰「今日のところは聖杯のシステムを説明するだけに留めておこう。これ以上長引くと彼のサーヴァントに何をされるかわからないのでね」
衛宮「くそ、こんなの間違ってる」
遠坂「受け止めなさい。これが現実よ。岸波君を見てみなさい。ちゃんと受け止めてるわよ」
衛宮「岸波って言ったよな?お前はこの聖杯戦争のことどう思ってるんだ?」
衛宮「そうか、でも――」
???「こんばんはお兄ちゃん」
白野「アリス!?」
遠坂「誰よ!?彼女はアインツベルン、マスターの一人よ」
イリヤ「あらセイバー久しぶりね。ふーん、あなたが士郎のサーヴァントなんだ」
イリヤ「いいわ、やっちゃえバーサーカー!切継に関わるものは全部壊しちゃえ!!」
バーサーカー「ー■■■■■■ー」
衛宮「危ない、セイバー避けろ!」
ーガキンー
イリヤ「嘘、バーサーカーの刀を受け止めるなんて」
キャス狐「私を傷つけようなんて100年早いですよ」
アーチャー「凛!これはチャンスだ。キャスターが足止めしてる間にあの狂戦士を叩く!」
キャス狐「御主人様!」
白野「わかってる!奴を燃やせ、キャスター!!」
上がりづらいステは50レベぐらいでようやくEXになるのに…
バーサーカー「-■■■■■ー」
白野「効いてない!?くっ、キャスター!!」
キャス狐「回避が間に合わない――!?」
ドシュッ
バーサーカー「-■■■■■ー」
イリヤ「何してるのバーサーカー?こんな奴らとっとと片付けちゃいなさい!」
バーサーカー「-■■■■■ー」
遠坂「嘘でしょ?あのバーサーカー不死身なの?」
セイバー「待ってください!イリヤスフィールはこのようなことをする方ではありません。まずは話し合いを」
衛宮「俺もセイバーに賛成だ!イリヤ、どうしても戦わなくちゃいけないのか?」
白野「キャスター!!」
キャス狐「了解です御主人様!ほぅら、氷像の出来上がりですよ」
アーチャー「ブロークン・ファンタズム!!」
遠坂「皆、とりあえずこの場は撤退するわよ!」
???「な、なんだよあれ!あんな化け物に勝てるわけないじゃないか!そ、そうだ衛宮とチームを組めばいいんだ」
???「衛宮の奴僕だけ仲間外れにするなんてずるいじゃないか!待ってろよ」
白野「はぁ、はぁ、はぁ、なんとか、逃げ切れたか」
遠坂「こんの馬鹿衛宮!!あんた何考えてんのよ!!」
衛宮「なんでさ?だっておかしいだろ、あんな小さい女の子が戦うなんて」
遠坂「いい?これは戦争なの。参加した以上大人も子供も関係ないわよ」
お前…
李書文先生がどんだけチートだったと思ってんだ
そいつは当たりだが
4次ハサンを召喚した奴は悲しいことになるぞ
逆に考えろ80対1だ
どう考えても宝具で一層だな
こりゃダメだ
対軍宝具持ちじゃなきゃマスター殺して終了だからめちゃ便利なんだけどな
キャス狐「みこーん!?御主人様、ワカメが現れましたよ!」
白野「慎二!?」
慎二「誰だ君たちは?僕は君のような影の薄い人間を知り合いに持った覚えはないね」
キャス狐「あはははー、こいつ海に沈めてやろうかなー」
そういう奴らはダンジョンで殺せってことなんだろうけど
月のは最初に合意とってるとはいえ必ず相手を殺さないといけないからな
衛宮「話し合いって、どういうことだよ慎二?」
慎二「実はさぁ、僕もこの聖杯戦争に参加してるんだよね」
衛宮・白野「!?」
遠坂「へぇ、そう。あなたが。意外ね」
遠坂「私は反対よ。彼都合が悪くなったら絶対裏切るもの」
慎二「ちっ――そそそそんなわけないじゃないか。僕は友達同士で殺し合うなんておかしいと思って――」
白野「俺はその提案乗るよ」
衛宮・遠坂・慎二「!?」
白野「岸波白野だよ。間桐慎二」
遠坂「あんた―彼がどういう男か尻もしないくせに何勝手なこと言ってるのよ!?」
白野「大丈夫だよ遠坂。彼は絶対に裏切らない。俺がそうさせない」
遠坂「――あんた一体何者なの?」
聖杯戦争時のこいつの汚い性格を知っててなお味方するか
支援
遠坂「かと思えばサーヴァントの扱いに慣れてたり―あなた―怪しすぎるわよ?」
白野「――ごめん!俺実は記憶喪失で、よく覚えてないんだ」
遠坂「は?あなたねぇ、そんな都合良く――ハァもういいわ。話すだけ無駄な気がしてきた」
衛宮「ハァ白野が組むなら俺も組むよ。俺だって友だちと殺し合いなんてしたくない」
遠坂「あぁぁああもう!本当にお人好しなんだから!わかったわよ!私も組むわ。ただし、少しでも怪しい動きしたら容赦しないからね」
衛宮「ありがとう、遠坂」
遠坂「うるさい!!」
バトルロイヤルであいつらスキルは反則以外の何物でもない
ふと思ったけどこれ赤セイバーだったら面倒くさいことになってたな
同じ顔と性格と胸の大きさ的に
衛宮「ああ、わかったよ。気を付けて帰れよ」
白野「慎二!俺も行くよ、俺も家に帰りたいから」
遠坂「あんた変える家あんの?記憶喪失って言ってたじゃない!」
白野「あ――」
衛宮「え?」
遠坂「彼記憶喪失なのよ、可哀想じゃなぁい衛宮君?それに同じ仲間なんだし一緒にいたほうがいいわよ」
衛宮「それもそうだな。岸波、お前さえよければ俺の家の空いてる部屋使ってくれよ」
慎二「おい、白野はやくしろよ!僕待たせるとか何様のつもりなんですかー?」
白野「じゃあまたあとで」
遠坂「それじゃあ私も帰るわ。また明日ね衛宮君」
慎二「着いたよ、ここが僕の家だ。てゆーかさ、何で僕についてきたの?」
白野「いや、慎二が心配だったから――」
慎二「はぁ!?バカにしてんの?何で僕がお前に心配されなきゃならないわけ?」
慎二「僕のサーヴァントはお前のその変な耳したサーヴァントの何倍も強いんですけど」
キャス狐「ご主人様~、もう殺っちゃいましょ?このワカメ根元から引きちぎっちゃいましょ?」チャキ
白野「キャスター、目が笑ってないよ。それと鏡しまって」
慎二「ひっ――ととととにかく!お前に心配される理由なんて一つもないの」
白野「そうか。それは申し訳ないことをした」
慎二「ふん、まぁ身の程を弁えてるみたいだし、今回は特別に許してやるよ」
慎二「しょうがないな、特別だぞ。ほらついて来いよ」
白野「・・・?何で家に入ろうとしているんだ?」
慎二「はぁ?お前やっぱりバカぁ?外でサーヴァント出して誰かに見られたらどうするんですか?」
慎二「家に上げてやるから早く入ってこいって言ってるんだよ僕は」
白野「ああ、そういうことか。お邪魔します」
慎二「そこの扉開けるとリビングだから、そこで待ってろよ」
白野「慎二は、どうするの?」
慎二「お茶の用意をするんだよ!いくら影が薄くたっていることに違いはないんだからね」
慎二「まぁ間桐家のもてなしを受けるんだ。身に余る光栄と思えよ!アハハハハハ」
白野「この慎二もやっぱり根は悪い奴じゃないみたいだな――失礼しまーす」ガチャリ
白野「へぇ、外観も豪華だったけど、リビングもしっかりしてるんだな」キョロキョロ
キャス狐「げっ!そこに飾ってあるのって狐の毛皮じゃないですか!?」
キャス狐「うわー、あたし信じられなーい。ここの主はどういうセンスしてるんですかね?」
白野「こらキャスター。人の家なんだから大人しくしてないと」
ウルサイヨ!
白野「ほら怒られちゃったじゃないか」
ナンダヨソノメハ!オマエボクニハムカウツモリカ!
キャス狐「これ私たちに対して言ったわけじゃないみたいですよ」
白野「何だか様子がおかしいな。ちょっと見てくる!」
キャス狐「ああんご主人様、あたしも行きますー」
慎二「お前今日の朝も衛宮ん家行ったんだってなぁ?どうして僕の言うことが聞けないんだお前は!」
桜「ごめんなさい兄さん。でも――」
慎二「でもじゃないんだよ!このっ、このっ!」ガスッ、ゴスッ
白野「どうしたんだ慎二!?」
慎二「ん?ああ、そういえば君を待たせていたんだったね、忘れていたよ」
白野「桜!?慎二、お前桜に何してたんだ?」
慎二「あれ?桜、お前白野と知り合いだったわけ?」
桜「いえ、初対面だと――思います」
桜「ごめんなさい、ごめんなさい兄さん。蹴らないで」
白野「おい、慎二止めろよ。謝ってるじゃないか」ガシッ
慎二「何だよ、お前また僕に意見するつもり?これは僕と妹の問題だ、部外者は大人しくしてろよ!」
白野「そうはいかない。見てしまった以上放っておけないよ、とにかく落ち着いてくれ」
慎二「はっ!正義の味方のつもり?無理に背伸びしちゃって、無様だねぇ」
慎二「いいよ、お前の滑稽さに免じてやめてやるよ。桜!リビングにいるからお茶の用意しとけよ」
白野「おい慎二!って行っちゃったか。桜、大丈夫かい?」
白野「お○ぱい――」
桜「え?」
白野「あ、いや、何でもない。それよりもどうして慎二は君にあんな酷い仕打ちを?」
マズハキンテキ!
桜「たぶん、私がここの家の本当の子供じゃないから――」
ツギモキンテキ!
白野「え、それって――」
コレガトドメノキンテキダー!
桜「あ、違うんです、忘れてください。初対面の方に私なんてことを――」
フゥ、イイアセカキマシタ
桜「そんな、でも――」
キャス狐「みこーん!そうですよご主人様!乙女の秘密を聞くなんてデリカシーに欠けますぅ」
白野「いや、そういうわけじゃないんだ。ただ少しでも力になれればと思って」
オイ、サクラァ!ヒトヲマタセルトカアリエナインデスケドォ!
桜「っ!?いけないお茶の準備しなくちゃ。えっと――」
白野「岸波白野。白野でいいよ」
白野「わかった。いきなり変なこと言ってごめんね」タッタッタ
アレ!?リビングハドコ!?シンジー!
桜「あの人も聖杯戦争の参加者。私から先輩を奪う人」ギリッ
慎二「はぁ?こんな狭い家で迷うなよ。まぁお前見たところ貧乏人みたいだし、仕方ないんじゃない」ケラケラケラ
キャス狐「このわかめはいちいち人を貶さないと喋れないんですかね?」ボソッ
慎二「そういえばお前僕のサーヴァント見たいんだろ。おいライダー!」
シューン
ライダー「お呼びですかマスター?」
白野「お○ぱい!?」
ライダー「はい?」
白野「いや続けてください」
ライダー「わかりました。初めまして、私ライダーのクラスで現界したメドゥーサと申します」
白野・慎二「!?」
慎二「ばっ、お前何勝手に真名話しちゃってるわけ!?」
ライダー「いえ、同盟を組む相手に真名を名乗らないのは失礼かと思いまして」
慎二「ふざけるなよライダー!もしこいつらが裏切ったら僕がまっ先にやられるじゃないか!?」
ライダー「ご安心ください。あなたのサーヴァントは他の誰にも劣ることはありません」
慎二「ちっ、わかったよ。白野ぉ!絶対誰にも言うんじゃないぞ、わかったな!」
白野「ああ、わかった約束する。それと――俺は絶対お前を裏切らないよ」
慎二「はっ!どうだかねぇ。まっ、お前みたいな鈍そうな奴が裏切るとも思えないけどね」
桜「失礼します、お茶が入りました」ガチャリ
慎二「遅いぞ桜!!いったい今まで何していたわけぇ?」
桜「ごめんなさい兄さん!お爺様のお手伝いをしてたから――」
慎二「ちっ、そこに置いてさっさと出てけよ!」
桜「はい、失礼しました」
慎二「本当出来の悪い妹持つと兄の僕が迷惑するんだよね」
白野「なぁ慎二。どうしてお前は妹である桜にあそこまで強く当たるんだ?」
慎二「は?そりゃ出来の悪い妹を躾るのは兄である僕の役目だからさ」
そしてキャス狐ー!俺だー!結婚してくれー!
白野「本当にそうか?」
慎二「はぁ?」
白野「何だか桜と接するときのお前は――うまく言えないんだけど怯えてた――気がする」
慎二「っ!?」
ライダー「ピクッ」
白野「本当の理由を教えて欲しい。慎二が桜に冷たくあたる理由を」
慎二「はっ!何でお前にそんなことまで教えなきゃならないわけ?部外者はすっこんでろよ!」
白野「桜が――本当の妹じゃないからか?」
慎二「っ!?くそ、桜め余計なことを」
慎二「お前に僕の何がわかるって言うんだよ!!」ドンッ
白野「ビクッ」
慎二「ああ、そうだよ。あいつは僕の本当の妹じゃないからね、だから躾ているんだ」
白野「だからどうしてそれくらいのこと――」
慎二「その血の繋がってない人間が間桐の次期当主だと知った時の僕の惨めさがわかるか!?」
白野「!?」
慎二「いきなり遠坂の家から来てちょっと僕より魔術の才能があるからってだけで次期当主だとさ!」
白野「!?桜は元々は遠坂家の人間だったのか?」
慎二「あんなおぞましいこと僕だってやりたくないからね」
慎二「だから僕が当主になったら桜を少しは楽にしてやろうと思ってた」
慎二「僕がこの家の次期当主なんだと疑わなかった、確信してた。だからあらゆる英才教育も我慢してやったさ」
慎二「なのに――いざ蓋を開けてみたらそこに僕の名前は無く変わりに桜の名前があった」
慎二「ふざけるなよ!?じゃあ僕はなんのために英才教育を受けてきたんだ?これじゃあ単なる道化じゃないか!」
慎二「だから身の程を教えてやってるのさ。桜みたいな人間に間桐家の当主が勤まるわけないからね」
白野「どうしてだよ?なら尚更お前が味方になってやるしかないのに」
慎二「もう遅いんだよ!あいつが当主になったら僕はあいつに復讐されるに決まってるだろ!」
白野「どうしてそうなるんだよ?桜は復讐とかそんなことする娘じゃないだろ」
慎二「お前が桜の何をしっているんだよ!?」
ライダー「桜はそのようなことをする人ではありませんよ、マスター」
慎二「お前は黙ってろよ!!」
慎二「ハンッ!なんで僕があいつに媚びるような真似しなきゃならないんだよ?それこそゴメンだね」
白野「だから何でそうなるんだよ?お前は以前、妹が欲しかったけど僕に妹はいない。って、そう言ってたじゃないか!」
慎二「!?――なんの話だよ――それ?」
白野「あ――とにかく!そんなお前が本当に桜を嫌ってるとは俺には思えないんだ」
白野「お前が桜の味方にならないで誰がこの家で桜を守ってやれるんだよ!?」
白野「兄貴だろ!それくらいのことしてみせろよ!!」
慎二「う、うう、うるさい!!何なんだよお前、さっきから僕にでかい態度取りやがって!」
白野「あ、ごめん。ただ俺には家族とかいないから、よくわからないけど、兄貴って妹を守るもんなのかなと思ってさ」
慎二「もういい、興醒めだよ。帰ってくれ、僕はもう寝る!」
白野「慎二――でも――」
慎二「帰れよ!!僕は眠いんだ!!話があるなら明日衛宮の家で聞いてやるからさっさと帰れよ!」
白野「!?――ああ、わかった。また明日」ガチャリバタン
桜「はい、何ですか兄さん」ガチャリ
慎二「僕は寝るからこれ片しておけよ」
桜「はい、わかりました」
慎二「それと!」
桜「ビクッ」
慎二「たまに――なら衛宮んとこ行くの許してやらないこともない」
桜「え?」
慎二「ハンッ!お前みたいな出来の悪い妹はたまにいないくらいが丁度良いんだよ!」
桜「クスクス」
慎二「っ、何笑ってるんだよ!たまにだからな!おやすみ!」ガチャリバタン
ライダー「良かったですね、桜」
桜「はい。兄さんがあんなこと言うなんて意外だったからびっくりしちゃった」
ライダー「彼―岸波白野の影響なのかもしれませんね」
桜「不思議な人、初めて会うのに何故かそんな気がしない」
ライダー「彼が桜に馴れ馴れしいからではないのですか?」
桜「クスクスそうかもね」
桜「!?お爺様――なんでしょうか?」
臓硯「いや何また蟲蔵に入ってもらおうと思うてな」
桜「そんな!?今日の分は終わったはずじゃ――」
臓硯「ふぇふぇふぇ気が変わったんじゃよ。では蟲蔵でな――儂の可愛い孫娘よ」ガチャリバタン
桜「はい、お爺様」
ライダー「桜――」
桜「大丈夫よライダー。心配しないで」
キャス狐「ご主人様~とってもかっこよかったですぅ!」ダキッ
白野「うわっ!後ろから抱きつくなって。当ってる!当ってるって!」
キャス狐「ふふふふ当ててるんですよ。ご主人様のラセンエ口チカー」ウリウリ
白野「いや意味が分からないって。いきなりどうしたのさ?」
キャス狐「私は先程のわかめに激昂するご主人様の姿に心を奪われてしまいました!」
白野「ああ、慎二の奴大丈夫かな?」
キャス狐「どうでしょうね?月に居たわかめとこのわかめは別人みたいですし、どうなるかは彼次第じゃないですか?」
白野「そうだな。別人――なんだよな」
キャス狐「ご主人様?ご主人様は月でのことを悔やんでおられるのですか?」
白野「今更その結果を悔やむことは負けていった人たちを辱めることに他ならないと思う」
白野「でも――慎二のことは贖罪のつもりなのかな?仮初でも俺が始めて殺した友達だったから」
キャス狐「そうですか――まぁ今のところあのわかめに害は無さそうですし私は何も言いません」
キャス狐「それよりも害があるとすれば――」ギュゥ
白野「痛い!?キャスターさん?痛い痛い!首!首しまってるから!」
キャス狐「あら、どうされましたかご主人様?いやー、世の中には嫁の目の前で他の女の胸に反応する男の人がいるみたいですねー」ギュゥ
白野「ごめんなさい!ごめんなさい!悪気は無かったんです!」
キャス狐「しかも一度では飽き足らず二度も!なんか――ちょっとした天罰とか――与えたい気分です」プイッ
白野「キャスター?」
キャス狐「少しは――構ってくれてもいいじゃないですか」ボソッ
白野「キャスター――」
キャス狐「なーんて!ちょっと構ってちゃん演じてみただけです!私なんかよりも今はこの状況をどうするか考えましょう!」
白野「タマモ!!」
キャス狐「ビクッ!ご主人様?」
白野「遠慮することなんて無い。俺はお前のマスターなんだ、甘えたければ好きなだけ甘えればいい」
白野「俺にもお前が必要なんだ」ナデリナデリ
キャス狐「ご主人様――ご主人様ーー!!」ダキッ
キャス狐「タマモはタマモは嬉しゅうございます!あなたのようなマスターに出会えて幸せですぅ」フリフリ
白野「ごめんな、目の前のことでいっぱいいっぱいになっててお前のことを考えてやれなかった」ヨシヨシ
白野「さっ、取り合えず衛宮の家に戻ろう」
キャス狐「はいっ!」
だっていっぱいいっぱいじゃなくて
お○ぱい!お○ぱい!だもんな!
ここでお○ぱいに反応したからCCCで大きくなってたんだな
たしかに桜だけどそれ桜違いや
キャス狐「たのもー。あなたの街の良妻狐デリバリー、旦那様を連れて只今参上しました☆」
白野「こら、人の家なんだし夜も遅いんだから静かにしないと」
キャス狐「てへぺろ☆」
白野「ふぅ――にしても広いな。衛宮は何処にいるんだろう?」
キャス狐「おや?あちらの縁側で腰掛けているのは青い方のセイバーさんじゃありませんか?」
白野「本当だ。衛宮も一緒か、何してるんだ?」
キャス狐「何やら深刻な顔してますねぇ。どーにも声を掛けにくい雰囲気ですけど――どうします?」
白野「何か悩んでいるのかもしれない。声をかけてみよう」
キャス狐「にゃんと!?ご主人様って変なところで大胆なんですねぇ」
白野「衛宮ーー!」タッタッタ
白野「ああ、今戻ったところだ。それより何かあったのか?深刻な顔をしていたけど――」
衛宮「いや、セイバーから前の聖杯戦争のことを聞いていたんだ」
白野「前の――ってこの地で行われている聖杯戦争が既に5回目とは言峰神父から聞いていたけどセイバーは前回の聖杯戦争にも参加していたのか?」
衛宮「ああ、どうやらそうらしいんだ」
白野「そっか――なぁ、よかったらその話俺にも聞かせてくれないか?俺も聖杯戦争のことをもっと知りたいんだ」
衛宮「ああ、別に構わないよ。いいよな、セイバー?」
セイバー「ええ、それくらいでしたら問題はありません」
セイバー「こちらの世界ではもう10年も時が経っているのですね。あれは――」
セイバー「はい。私には今でも切嗣の考えていることが理解できません。なぜ彼は聖杯を手に入れる直前であんなことを――」
キャス狐「何か理由があったんじゃないですか?だって聖杯って万能の願望器なんですよね。それを壊すなんて普通じゃありませんよ」
セイバー「よっぽどのこととは?」
キャス狐「そんなの私は知りません。だって私その場にいませんもん」
衛宮「俺も何か理由があったんだと思う。じゃなければあの切嗣がそんな真似するとは到底思えない」
セイバー「そうですか――」
白野「ところでさ、セイバーは前回の聖杯戦争に最後まで勝ち残ったって言ってたけど、他の英霊は強かったの?」
セイバー「たしかに前回戦った英霊たちは強者揃いでしたが前回は今回のように制約がありませんでしたから私は私本来の力を使うことができました。故に」
白野「故に?」
セイバー「苦はありませんでした。はっきり言えば無敵です」
白野「oh」
白野「うわっ、こらキャスター」
キャス狐「一つのお布団でー身を寄せ合って暖め合いましょ☆」ギュッ
セイバー「キャスター、先程から気になっていたのですが、あなたは己のマスターに何をしているのかわかっているのですか?」
キャス狐「何って――愛情表現ですけど?」
セイバー「そんなことはわかっています!何故私や士郎の目の前でするのかと聞いているのです!」
キャス狐「ははーん。あなた――もしかして羨ましいんですか?」
セイバー「なっ――どうしてそうなるのですか!私は女であることを捨て騎士として生きることを選んだ身、そのような娼婦の真似事断じてしたいわけがありません!」
キャス狐「かっちーん。今のちょーっと耳にきたんですけど?私の何処がINRANなんですか!?何処からどう見ても純朴系癒やし巫女じゃないですか!!」
セイバー「そ、そんなこと一言も言っていません!そもそも貴女の何処が巫女なのですか!!」
キャス狐「はぁ!?あなた巫女のなんたるかを知らないからそう言えるんですー!あなたこそ何処が騎士なんですか?騎士(笑)の間違いじゃないんですか?」
セイバー「貴女は私だけではなく私の在り方まで愚弄する気ですか!?士郎!私はこのような礼も尽くせぬサーヴァントと手を組むなんて反対です!!」プイ
キャス狐「何であなたに礼を尽くさなきゃぁいけないんですか!?私が尽くす相手はご主人様ただ一人と決まっているんです!!」
キャス狐「ご主人様!私もこんな勘違い騎士様(笑)と手を組むなんてまっぴらゴメンです!」プイ
白野「おい、キャスター」
衛宮「取り敢えずさ――今日はもう寝ないか?」
白野「賛成だ――うちの駄狐が迷惑をかけるな」
衛宮「いやお互い様だよ。まさかセイバーがこんな感情を露にするなんて思わなかったよ。何だかんだ言ってもやっぱり女の子なんだな」
セイバー「士郎!聞こえていますよ!私を女性扱いするのはやめてください!」
キャス狐「おや、そこの青い騎士様何か顔赤くありませんか?女の子扱いされて照れるなんてまだまだお子ちゃまですねー」
セイバー「照れていません!!もういい、私は寝ます!士郎、床の準備を!」
衛宮「はいはい。ああ、そうだ岸波。そこの部屋空いているから好きに使ってくれて構わない」
白野「ああ、今日初めて会ったのに何から何まで済まないな」
衛宮「気にするなよ。困ったときはお互い様だ。それじゃ、おやすみ」
白野「ああ、おやすみ。ほら行くぞキャスター」ズルズル
キャス狐「あーん、ご主人様引っ張らないでください」
アーチャー「どうした凛。眠れないのか?」
遠坂「ねぇ、アーチャー。あの男とサーヴァント、どう思う?」
アーチャー「ああ、岸波白野とキャスターのコンビか。どうとは?」
遠坂「怪しすぎないかってことよ」
アーチャー「ふむ、確かにな。だがキャスターの方はともかくあのマスターが何かを企んでいるとは私には到底思えないが?」
遠坂「そうなのよねー。人畜無害っていうか、雨に濡れそぼったロバというか、とにかく悪い奴には見えないのよね」
アーチャー「同時に影も薄いがな。だが記憶喪失という点は気になるな。あきらかに嘘を吐いている」
遠坂「あら?記憶喪失者同士何か思うところがあるのかしらね?」
アーチャー「ふっ、そんなことはない。ただあの瞬間だけ、あいつは見慣れない顔をした。恐らく嘘を吐きなれていないのだろうな」
遠坂「まっ、彼が嘘を吐いていることぐらい私もわかっていたわよ。嘘を吐くってことは何かしら理由があるんでしょうけど冬木のセカンドオーナーとしては見過ごせないわね」
アーチャー「ならばどうする?夜襲でもかけるか?今なら衛宮士郎諸共始末することができるぞ」
アーチャー「ほう、君に調べ事ができるとは意外だな」
遠坂「あんたねぇ、私をなんだと思ってるのよ?捜し物が得意な知り合いに頼むだけよ。この人」
アーチャー「やれやれ、結局はそれか。」
遠坂「しょうがないじゃない!学校休んで怪しまれたら意味ないでしょう」
アーチャー「彼は凛たちとは違う制服を着ていたのだから学校が違うのだろう?なら問題ないじゃないか」
遠坂「それもそうなんだけど――ま、念の為よ。彼のことを調べるのももしもの時の保険ってやつ」
アーチャー「ほう。なら君は彼のことを信用していると?」
遠坂「さぁ、どうかしらね。何にせよ使える駒は使うだけ。情けとか信頼とかそんなもの心の贅肉だわ」
アーチャー「ふっ、そうか」
遠坂「さ、私はもう寝るから。アーチャー、あなたは部屋から出なさい。覗いたらぶっ[ピーーー]からね!」
アーチャー「了解だ、マスター」
遠坂「あ、ちゃんと朝には起こしなさいよね!」
アーチャー「やれやれ、注文の多いマスターだ」
キャス狐「いやー、和室はやっぱり落ち着きますねーマスター?」ゴロゴロ
白野「そうなのか?俺にはよくわからないよ」
キャス狐「月での聖杯戦争の時セラフは碌なもの用意しませんでしたからね」
キャス狐「ほら、私って和風な英霊じゃないですか?だから畳が似合うっていうかー、私の良さが引き立つって言うかー、巫女的に?」
白野「巫女関係あるのかそれ?まぁ、借り物とはいえプライベートが守られる空間は落ち着くな。月のマイルームを思い出すよ」
キャス狐「あ、マイルームと言えばご主人様。ここでならー私のことをーた・ま・もって呼んでいただいてもいいですよ?きゃっ私ったらだいたーん☆」
白野「まだ油断はできそうもないし、誰が聞き耳立ててるかわからないけど、タマモが良いって言うならそうするよ」
白野「いや、ほらあれはやむにやまれぬと言うかそういう空気だったというか――」アセアセ
キャス狐「いいんですよ、ご主人様。タマモはご主人様の愛が感じられて嬉しゅうございましたから」ギュッ
白野「タマモ――」
キャス狐「これからのことは明日また考えましょう。今日は色々あって疲れましたでしょう?さぁ、このタマモのふっさふさな尻尾で存分に御休みなさい!」フリフリ
白野「ああ、そうだね。今日は疲れた」ボスッ
キャス狐「ご主人様?いやーん、ツッコミ無しとかタマモ放置プレイー」
白野「タマモ」
キャス狐「はい?」
白野「ありがとう」
キャス狐「はい。おやすみなさいご主人様」
キャス狐可愛いよキャス狐。
ところでキャス狐の宝具の解釈が気になるところ。
文章化するには難しい効果だからな、あれ
おい
ランサー→いつも録な目に合わない
バーサーカー→本来の設定などなかったかのように出てくる英雄が全てチート
キャス狐「ご主人様ー!!」ボスッ
白野「グエッ!」
キャス狐「起きてください、ご主人様ー。朝ですよ」ゴロゴロ
白野「や、やめ、俺の上で転がら、ないで――」
キャス狐「何言ってるんですか。早く起きないとご飯冷めちゃいますよ?」ダキッ
白野「――ご飯?」
キャス狐「はい、私が作ったんですよー。ご主人様の胃袋を鷲掴みです☆」
白野「え、タマモって料理作れたんだっけ?ていうかその冗談笑えない」
キャス狐「ふふふ、その辺は抜かりありません。何と言っても今回は強力なアドバイザーがついているのです!」
白野「へぇ、それは楽しみだ。ところでさタマモ」
キャス狐「はい?」
白野「取り敢えず、そこどいてくれない?上に乗っかられると起きられない」
キャス狐「いやん☆」
衛宮「お、やっと起きてきたか。昨日はよく眠れたみたいだな」
セイバー「遅いですよ。せっかくの朝食が冷めてしまうではないですか」ソワソワ
桜「おはようございます、岸波さん」
白野「あれ、ここって保健室だっけ?」
桜「フフッまだ寝ぼけているんですか?朝食の準備が出来ていますから、そこに座ってください」
白野「うん、わかった。それより俺までご馳走になっちゃっていいのかな?」
衛宮「気にするなよ。食事は皆で食べたほうが楽しいさ」
白野「本当に何から何までありがとう。このお礼はいつか必ず――したいな」
衛宮「ああ、期待しておくよ」
キャス狐「ご主人様、ご主人様!この卵焼きとお味噌汁は私が作ったんですよ」フリフリ
白野「へぇ、美味しそうだな。すごいよキャスター」
キャス狐「えへへー。褒められちゃいました☆」
桜「良かったですね、キャスターさん」
桜「気にしないでください。それよりも――」ヒソヒソ
キャス狐「ええ、任せてください。私の呪術であのツンツンヘアーを桜さん無しでは生きていけない体にしてあげますよ☆」ヒソヒソ
キャス狐「恋する乙女同盟ファイッ」ヒソヒソ
桜「オー」ヒソヒソ
衛宮「二人で何こそこそ話しているんだ?」
桜「い、いえ何でもありませんよ先輩」
白野「というかいつの間に二人は仲良くなったんだ?」
キャス狐「ふふふ、そいつぁ企業秘密です。いくらご主人様とはいえ簡単には教えられませんね」
白野「さいですか」
セイバー「――ご飯」グー
大河「おっはよー!士郎に桜ちゃん、今日も朝から元気かなー!?」ガラッ
士郎「ああ、おはよう藤ねぇ。今日も朝から元気だな」
桜「おはようございます。藤村先生」
白野「げっ、藤村!?」
大河「ってぎゃー!知らない人が三人も増えてるー!?切嗣さーん、私の居場所がなくなるよー」
衛宮「藤ねぇ、実は」カクカクシカジカ
キャス狐「いやん☆夫婦だなんてキャスター嬉しい」
大河「そっか、外国の人だから耳と尻尾が変わってるのねー。ねぇねぇ、ちょっと触ってみてもいい?」ウズウズ
キャス狐「仕方がありませんねー。本当はご主人様専用ですが私たちは居候の身――ご主人様の居場所を作るために身を粉にして働く私――なんて健気なんでしょう!」
大河「いやーん、気持ちいーい」スリスリ
キャス狐「ってもう触ってる!?ああ、ご主人様のためとはいえ行きずりでこんな目に会うなんて――なんて悲劇なのでしょう!?」
白野「あの――キャスターさん?何だか俺が居た堪れなくなるんでその小芝居やめていただけません?」
セイバー「ガウェイン、ランスロット、私は罪深き王で――」グー
キャス狐「――」ピクッ
士郎「うわああ、セイバーが倒れた!と、とにかく時間も押しているし食べよう!」
士郎・桜・大河・白野・キャスター・セイバー「「「「「「いただきます!」」」」」」
キャス狐「ふーん、ガウェイン、ランスロット――ですか」ボソッ
桜「そうですか、お口にあったようでよかったです」
セイバー「士郎、オヤツはまだですか?」キリッ
大河「ほらほら、士郎も桜ちゃんも急がないと朝練遅れちゃうよ?」
士郎「いっけね、のんびりしすぎた。洗い物まだ終わってないんだよな――」
キャス狐「洗いものでしたら私がやっておきますので、お気になさらないでください」
士郎「ごめん、助かる。岸波はどうするんだ?」
白野「俺は学校休んだから今日一日この街のことを調べてみるよ」
士郎「そっか、気を付けろよ。それじゃあ行ってくるから、セイバーは家で大人しくしていてくれ」
セイバー「いえ、私も付いていきます。マスターを守るのは騎士として当然の役目です」
士郎「大丈夫だよ。昼間の学校で襲ってくる奴なんて居ないし、同盟を組んでいる遠坂や慎二もいるんだ」
士郎「いざとなったら令呪を使うから。なっ?」
セイバー「わかりました。しかし貴方は魔術師としては半人前以下なのです。無理せず少しでも危ないと思ったら私を呼んでください、わかりましたね?」
士郎「わかったよ。ただ、セイバーは女の子なんだ。戦いは極力俺がするさ」
セイバー「士郎っ!!」
シローハヤクシナイトオイテイクヨー
士郎「今いくよ藤ねぇ!それじゃあ行ってくる!」ガラガラピシャッ
セイバー「士郎――」
セイバー「なんの用ですかキャスター?あいにくですが私は貴女の言葉を聞く耳を持ち合わせておりません」プイ
キャス狐「私だってあなたみたいな高慢ちきと話すのはまっぴらゴメンです」
セイバー「なら放っておいてください。今私は虫の居所が悪いのです」
キャス狐「はいはい。噂に名高いアーサー王がどんな人物かと思いましたが――こんなんじゃあ国が滅びるのも頷けますねぇ」
セイバー「っ!?どうして貴女がそれを!?」
キャス狐「ふぅ、あなた先程空腹のあまり円卓の騎士の名前を口にしたじゃないですか。それでもしやと思って鎌をかけてみたんですけど――」
セイバー「くっ、私の言葉を盗み聞きするとは何と卑劣な」ギリッ
キャス狐「私だって半信半疑でした。でもあなたが腹芸の通じない方で助かりましたよ。生前はさぞ潔白な王だったのでしょうね」
セイバー「それで私の真名を知ってどうしようと言うのですか?私をこの場で討ちますか?」
キャス狐「べっつにー。先ほども言ったじゃありませんか。ただアーサー王がどういう人物か確かめたかっただけです」
オーイキャスター
キャス狐「はーい!今行きますね、ご主人様ー!」
キャス狐「ああ、そうそう。あなたが何を聖杯に望むか私は知りませんし興味もありませんが――あなたを慕っていた人たちの思いを裏切る行為だけはやめてくださいね?」
セイバー「知った風な口を――」
アーチャー「いい加減起きないか、凛。学校に遅れてしまうぞ」
遠坂「うー?あー」
アーチャー「やれやれ。君の寝起きの悪さはいつ見ても変わらないな。仕方ない、些か乱暴だが怒るなよ?」ヨイセッ
遠坂「あー?アーチャーに抱っこされてるー」
アーチャー「顔を洗い、朝食を済ませろ。それで少しは目が覚めるだろう?」
遠坂「うー?―――いやぁあああ!!え、ちょっと!あんた何人のこと担いでるのよ!!」
アーチャー「ふぅ、やっとお目覚めか。しかし声が大きすぎやしないか?」
遠坂「はぁ?いいから降ろしなさいよ。これじゃ私子供みたいじゃない!」
アーチャー「私から見れば君など尻の青い子供だよ。それに起こせといったのは君ではないか?」
遠坂「もう少しまともな起こしなさいよね!早く降ろさないと令呪使うわよ!」
アーチャー「やれやれ、うちのマスターはどうしてこう乱暴なのかな」
遠坂「う、ぅう、うるさいわね!このセクハラサーヴァント!」
アーチャー「とにかく、朝食を摂れ。今日は登校前に連絡をする所があるのだろう?」
遠坂「はぁ、私朝食は摂らない派なんだけど――折角用意してくれたみたいだし、いただくわ」
アーチャー「なんだ、朝食はいらないと言っておきながらよく食べたじゃないか」
遠坂「うっさいわね。ていうかあんた本当に何者よ?家事のうまいサーヴァントなんて聞いたことないわよ」
アーチャー「何者と言われてもな――私は私だよ。それよりのんびりしていていいのかね?」
遠坂「そうだった、電話しなきゃ」タッタッタ
アーチャー「やれやれ、落ち着きのないマスターだ」
遠坂「えぇと番号は――これ、これと――あぁもう!面倒臭いわね!アーチャー!私が番号言うから貴方が掛けなさい!」
アーチャー「電話一つでこれとは――情けないなマスター」
遠坂「いいから!ほら早くしなさい!」
アーチャー「了解だ。ふむ、成程これか。詩人のような苗字だな」
遠坂「それは旧姓よ。今は結婚して相手方の姓を名乗ってるみたいだけど」
アーチャー「成程、それは目出度い。ほら、つながったぞ」
遠坂「ありがと。――あ、どうもお久しぶりですー。遠坂と申します。はい、はい、その節は大変お世話になりまして」
アーチャー「外面だけはいいのだがな」
遠坂「幹也さんはご在宅ですか?はい、はい。―――あ、幹也さんですか?お久しぶりですー。はい、はい。そうなんですよ、ちょっと調べて欲しいことがありまして。――ええ、ええ」
遠坂「はい、それではよろしくお願いします。はい、はい、失礼いたします――」ガチャン
遠坂「さ、学校へ行くわよ。付いてきなさいアーチャー」
キャス狐「洗い物も、お掃除も終わりました!」
白野「すごいな。俺何もしてないよ――」
キャス狐「家事をそつなくこなしてこその良妻ですから!というわけで褒めてくださいご主人様☆」ウズウズ
白野「さすがだな。正直予想外だったよ」ナデナデ
キャス狐「えへへー☆予想外って言葉は気になりますけど、褒めてもらったのでチャラにします」
白野「さて、やることも終わったみたいだし、今日はちょっと街を歩いてみるか」
キャス狐「デートですか!?」
白野「違うよ、この街がどういう場所なのか調べるだけだ」
キャス狐「それでも私にとってはデートなんです。ご主人様とお出かけする機会なんて月にいるときはゼロでしたから――」
白野「そっか――そうだな。それじゃあデートに行こう」
キャス狐「はいっ!じゃあちょーっと待ってて下さいね。私お着替えしてきますから」タッタッタ
白野「ふぅ。楽しそうだな」
セイバー「貴方は着替えなくてよろしいのですか?」
白野「ああ、あいにくこの学ランしか持ってないんだ」
白野「いや、まぁ、その――ねぇ?それよりセイバーはどうするんだ?」
セイバー「私はここで士郎の帰りを待ちます。私は他のサーヴァントとは違い霊体化ができませんので」
白野「そっか。退屈だと思うけど大丈夫?」
セイバー「心配には及びません。このテレビという機械があれば時間を潰す程度造作もないことです」ムン
白野「そ、そう。それはよかった」
セイバー「貴方はキャスターのように私を敵視したりはしないのですか?同盟を組んでいるとはいえライバルなのですよ」
白野「あー、まぁ特にセイバーを嫌う要素が無いからね。それに誰かと殺し合い傷つけ合う戦いはなるべくならしたくないから」
セイバー「貴方も士郎みたいな人ですね。その優しさは身を滅ぼしますよ」
白野「ああ、わかっているよ。それと、キャスターはああ言ってるけど、別にセイバーのことを敵視しているわけじゃ無いと思う」
セイバー「そうなのですか?私は彼女に嫌われているのだと思っていましたが――」
セイバー「貴方は――キャスターのことをとても信頼しているのですね」
白野「?うん、そうだね。今の俺が在るのも彼女のおかげだから。ある意味、あいつ無しでは生きていけない体ってやつかな」
セイバー「そうですか。――正直貴方が羨ましい。私も臣下たちとそのような信頼関係を結ぶことが出来たならブリテンは滅びなかったのでしょう」
白野「―――」
キャス狐「ご主人様ー!!お待たせしましたー!!さぁ張り切って行きましょう!」タッタッタ
白野「キャスター!?随分様変わりしたな」
キャス狐「ふっふっふ。尻尾を隠し耳を人間と同じものに変化させました!服はそのままですけど――」
キャス狐「本当はあんまり使いたくなかったんですけどー、ご主人様とデートというなら話は別です!月では死にスキルだった変化の真髄とくとご覧あれ!!」
白野「いや、耳や尻尾もそうだけどその格好目立ちすぎじゃない?露出とか――さ」
白野「うーん――まぁ、そう」
キャス狐「へ?あ、いや、えっと――えへへー☆」
キャス狐「じゃ、じゃあベージュの和服にメイド風のエプロンなんてどうですか?これならどうですか?」シャラン
白野「うーん、まぁそれなら露出は少ないからいいと思うよ」
キャス狐「ほら私って服のバリエーションが一種類しかないじゃないですか?だから文章だけでイメージさせるのって大変なんですよ」
白野「――何の話?」
キャス狐「でもこれなら何処かのそっくりさんと被るからイメージし安いかなって思いまして」
白野「またそうやって、よくわからないことを――」
キャス狐「とにかく!時間だって無限にあるわけじゃないんですからデートですよデート!」グイグイ
白野「わかった、わかったから押すなって。それじゃセイバー行ってくるね」
セイバー「ええ、留守は私に任せて楽しんできてください」
キャス狐「それじゃあ行ってきまーす」ガラガラッピシャン
セイバー「あ、私のお昼は――」グー
キャス狐琥珀さんスタイルか。
和風にエプロンって良いよな。
白野「さて、出てきたは良いものの何処から調べるか?」
キャス狐「うーん、じゃあ取り敢えず昨日私たちが居たお寺に行きませんか?」
白野「ああ、あの山の上にある?」
キャス狐「はい、色々気になることがありますし、デートの前に憂いは取り除かないといけませんからね☆」
白野「そうだな。それに、あそこに行けば俺たちがこの地へ来た理由がわかるかもしれない」
キャス狐「昼間だから大丈夫だとは思いますけど、念のため注意は怠らないでくださいね?」
白野「大丈夫、わかってるよ」
キャス狐「そうと決まれば出発です!張り切って行きますよ、ご主人様」
白野「テンション高いなー」
キャス狐「もうちょっとですよ、もうちょっと☆ほら、この道に見覚えがありませんか?」
白野「ああ、昨日来た時は夜だったからよく見えなかったけど、こんな風になってるんだな」
キャス狐「ええ、そうみたいですね。ところで――先程から私たちを覗き見している出歯亀野郎がいるみたいなんですけど?」
白野「っ!?」バッ
キャス狐「隠れていないでいい加減姿を見せたらどうですか?」
???「はっ!雑種の分際でこの我に意見するとは――死にたいのか?」スーッ
白野「金色のサーヴァント!?」
キャス狐「はぁ?雑種とか訳わかんないんですけど?覗き見してた分際で何様のつもりですか?」
???「イレギュラーとは貴様らのことだな?成程――半獣のサーヴァントとは面白い」
キャス狐「半獣とか何言っちゃってるんです?何処からどう見ても可愛い女の子じゃないですか?」
キャス狐「ああ、もうそれでいいです、面倒臭い。要件だけ手短に伝えて帰ってくれますか?私たち暇じゃないんです。あなたみたいな勘違いナルシストに構ってられませんから」
???「貴様――王であるこの我に挑発とは――余程死にたいと見える。気が変わった。いいだろう、我も暇を持て余していたところだ。どれ狐狩りでもしてやるか」
白野「ちょ、ちょっと待てよ!こんな昼間から戦うつもりか?」
???「戦う?そこな雑種よ、貴様の目は節穴か?我がするのは狩り。単なる児戯よ。なぁに心配するなすぐに終わる」
キャス狐「あーもう、ほんっと腹立つ!!お生憎様、私狩られるより狩るほうが得意なんですよ。その鎧売ったらいくらするんでしょうねぇ?」
???「ふん、狐風情が王を狩ろうなど万死に値する。いいだろう手本を見せてやる有り難く思えよ獣」ズズズズ
白野「なっ!?嘘だろ、まさかあれ全部が宝具!?」
キャス狐「これはちょーっとヤバいかもです。ご主人様、絶対に私の側から離れないでくださいね?」
白野「――」コクッ
キャス狐「くっ、呪層・黒天洞!」ガガガガガガガガ
白野「!?キャスター!」
???「ほぅ、獣にしてはやるではないか。狩人を楽しませてこその狐だ。すぐに終わってくれるなよ?」
白野「スピードが上がった!?」
???「そらそらそらそらぁ!!!」ヒュンヒュンヒュンヒュン
キャス狐「駄目――防御が――追いつかな――」ガガガガガガ
???「ふん、この程度か。興ざめだ。だが狐狩りにしては中々楽しめた。褒美として苦しまぬよう殺してやる。ただし――そこの雑種からなぁ!!」ヒュン
白野「――!?」
キャス狐「ご主人様!?駄目ぇ!!」ドスッ
キャス狐「かっ――あぁ――あ――」ドサッ
???「ふは!ははははははは!!実に愉快だ。さてこの下らぬ茶番もそろそろ幕引きとするか」ズズズズ
キャス狐「ふふっ――まだ――ですよ?」
???「ほぅ、まだ動けるか。だがもう良い興味が失せた」
キャス狐「いざや散れ、常世咲き裂く怨天の花――ヒガンバナセッショウセキ!」カッ
???「何!?かっ――ハッ――!」
キャス狐「今―で―ご主―様―撤―いを―」ガクッ
白野「キャスター!?くっ」ダッ
???「逃がすか!!――なっ、体が――おのれぇ、獣の分際で我に毒とは舐めたマネを――もはや肉片も残らぬと思えよ雑種共!!」ギリ
言峰『ギルガメッシュ。遊びすぎだ、そろそろ自重して貰いたいものだがな』
ギル「言峰、よもや貴様、この我に引けと?」
言峰『そうではない、時を選べと言っているのだ。この時間帯にこれ以上目立てば監督役として動かざるを得なくなる。理解してもらいたいものだがな」
ギル「ふん、まぁ良い。気は済まぬがどの道あれでは長くない。我が手を下さずとも直に終わる」
言峰『ふむ。所詮半獣の英霊など危惧する程のことでもなかったか』
ギル「それよりも言峰。あれは手に入ったのだろうな?」
言峰『ああ、問題ない。これなら少しは楽しめそうだ』
ギル「ほぅ。どれ、この我が直々に見てやるとするか」スゥ
ギル様ってやっぱり反則並みに強いよね
12周くらいしたら、高校時代のジャージで出てくるんじゃね?
どうせエンキドゥ以外には慢心するような奴だしアルクェイドもワンチャンあるな。
それとバーサーカーとして召喚されたエンキドゥなら勝てるっぽい。
キャス狐「ごめ――さい、ご―人様、―めんな――」ハァ-ハァ-
白野「タマモ――謝るのは俺の方だ」ギリッ
白野「俺がちゃんとタマモをサポート出来ていれば――いや、今はそれよりもタマモを治療が先だ」
白野「どうする―考えろ――衛宮の家に戻る?いや、ここから衛宮の家までタマモを背負うのは無理がある。仮に戻れたとしても今あそこにはセイバーしかいない」
白野「くそっ、せめて―せめてこの傷だけでも塞ぐことができれば――だけどどうやって?俺は礼装がなければ魔術も碌に使えないんだぞ!?」
???「五月蝿いわねぇ。人の家の前で何騒いでいるのよ――ってあら?その背負っている娘はサーヴァントじゃないの」
白野(しまった―まさかこの女性も聖杯戦争の参加者?)
???「ふーん、そう言うこと。ねぇ、坊や。もし私がサーヴァントだとしたらどうする?」
白野「――――あなたが俺たちを殺す気だと言うのなら――戦います」
???「そう。でもどうやって?坊やのサーヴァントは満身創痍。見たところ坊やも魔術師としてあまり有能ではなさそうだけど――令呪でも使って無理矢理戦わせるのかしら?」
白野「こいつは俺を守って傷ついたんです。そんなサーヴァントを無理矢理戦わすなんて出来ない。だから――俺が戦います」
白野「それでもです。もう何もしないのは嫌なんだ。俺はこいつを――俺に仕えてくれるこのサーヴァントを死んでも守ります」
???「ふぅ――仕様の無い子――付いていらっしゃい。どうせ治療する宛なんかないんでしょ」
白野「――なんのつもりですか?」
???「そのサーヴァントを治療してあげるって言ってるの。早くなさい。消えても知らないわよ」
白野「―――」コクリ
???「そっ、素直な子は好きよ」
白野(ここは昨日のお寺――タマモはそこまで考えて――)
???「私はキャスターのサーヴァント。坊やは?」
白野「岸波白野――です。俺のサーヴァントのクラスはあなたと同じキャスターです」
キャスター「そう。同じキャスター同士、仲良く出来たらいいわねぇ」クスクス
キャス狐「う――うぅん――」
白野「タマモ!!気がついたのか?」
キャス狐「ご主人――様?」
白野「よかった、気がついたんだな」
キャス狐「えっと――ここは――どこですか?」
キャスター「あらあら、やっとお目覚めのようねキツネちゃん」ガラッ
キャス狐「っ――あなたは昨日の」
キャスター「あら、やっぱり知っていたのね。なら話が早いわ。私、この坊やと手を組むことにしたから」
キャス狐「っ!!――ご主人様、その話本当ですか?」
白野「ああ、すまない。タマモを治療する変わりに俺達の素性とタマモの真名を教えろと言われて――」
キャスター「ちょっと、それじゃあ私が悪者みたいじゃないの」
キャス狐「あら違うんですか?」
キャスター「はぁ――そこの坊やには話したけど、あなた達を召喚したのは私なの。自分の宝具を使ってね」
キャス狐「それで――弱みを握って私たちまで手駒として使おうって考えたわけですか?やり方が姑息ですねぇ」
キャスター「もう――何ピリピリしてるのよ?少し落ち着きなさい。まぁ正直に言うならそう思ってたわ。このお寺の前に満身創痍のあなたたちが居たときは僥倖だと思ったもの」
キャスター「でもね、そこの坊やの話を聞いて考えが変わったわ。だって、女としての喜びを知ったあなたを利用するなんて私には出来ないもの」ポッ
キャス狐「――はい?あ、あのー、ちょーっと話が見えないんですけど――」
キャスター「やっぱり!あなたなら分かってくれると思ったわぁ。でもアナタの誰かの為に尽くすその心!それこそ本当に清く美しいものよ!」
キャス狐「メディアさん!!」ガシッ
キャスター「タマモちゃん!」ガシッ
キャス狐「ご主人様!私間違っていました、この同盟こそ真に私たちが結ぶべきものなのです!!」
白野「あの――キャスターさん?」
キャスター「何かしら坊や?」
白野「さっきも言ったけど、俺キャスターさんと組む前から他のマスター達と同盟組んでるんだ」
キャスター「ああ、そのこと。聖杯戦争なんてそっちで好きにやりなさい。私正直そこまで聖杯に興味無いのよ。それより主婦友が出来た方が嬉しいわぁ」
キャス狐「いやーん、主婦友ってもしかして私のことですか、メディアさん?」
キャスター「決まってるじゃない。この世界にきて2番目に嬉しいことよ!あ、1番はもちろん宗一郎様に出会えたこ・と☆」
キャス狐「私も1番はご主人様に出会えたことです。私たち気があいますねぇ」
キャスター「ええ、本当に。――あら嫌だ、もうすぐ宗一郎様が帰ってくるわ。ご飯の支度しなくちゃ」
白野「あ、じゃあ俺たちはこれで。タマモを治してくれて本当にありがとうございました」
キャスター「いいのよ、気にしないで。私なりにあなた達が月に帰れる方法を探してみるから、また来なさいな。これでも責任感じているんだから」
白野「はい!さて――衛宮の家に戻ろう。日も暮れたから、衛宮達が心配しているかもしれない」
桜「はなして!」
ランサー「そうはいかねぇなお嬢ちゃん。マスターからの命令でお嬢ちゃんを連れていかなきゃならねぇんだ」
士郎「おい、お前!桜から手を放せ!!」
ランサー「なんだぁ?昨日のガキじゃねぇか、しぶといねぇっと!」ガスッ
士郎「がっ!!か――はっ――」
桜「先輩!?やめて、先輩に乱暴しないで!!」
ランサー「おいおいお嬢ちゃん、あんまり暴れんなよ?勢い余って腕の一本くらい折れちまうかもしれないぜ?」
士郎「や――めろ、桜には手を出すな!!」
ランサー「おーおー、正義の味方はカッコイイねー。けどよ――お前に何ができるんだ?」
士郎「桜を守れる!来い――セイっ!?がぁ!!」ザシュッ
ランサー「はっ、遅ぇ!!そんな見え見えの手にやられるかよ!?」
桜「先輩に手を出さないで!!」キュイーン――ボン
ランサー「なんだぁ?お嬢ちゃんも魔術師か。だがなぁ、そんなシケた攻撃じゃ傷一つつかねぇよ!」
士郎「そんな――桜が魔術を――?」
ランサー「さてと――長居は無用だ。じゃあなガキ。所詮てめぇじゃ誰も守れやしねぇよ」スーッ
士郎「っ桜!?桜ーーーーー!!!!」
???「イリ――ヤ――きり―ぐ――」
ギル「ほぅ、これが例の?」
言峰「ああ。前回の聖杯戦争で聖杯だった物だ。人の形はしているが人格など無いに等しい」
ギル「くくっ、敢えて人の形を残すとは言峰、お前も中々趣味が悪いな」
言峰「なに、単なる余興だ」
ギル「して言峰よ。これは問題なく機能するのだろうな?」
言峰「幸いサーヴァントは一騎も脱落していないのだ。これを器として魂をいれたところで問題はあるまいよ」
ランサー「今戻ったぞ、マスター」スーッ
言峰「存外早かったではないか」
ギル「言峰、この小娘は?」
言峰「先程言った足りない最後のパーツだよ。ランサー、ご苦労だった」
ランサー「別に大して苦労はしてねーよ。にしてもこの嬢ちゃん大丈夫かよ?さっきから同じことしか呟かないぜ」
言峰「なに、これくらいの方が見世物としては丁度良い。さてランサーお前に最後の仕事をくれてやろう」
ランサー「あぁん?どういう事だよ」
言峰「その魂、聖杯の為に捧げよ。自害せよ、ランサー」キュイーン
ランサー「なっ、てめぇ!ふ――ざけ――る――ぐっ!」ドスッ
ギル「案ずるな、ランサー。介錯はこの我がしてやる」シュンシュンシュン
ランサー「くっそっがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ドドドドドドドドドド
???「あ――あぁ――あ―きり―ぐ――」
言峰「ふむ、器として機能しているようだな。これなら問題はあるまい。あとは―――」
桜?「先輩に知られた先輩に知られた先輩に知られた先輩に知られた先輩先輩先輩先輩センパイセンパイセンパイセンパイセンパイ」
キャス狐「―――」トボトボ
白野「タマモ?まだ何処か痛むか」
キャス狐「い、いえ体調はばっちしOK!今からでもあの金ぴかに御礼参りができますよ」
白野「いや、勘弁してくれ。あれは対策が必要だよ」
キャス狐「――ごめんなさい。また私のせいでご主人様を危険な目に合わせてしまいました――」ションボリ
白野「なぁタマモ」
キャス狐「はい――あいたっ」ペチン
キャス狐「何するんですか、いきなり頭叩かないでくださいよー」
白野「お前はよくやってくれたよ。俺が無事なのが何よりの証拠だ。――むしろサポートすら碌に出来ない俺がタマモを怪我させたんだよ」
キャス狐「そんなことありません!なんて言ったってご主人様は私の動力源ですからね!」
白野「何だよそれ」ハハッ
キャス狐「あ、やっと笑ってくれましたね。全くご主人様ったらまた馬鹿なこと考えてウジウジしてるんですから」
白野「馬鹿とは心外だな。それを言うならタマモだって馬鹿なこと考えてウジウジしていたじゃないか。狐の癖に」
キャス狐「狐の癖にってなんですかー!?私はご主人様の身を案じてですね――」
白野「俺だってタマモの事を思って――――はぁ、何だかんだ言っても結局考えていることは一緒か――」
キャス狐「ふふっ、おかしいですね。ねぇご主人様?」
白野「何?」
キャス狐「また――デートに行ってくれますか?今日はアクシデントがあってダメだったから」
白野「ああ、今度は海に行こう。俺、本物の海って見たことがないからさ、一度見てみたいんだ」
キャス狐「ご主人様―――それじゃあ私水着用意しますね!私って脱いだらすごいんですよー」
白野「タマモは脱がなくてもすごいじゃないか――あ、ほら、衛宮の家が見えた。帰るの遅くなったから怒られるかもな」
触媒無しの召喚は相性が良いサーヴァントになるっていうがキャス子とキャス狐の相性良すぎだろ・・・
相性悪い訳が無い
白野「ただいま、衛宮」
衛宮「岸波!!何処行ってたんだよ?心配したんだぞ!」
白野「ごめん――ちょっと色々あって」
衛宮「そっか。でも無事でよかった」
白野「ありがとう。ところで遠坂や慎二は?」
衛宮「遠坂も慎二も一度家に帰って準備してから来るってさ」
白野「ふーん、じゃあ皆が集まるまでもう少しかかるのかな」
遠坂「あら、まだ間桐君は来てないのね。ま、彼って準備とかそういうの時間かけそうなタイプだし、しょうがないか」
白野「遠坂!?いつの間に――」
遠坂「今よ、今。何よ、そんなに驚かなくったっていいじゃない」
衛宮「遠坂!!」ダッ
遠坂「ちょっと、衛宮君までどうしたのよ?そんなに慌てて」
衛宮「桜が――ランサーに拐われた――」
遠坂「何よ――それ?」
衛宮「すまない」
遠坂「はぁ―――何で衛宮君が謝るのよ?状況的に仕方ないじゃない。それより怪我は大丈夫なの?」
衛宮「ああ、もう殆どふさがってるよ。昔から怪我の治りだけは早くてさ」
遠坂「ウソ――ありえないわよ。いくら何でも早すぎじゃない」
衛宮「ありえないって言われてもな――こればっかりは体質なんだから仕方がないじゃないか」
セイバー「―――」
衛宮「それより――」
遠坂「助けに行くつもり――なんでしょ?」
衛宮「ああ。けど安心してくれ、俺一人で行くつもりだ。遠坂達に迷惑はかけないよ」
遠坂「ふぅん、衛宮君はランサーの居場所がわかるの?」
衛宮「それは――」
遠坂「敵の戦力は?真名は?相手のマスターの力量は?どれか一つでもわかってるの?」
衛宮「何も――」
遠坂「それで助けるですって?まさか街をしらみ潰しに探すつもりじゃないでしょうね?それこそ愚かだわ」
衛宮「じゃあどうしろって言うんだよ!こうしてる間にも桜は――」
遠坂「落ち着きなさい。焦っては駄目、常に優雅であるの。桜がその場で殺されなかったのは、生きている桜が必要だったから」
「恐らくあっちは桜をすぐに殺したりしないわ」
衛宮「だからって―」
遠坂「だから落ち着きなさい。そんな頭に血が上った状態じゃすぐに殺されるのがオチよ。すぐに殺されないってことは私達には考える時間が出来たってこと」
「ねぇ、岸波君?」
白野「え?ああ」
遠坂「あなたならあのランサーのこと何か知ってるんじゃないかしら?」
衛宮「どういうことだよ、遠坂。岸波は記憶を失って――」
遠坂「そんなの嘘に決まってるじゃない。あんなの信じてたの衛宮君くらいよ」
遠坂「悪いけど、岸波君のこと勝手に調べさせてもらったわ」
白野「!?」
遠坂「岸波白野――確かに存在したわ。10年前まではね」
衛宮「10年前って――まさか」
遠坂「そうよ、彼――10年前の災害で亡くなってるの。その災害で亡くなった筈の岸波君がどうしてここにいるのかしら?」
白野「――――そっか、ここでは俺死んじゃってるんだな」
キャス狐「ご主人様――」
遠坂「ごめんなさい、あなたを疑いたいわけじゃないの。ただあなたが何者なのか確かめなくちゃいけないと思って――」
白野「いや、いいよ。俺もいつかは話さなければって思ってたから」
キャス狐「ご主人様――よろしいんですか?」
白野「ああ、話すよ。いいかい?」
キャス狐「私はご主人様の決めたことに従いますから」
白野「――ありがとう。さて、どうやって話せばいいかな――」
白野「さすがに信じられないかな?」
遠坂「いくら何でも荒唐無稽よ――だけど嘘を吐いてるって感じでも無さそうだし、そもそも嘘吐くならもっとマシな嘘選ぶわよね」
衛宮「俺は信じるよ。魔術があるんだからパラレルワールドがあってもおかしくないさ」
遠坂「わ、わわ私だって信じないなんて言ってないんじゃない!でもパラレルワールド―平行世界か。それならありえない話じゃないわね」
白野「何か知ってるのか?」
遠坂「あなた達魔法の存在は知ってるわよね。その内の一つに「平行世界の運営」というものがあるの」
「だから岸波君とキャスターがこの世界に飛ばされたのもその魔法が少なからず関わっていると見て間違いないわ」
白野「魔法――誰が何の為に――」
遠坂「岸波君のことは分かったけど、分からないことも増えたわね」
白野「ああ、だけどそれは後回しだ。今は桜のことを考えないと」
遠坂「そうね。何はともあれあのランサーの真名が分かったのは収穫だわ」
衛宮「あとは奴のマスターと居場所が分かれば――」
遠坂「何、地震!?」
慎二「はぁはぁはぁ、た、助けて、桜が――桜が!!」バッサバッサ
衛宮「慎二!?桜がどうしたんだよ!」
慎二「桜がうちに帰ってきたと思ったらいきなり御爺様を殺して、僕のサーヴァントを寄越せって言ってきたんだ!」
遠坂「――桜が?間桐君嘘じゃないでしょうね?」
慎二「本当だって、信じてくれよ!!あいつ、いつもと雰囲気違くて、このままじゃ僕まで殺されるって思ったからライダーの宝具を使って逃げてきたんだ」
衛宮「桜が――どうして!?」
慎二「僕が知る訳無いだろ!!おい、岸波!!やっぱりあいつは僕を殺す気だったじゃないか!この嘘吐き!!」
衛宮「!?今はそんなこと言っている場合じゃないだろ!慎二、桜は間桐家に居るんだな?」
慎二「あ、あぁ。移動していなければまだいるんじゃないか」
衛宮「わかった。行くぞ、セイバー!」ダッ
セイバー「はい!」
遠坂「衛宮君!?ちょっと待ちなさい!」ダッ
白野「衛宮、遠坂!?俺たちも行こう、慎二!」
慎二「はぁ?行くわけないだろ。あいつ御爺様を殺したんだぞ。それどころかこの僕まで。そんな奴が居るところに行くなんて僕はゴメンだね」
白野「慎二!―――わかった、行ってくる」ダッ
ライダー「慎二、行かせてしまって良かったのですか?」
慎二「―――ふん」
衛宮「桜!!」
遠坂「ちょっと落ち着きなさい!!どう見ても桜が居る雰囲気じゃないわよ」
キャス狐「うわー、本当にここに家があったのか疑いたくなりますねぇ。爆心地みたいになってますよ」
言峰「おや、誰かと思えば凛と衛宮士郎そしてザビエル君ではないか。まさかとは思うがこの騒ぎはお前達の仕業か?」
遠坂「んなわけ無いでしょ。その冗談笑えないわよ」
言峰「ほう、先程この付近で大きな魔力を感じたのでな、もしやと思ったが」
遠坂「あんた、何か知ってるんじゃないでしょうね?」
言峰「何故――そう思う?」
遠坂「いくら何でもここに来るのが早すぎるわ。予め知っていたとしか思えないくらいにね」
言峰「この私が何か企てごとを?」
遠坂「違うのかしら?」
遠坂「そう、まぁいいわ。今ここであなたと問答をしていても意味がないし。それより桜を見てない?」
言峰「ふむ、間桐桜のことかね?それなら先程柳洞寺の方へ向かうのを見かけたがそれが何か?」
遠坂「――嘘じゃないでしょうね?」
言峰「疑うのは君の勝手だが私は神父だ。嘘は言わんよ」
衛宮「柳洞寺だな?行くぞ、セイバー!」ダッ
セイバー「はい!」ダッ
遠坂「岸波君、私たちも急ぐわよ!」ダッ
白野「わかった、行こうタマモ」ダッ
言峰「私だ。ああ、残るはバーサーカーとライダーだ。そちらは任せたぞギルガメッシュ」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
キャスター「もう!何よこのタコみたいな気持ち悪いの。倒しても倒してもキリが無いじゃない」ドン、ドカン
アサシン「多勢に無勢。こうも数が多くてはさすがの貴様でも殲滅は難しいか?」ザシュッ、ザン!
キャスター「うるっさいわね!いいから口より手を動かしなさい。門番の意味がないじゃない。――あ、宗一郎様?あんまり無理はなさらないで下さいね?」
葛木「問題ない。メディア、お前こそ無理をするなよ」
キャスター「いやーん、流石宗一郎様ったら☆」
アサシン「」フッ
<メディアサーン
キャスター「あら、あの声はタマモちゃんじゃない!」
白野「大丈夫ですか?」タッタッタ
キャスター「今のところわね。でも門の中に入れないようにするのが精一杯。他には手が回らにないわ」
キャス狐「こんばんは、メディアさん。それにしてもエ口ティックなタコ共ですねぇ。どうしたんですかこれ?」
キャスター「それがわからないのよ。さっき強い魔力を感じたと思ったら、そこの穴からいきなりこいつらが湧き出てきたの」
キャス狐「ってことはあの洞窟の中に入れば原因がわかるんですね。どうします、ご主人様?」
白野「ちょっと気は進まないが、行くしかないだろ」
キャス狐「ですよねぇ。私も嫌ですぅ。だって気持ち悪いじゃないですか。――あぁ、もう鬱陶しい!」ボン!
衛宮「そんなこと言ってる場合か!中に桜が居るかもしれないんだ、行くぞ!うおぉぉぉ!」ガスッ、ガスッ、ガスッ
キャス狐「うわぁ。衛宮さんたら強化した木刀であの触手なぎ倒してますよ。タフですねぇ」
白野「茶化してないで俺たちも行こう。タマモだって桜を助けたいんだろ?」
キャス狐「そりゃあもう。何て言ったって恋する乙女同盟ですからね!」
白野「よし、じゃあ行こう。タマモ!」
キャス狐「はい!炎天よ――はしれ!」ヒュボッ!
遠坂「ああ、もう!先行かれちゃったじゃない!私たちも行くわよ、アーチャー」
アーチャー「了解だマスター。はぁっ!!」ザシュッ!
キャス狐「結構広いんですねぇ」
衛宮「桜!いるんだろう!?応えてくれ、桜!!」
キャス狐「」ピクッ
キャス狐「ご主人様、気を付けてください。この気配、あの金ピカが近くにいますよ」
白野「!?」
???「ふん!遅かったではないか雑種よ。この我を待たせるとは身の程を知らぬと見える」スーッ
セイバー「アーチャー!?」
ギル「ほう、セイバー。お前も一緒か。今尚身の丈にそぐわない大望を抱いているか?」ククッ
セイバー「貴方はまだそのようなことを!!」
衛宮「!?お前が首謀者か!桜を何処にやった!?」
ギル「なんだ?誰の許可を得て喋っている雑種?我とセイバーの再開を邪魔するな。殺すぞ?」
衛宮「黙れ!桜を何処にやったか答えろ!」
ギル「ふん、痴れ者が。貴様の声など聞くに耐えぬわ!!」ヒュン
衛宮「!?」
セイバー「士郎、危ない!!」
バーサーカー「■■■■」ガキン
???「大丈夫、お兄ちゃん?」
衛宮「お前は――イリヤ!?どうしてここに」
イリヤ「士郎が危ないって聞いたから助けに来んだよ。士郎を殺すのは私なんだから!」
衛宮「イリヤ――」
ギル「ふん、小煩い犬がまた一匹。言峰め、こう煩くてはいくら我でも些か飽きがくるというもの」
キャス狐「そろそろ降りてきたらどうですか?その位置にいられると首が疲れるんですけど」
ギル「降りてこいだと?王とは常に見上げるもの。雑種共が我と同じ位置に立てると思うなよ?」
キャス狐「雑種雑種ってさっきから煩いですねぇ。王様気取りもいい加減にしてくれません?こっちはあなたにデート邪魔されて相当耳にきてるんです」
ギル「王様気取り?ふははははは!この我を指して王様気取りだと?笑えぬ冗談だな狐」
キャス狐「ええ、だって本気ですから。どうやらあなたアーチャークラスらしいですけど、緑ぃのといい金色といいどうして弓兵って気取ってるのが多いんでしょうね?」
アーチャー「」ピクッ
イリヤ「ちょっと退いてオバサン!あいつの相手は私なの!バーサーカーあいつをやっちゃえ!」
バーサーカー「■■■■」
ギル「犬が、貴様らは用済みだ。この場から早々に失せろ!!」ヒュンヒュンヒュンヒュン
イリヤ「あっ――」
バーサーカー「■■■■」ドスドスドスドスドスドスドスドス
イリヤ「!?バーサーカー!!」
ギル「はっ!犬は犬なりに主人に対する礼儀を持ってるらしいな。ならそのまま死ね」ヒュン
バーサーカー「■■■■□□□」スーッ
イリヤ「バーサーカー!?いやだ、死なないでよ!消えないで――バーサーカー!!」
ギル「ふはっ!はははははははは!良い、中々愉快な見世物だったぞ。さて次はどんな茶番を見せてくれる?」ズズズズズズズズ
衛宮「貴様ぁ――!!」
キャス狐「もういいです、全殺し決定。ご主人様、宝具を開放しちゃいましょう」
白野「」コクリ
ギル「貴様、いつの間に!?」ズズズズズズズズ
遠坂「何?あのサーヴァントがいきなり影に飲み込まれた!?」
ギル「おのれ、放せ!くっ、この我が貴様如きに飲み込まれてたまるか!」ズズズズズズズズ
???「大きい飴玉ですね。お腹が空いているので早く食べられてください」
ギル「くっ――おのれ――おぉのぉれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」ズズズズズズズズゴクン
???「ああ、お腹いっぱいになりました」
衛宮「!?あ、あれは桜?おい、桜!俺だ士郎だ!」
桜「あれぇ、先輩どうしたんですかこんなところで?」
衛宮「桜を助けに来たんだ!帰ろう、桜はこんなことしちゃいけない」
桜「クスクス大丈夫ですよ先輩。だって先輩はもうすぐ私の物になるんですから」
衛宮「桜――何言って――?」
遠坂「ちょっと、桜!あなたどうしたっていうのよ?」
桜「うるさい!先輩以外皆いなくなっちゃえばいいんです。私はもうお腹いっぱいですから先輩以外食べたくありません。だから――」
???「ふんぐるい むぐるうなふ」
ウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョ
桜「この人に姉さん達を殺してもらいます」
???「お久しぶりです、聖処女よぉ。あなたのジル・ド・レェで御座います」
セイバー「キャスター!?貴様が何故ここに!?」
桜「私が喚んだんですよ、セイバーさん。この人あなたに会いたがってたから」
セイバー「そんな――どうやって。奴は前回の聖杯戦争の参加者です。桜!あなた一体何をしたのですか!?」
桜「そんなこと考えている暇はないんじゃないですか?」
青髭「さぁ、宴の始まりですよ、ジャンヌゥ。存分にお楽しみ下さい」
ウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョ
遠坂「これじゃあキリが無いわよ。セイバー、何か打開策は無いの?」
セイバー「奴の持っている本、あれが宝具になっています。あれを破壊出来ればこの海魔共も消えるはずです」
遠坂「オッケー。アーチャー、やっちゃいなさい!」
アーチャー「まかせろ!赤原猟犬-フルンディング-!」ヒュバッ
青髭「無駄です」
ウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョウニョ
アーチャー「くっ、海魔が盾となるか」
青髭「さぁさぁ、絶望なさい!恐気なさい!あなた方の悲鳴を持ってこの宴は完成されるのです!」
衛宮「遠坂!岸波!ここは俺とセイバーが食い止める。お前たちは外に出た奴を倒してくれ!」
遠坂「ちょっと何言ってるのよ!あなた達だけでどうにか出来る相手じゃないでしょ!?」
衛宮「街の人が殺されるかもしれないんだぞ!」
遠坂「!?」
白野「わかった。行こう、タマモ」
白野「衛宮の思いを無碍にしちゃダメだ。大丈夫、外の奴らを蹴散らしたらすぐに戻ってくればいいんだから」
遠坂「ッ――そうね。こいつらだって限界はあるはずよ。こんなに多くの海魔を出したんだもの。あいつの魔力もそう長くはないわ」
白野「衛宮!すぐに戻ってくる、だから絶対死ぬなよ!」タッタッダ
衛宮「ああ、まかせろ!」
遠坂「アーチャー、イリヤをお願い」
アーチャー「ふっ、相変わらず人使いが荒いな」ヒョイ
イリヤ「あ、こら!レディを扱うときはもっと優しくしなきゃダメじゃない!」ジタジタ
アーチャー「やれやれ、わかったよ、お姫様」ダキッ
遠坂「衛宮君!勝手に死んだら承知しないんだからね!」タッタッタ
衛宮「ごめんな、セイバー。俺のわがままに付き合わせちゃって」
セイバー「いえ、問題ありません。この程度の雑兵、私たちで十分です」チャキッ
衛宮「ああ!行くぞセイバー!」
セイバー「はい!」
桜「クスクス頑張ってくださいね先輩。すぐに死んだら――嫌ですよ?」
言峰「ふむ――前回の器に溜まった英霊の残りカスに魔力を込めることで再び限界させるとは――」
「流石というべきか。間桐桜――否アンリマユよ。さて―彼が目覚めきる前に私も行くとしよう。彼の誕生を祝福しに」ダッ
---冬木大橋---
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
遠坂「――ちょっと何よこの数――全部あの洞窟から出てきたっていうの?」
イリヤ「街を――埋め尽くしてるの?」
アーチャー「正しくその通りだ。恐らく冬木全体を飲み込む腹づもりだろうな。幸い新都にはまだ行っていないようだな」」
遠坂「だけど、それも時間の問題よ。それにいつ市民に襲いかかるか分からないわ。私たちはこの橋に陣取り奴らを殲滅する。いいわね、アーチャー?」
アーチャー「無論だ!」ダッ
イリヤ「アーチャー!私はバーサーカー居なくなっちゃったから何もできないけど――頑張って!!」
アーチャー「ふっ、凛もこれくらい素直だと嬉しいんだがな」
遠坂「っ!何ですってぇ!?」
アーチャー「ははっ、大丈夫だよ、凛、イリヤ」
遠坂・イリヤ「「――え?」」
アーチャー「一度は諦めたこの夢――今一度信じてみるさ。行くぞ、形状し難き物!英霊エミヤいざ参る!」ヒュンヒュンヒュンヒュン
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
キャス狐「いやーん、こっちにも沢山いますよ。よくこんな気持ち悪いの出せますよね?同じキャスターとして品位を疑います!」プンスカ
<ズドドドドドドドチュドーン
白野「遠坂達は始めたみたいだな。俺たちもやろう!」
キャス狐「はい!私たちの新婚生活どころかデートまで邪魔しやがって――その罪、怒り、あなた達で清算させて戴きます!炎天よ――走れ!」ヒュパッ
---衛宮邸---
<ズドドドドドドドチュドーン
<ヒュパッ!ボゥッ!
ライダー「慎二――あなたは行かなくて宜しいのですか?」
慎二「は?何で僕が行かなきゃならないわけ?あいつらとは同盟を組んでいたけど、それとこれとは関係ないだろ?」
ライダー「しかし、桜は!」
慎二「お前、黙ってろよ!マスターである僕に口答えするな!」
ライダー「っ!――はい」
慎二「逆にラッキーじゃないか!これで他のマスターとサーヴァントが全て脱落すれば聖杯は僕たちの物なんだぜ?」
ライダー「――貴方は本当にそれでいいのですか?桜の言葉――聞こえていなかったわけではないでしょう?」
慎二「っ!?――」
グチャッグチャッグチョッ
慎二「桜――お前お爺様に何してるんだよ!?」
桜「あ――兄さんだ。私にいつも怯えて乱暴して怖くてヘタレの兄さんだ。何って御仕置きしてるんですよ?見て分からないんですか?」
「兄さんは本当にダメな人ですね」ズズズズズズズズ
慎二「ひぃっ!来るな!来るなよぅ!」ズリズリズリ
桜「ふふふっ!兄さんたら芋虫みたいに這いずりまわって――かわいいなぁ。ねぇ兄さん、私のライダー返してくださいよ?」
「ねぇ、兄さん?兄さん?兄さん兄さん兄さんにいさんにいさんにいさんニイサンニイサンニイサンニイサン」ズズズズズズズズズ
慎二「ひ、ひぃ!来ないで!僕が悪かった!もう暴力ふるったりしないから許してよぅ!」ズリズリズリ
桜「――兄さん――兄さん――――」ズ ズ ズ ズ ズ
慎二「?――桜?」
桜「逃げて――に―て兄―ん」ズ ズ ズ
慎二「ひぃっ!ライダー!おいライダー!に、にに、逃げるぞ!」
ライダー「慎二、宜しいのですか!桜が――」
慎二「知るかよ!桜が逃げろって言ってるんだから逃げるしかないだろ!早く宝具だせよ!」
ライダー「くっ、桜―」つベルレフォーン
桜「た―けて――助けて――兄さん」グスッ
慎二「っ!?――ほら、早く逃げるぞライダー!衛宮達の所だ!」
ライダー「――わかりました」バッサバッサ
---回想終了---
慎二「う、うう、うるさいうるさい!いいからお前は黙っていろよ!僕には関係の無いことなんだよ!」
ライダー「――はい」ギリッ
慎二「そうだよ。僕には関係の無いことなんだ。僕は聖杯のことだけを考えていればいいんだ――」
『兄貴だろ!それくらいのことしてみせろよ!!』『助けて――兄さん」
慎二「っ――」ギリッ
慎二「――」スクッ
ライダー「どうしましたか、慎二?」
慎二「逃げるぞライダー」
ライダー「――は?」
慎二「もう聖杯戦争なんて知らないから逃げるって言ってるんだよ!」
ライダー「逃げる――何処へです?見てわかりませんか、これだけの数の海魔が柳洞寺から湧き出ています。逃げ場なんてありませんよ」
慎二「はっ!お前って本当バカだよな!逃げる場所って言ったら柳洞寺しかないだろ?あそこなら見晴らしがいいからね」
ライダー「!?――慎二――」
慎二「まぁ、そこにもし不出来な妹がいたりしたら助けてやらないこともないけどね。兄貴として格の違いを教えてあげなきゃ、可哀想だからさ」
ライダー「はい!ありがとうございます、慎二!」
慎二「べ、べべ、別にお前にお礼を言われる筋合いは無いだよね。とにかく早く準備してよね!」
ライダー「はい!騎英の手綱―ベルレフォーン―!!」ヒヒーン
ライダー「さぁ、行きますよ、慎二!」ヒュゴッ
慎二「あわわわわ、早い、早いってぇ!!」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
遠坂「チッ!何よこれ、全然キリがないじゃない!一体いつ終わるのよ!?」
アーチャー「はっ、もう弱音とは情けないな凛」
遠坂「誰がよ!?ちょっと疲れただけよ。こんな雑魚あと1万体はいけるんだから!」
アーチャー「その意気だ。しかしこれ以上時間を稼がれては衛宮士郎達が危ない。そろそろどうにかしなくては――」
遠坂「任せなさい。何の為にこれがあると思ってるのよ。――令呪をもって命ずる。アーチャーよ、この海魔共を殲滅せよ!」
アーチャー「令呪――成程その手があったか。了解だマスター!――――トレース、オン(投影、開始)」
アーチャー「――――トリガー、オフ(投影、装填)セット,ナインライブズブレイドワークス(全工程投影完了――――是、射殺す百頭)
ズドドドドドドドド
キシャー、ピギャー
遠坂「よし!良いわよ、アーチャー!」
イリヤ「――ねぇ、凛。川の上に人が立ってる――」
アーチャー「莫迦な!?何故奴がここに!?」
青髭「ふんぐるい むぐるうなふ」パタン
遠坂「ちょっと!どうしてアンタがここにいるのよ!?」
青髭「おや、貴方方でしたか。今宵の主賓はジャンヌではありませぬ故、あの場には相応しい役者を置いておきました」
アーチャー「役者だと?貴様何を言って――」
青髭「さぁ、龍之介!見ていて下さい!最高のクーーーーーーールを再びご覧にいれましょう!!!」ズズズズズズズズズズ
イリヤ「川が――盛り上がってるよ――」
遠坂「嘘でしょ――あんな召喚魔術見たことないわよ――」
アーチャー「ふぅ――成程――サンデイじゃないか」
遠坂「アーチャー、あれをどうにかするわよ!」
アーチャー「ふっ、無茶を言ってくれる。だがどうにかするしか無いようだな。――トレース、オン!!」ヒュパッ
キャス狐「はぁはぁ、ご主人様。今日のご飯はタコのカルパッチョとたこ焼きどっちがいいですか?」ヒュパッ
白野「どっちも暫く見たくないよ。それより魔力は大丈夫か?」
キャス狐「ええ、任せてください!いざとなったら宝具だってありますから、ご心配無用です!!」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
キャス狐「!?ご主人様!危ない!」
白野「しまっ!?」
???「騎英の――手綱!!」チュドーン!!!!!
???「はっ!無様だねぇ、白野ぉ!」
白野「慎二!ライダー!?どうしてここに?」
慎二「どうしてって――助けに来てやったんだよ!主役は遅れて来るものだからね!」
キャス狐「へぇ、少しはカッコイイ所あるじゃないですか」<エンテン!
ライダー「慎二――」
慎二「ああ、こんな気持ち悪いの早く片付けて、さっさと桜を助けに行くぞ!」
白野「ああ!」
慎二「はぁ?おっさん誰?」
???「余は征服王イスカンダル!来度は聖杯の守り手として再びこの地に蘇った!」
ライダー「っ!慎二、乗ってください!あのサーヴァント――私と戦うつもりです」
イスカンダル「うむ、その意気や良し!本来ならお前たちを我が軍門にすかうとしたいんだがなぁ。マスターがそれを許さん」
「ならば戦うしかないであろう。さぁ行くぞ!神威の車輪!」ヒヒーン
イスカンダル「AAAALaLaLaLaLaie!!」ゴゴゴゴゴゴゴ
慎二「あわわわわ、突っ込んできた!?よ、避けろライダー!!」
イスカンダル「さぁ、今宵の戦、存分に楽しもうぞ!!」
---柳洞寺---
ザシュッ!
宗一郎「!?ぐっ!かはっ――」
キャスター「宗一郎様!?」
宗一郎「心配するな、キャスター」
キャスター「でもお怪我をなさっております。ああ―早く手当を――」
アサシン「後にしろ!今はこの状況を打開するほうが先ではないか?」
キャスター「っ!よくも――よくも――宗一郎様を!!肉片も残らないと思いなさい、暗殺者共!!」
???「ふふふふ、我らは個にして郡。一人や二人仕留めた程度でいい気にならないでもらおう」ヒュン、ヒュン、ヒュン
アサシン「よもや、これ全てがサーヴァントとは――サバーニャの名は伊達ではないということか――」
???「A――urrrrrrッ!!」ガキン!
セイバー「くっ!貴方は――ランスロット!?何故貴方までここに――」ググググ
士郎「セイバー!!――ガフッ!」ドスッ
???「ふん、人間風情がサーヴァントと剣を交えよう等――」
セイバー「ランサー!あの誇り高き貴方が何故このようなことを!?」
ディル「黙れ!!貴様は俺の誇り、尊厳、願い、全てを踏みにじった!!この俺にも漸くそれを果たす時が来たようだ」チャキッ
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」ザッ
ディル「セイバー!!!!」ダッ
セイバー「くっ!二人とも、目を覚まして下さい!!」ガキン、カキン
桜「ふふ、ふふふ、クスクスクス。せーんぱい☆もっと、もーっと弱ってくださいね」
やめろwwwwww
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
遠坂「!?――ごめんなさい、アーチャー。私もう駄目みたい――」ガクッ
アーチャー「っ!諦めるな!必ず活路はある。この異変に気づいた者達が救援に来る筈だ。それまで持ちこたえろ!」ズドドドドド
遠坂「わがまま言ってばかりでごめんね。短い付き合いだったなぁ――でも、あなたがサーヴァントで私良かった」ドサッ
アーチャー「やめろ!そんな言葉聴きたくはない。さぁ、立て凛。立って私を叱咤してみろ!」
遠坂「ふふっ、あんたの憎まれ口ももう聞けないのね――残念――もう少し一緒に――居たかった――な――」
アーチャー「凛!返事をしろ、凛!!チィッ!」ズドドド
イリヤ「凛?凛!?嘘――アーチャー、凛――息してない――」
アーチャー「――そんな――私は――俺は――また――」ガクッ
ジル「どうです、見ていますか、龍之介!これが絶望の動態、恐怖の胎動!さぁ、より贄を喰らうのです!貪るのです!」
---柳洞寺---
葛木「ガハッ!――すまんなキャスター、私はどうやらお前の望みを叶えることが出来ないようだ」ガクッ
キャスター「いや、いやですわ宗一郎様!私はアナタの妻として、サーヴァントとしてまだ何も恩を返せていないではありませんか」
葛木「ふっ、構わん。これはこれで――良い人生――だっ―」ドサッ
キャスター「宗一郎様!宗一郎様!?いや――いやぁ―いやぁぁぁぁ!!!!」
アサシン「ふん、万事休す――か」ガキンッ!
ハサン「止めだ。せめて最後は苦しまずに殺してやろう」チャキッ
イスカンダル「AAAALaLaLaLaLaie!!」ゴゴゴゴゴゴゴ
ライダー「くっ、駄目!避けられな――あぁっ!!」ガキン!ヒューンドサッ
慎二「うぐっ!くそっ、イタタタ――ライダーの奴何落ちて、ひぃ!?何だよこの気持ち悪いタコは――」ズリズリ
イスカンダル「ん?何だ、つまらんのぅ。もうしまいか?ほれほれ、早く飛んで来んか!」ヒヒーン
慎二「嫌だ―嫌だ!死にたくない!何だよこれ、何で僕が死ななきゃならないんだよ!嫌だ――嫌だよぅ」ズリズリ
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
慎二「ひぃ!く、来るな!こっちに来るなぁ!ライダ―!早く僕を助けろよ、ライダー!!」
ライダー「っ!?慎二、今―行き―ます――」ハァハァ
イスカンダル「みっともない。最後くらいは華々しく散りたいと思わんのか?」
ピギャー!!キシャー!ドスッ
慎二「――あ?はは、何だよこれ――僕の身体にハハッ、穴が空いてる――ゲホッ、ガハッ!!い――やだ――死―た――ない」ドサッ
ライダー「慎二!?――申し訳ありません、慎二。私にあと少しでも魔力が残っていれば――」
イスカンダル「終わった、か。しかし――実につまらん戦だったのぅ」
---穂群原学園---
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
キャス狐「こっちに来ないでください!!」ヒュパッ
ピギャー!!キシャー!
キャス狐「ご主人様!?ご主人様!倒れていないで返事をしてください!!」ユサユサ
白野「――ごめんな、タマモ。俺、お前の足引っ張ってばっかだった――ゲホッ、ゲホッ」
キャス狐「何言ってるんですか!?ご主人様がいたから私は頑張れたんです!ご主人様が居なかったら私――私――」
白野「ありがとう、タマモ。俺はお前のマスターになれて幸せだったよ」ナデリナデリ
キャス狐「私も、私も幸せです!ですから、生きて!この戦いを終えて、一緒にまたデートしましょうよ!――お願い」ポロポロ
白野「ああ、そうだな。また一緒に――デートを――」ガクッ
キャス狐「!?ご主人様?ご主人様!!そんな――私は――また―ごめんなさい――ごめんなさい」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
タマモが自分の横で何か言っている。しかしその言葉はもう耳に入ってこない。
体の感覚が徐々に無くなっていくのがわかる。自分は死ぬのだろうか?このまま何もできず、誰も救うことができずに――。
恐い―痛みが恐い―感覚の喪失が恐い―そしてタマモの力になれずに只無駄に死ぬのが何より恐い
立たないと―恐いままでいい―痛いままでいい―だってこの手はまだ一度も
自分の力で戦ってすらいないじゃないか――!!!
キラッキラッ
---深山町某所---
キラッキラッ
イスカンダル「む?ほぅ――珍しいことがあるものよのぅ」
ライダー「月が――」
---冬木大橋---
イリヤ「キレイ――」
アーチャー「いったいこれは――」
---柳洞寺---
アサシン「ふっ、不吉なこともあるものだ」
ハサン「月が――煌々と――」
---穂群原学園---
キャス狐「光ってる――まさか」
キュイーン ヒュパッ! チュドーン!!!!
キャス狐「きゃぁ!!」ドサッ
---冬木大橋---
イリヤ「きゃあ!」ズサッ
アーチャー「イリヤ!!」ガシッ
イリヤ「あ、ありがとう。アーチャー」
アーチャー「礼には及ばん。否それよりも月からこの街に一筋の光――あれはレーザー兵器か?」
イリヤ「でも光が落ちた場所って――」
アーチャー「ああ、穂群原学園だ」
イリヤ「それって、あのへんちくりんと狐耳オバサンが居るところじゃない!」
アーチャー「岸波白野――奴め、一体何をした?」
月から放たれた一筋の光が俺とタマモを包み込んだかと思うと、
突然、膨大な情報が頭の回路を焼き付くさんばかりの勢いで流れ込んで来た。
―ムーンセル、聖杯戦争の原点、争いを―くす、ゼ―レ――、―行―界、神霊の現界、七天の聖杯―
その膨大な情報の中で自分とタマモの意識は一体になっていたらしく、お互いの考えていることが手に取るように理解できた。
その時自分とタマモは本当の意味で一つになった――ような気がした。
そしてそれを理解すると同時に自分とタマモがこの世界に招かれた真意を知る。それは――
キャス狐「ご主人様?ご主人様!!」
白野「全て―思い出した――いや理解したよ」ムクッ
キャス狐「ご主人様!良かった――本当に良かったです――」エグッグスッ
白野「ごめん。心配かけたな、でももう大丈夫だ。そうだろ?」
キャス狐「はい!やりましょう、ご主人様!」
白野「」コクッ
白野「ムーンセルの権限を持ってその力を開放する。キャスター、『玉藻御前』を暫定的に英霊の座から神霊の座へと」
「その位階を戻すことをここに命ずる」
自分がした願い事を、元々拡大解釈するきらいがあったムーンセルは争いの根絶
ひいてはそれの原因となっている聖杯戦争の根絶と解釈したらしく、その量子コンピュータを使いその方法を検索し始めた。
その結果ムーンセルが導き出した答えは『月の聖杯戦争の勝者を送り地上の聖杯を消滅させる』であった。
ムーンセルにとっては過去どころか平行世界の移動すらも不可能ではないらしい。
まぁそこにはとある魔法使いが関係しているとかなんとか。
斯くしてその願いを叶えるために自分はムーンセルと契約しムーンセルの一部として働くこととなったのだった。
その後自分とタマモはこの地へ送られたのだが、その時に事故があり自分たちは送られた前後の記憶を完全に失念してしまっていた。
所謂データの欠損である。
当初ムーンセルはそれを問題視していなかったそうなのだがムーンセルの一部である自分の瀕死とを知って
急遽月の聖杯はバックアップデータを僕とタマモに送り付けデータの修復に乗りでた。どうやら事の顛末はそういう事らしい。
そして――ムーンセルの一部として力を使うことを許された自分は、
酷く限定的ではあるがタマモを本来の位階にして現界させることも可能になったわけである。
自分がタマモにそう命じると、再び月から一筋の光が今度はタマモを飲み込んだ。
キャス狐「き、キターーー!!ご主人様からの愛を耳に!尻尾に!ビンビン感じますよーー!!」ポン!ポポポポポポポン!
キャス狐「ああ、これがご主人様の愛なのですね――大きい大きすぎて本来の力を取り戻した気分です!」
「魔力も十分、尻尾も9本生えました!もう怖いものなんて何もありませんよご主人様!」フッサフッサ
白野「ああ、行こう。反撃の時間だ!」
測定不能だろ
【俊敏】EX【幸運】EX【宝具】EX
こんなんだろどうせ
冗談抜きで冬木がヤバイ
白野「うわっ、浮いた!?」
キャス狐「そりゃあ今の私神様ですから、浮きますよ。ご主人様、知りませんか?神様って浮くもんなんですよ!」
キャス狐「本当は中国のアホ猿とかが乗ってる雲とか出せるっちゃあ出せるんですよ?」
「でもぉ、タマモ的にはぁ、もっとご主人様と触れ合いたいって言うか、このまま天空プレイしたいって言うか。えへっ☆」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
キャス狐「むー。それにしても下のタコ共邪魔ですねぇ。景観を損ないます。こんなの全然ロマンチックじゃないです!」
「取り敢えずたこ焼きにでもしちゃいましょうか」ヒュパッ ゴウッ!!!
白野「すごい――校庭を埋め尽くしてた海魔が一瞬で蒸発した――」
キャス狐「えへん!どうですか、ご主人様?これが本来の私です!でもこんなの序の口ですから安心してくださいね?」
白野「ああ、これなら皆を助けられる。ありがとうタマモ」
キャス狐「えへっ、もっと褒めてください。ていうかナデナデしてください!」
白野「――タマモ、宝具の開放は出来る?」
キャス狐「いやーん、無視された。でもそこがご主人様のいい所って言うか」ゴニョゴニョ
キャス狐「はい?あ、いえ、聞こえてますよご主人様!宝具ですね?いつでも準備OKです!」アセアセ
白野「頼む。衛宮や遠坂、それにメディアさん達も苦戦してると思うから、少しでも助けになればいいけど」
キャス狐「ふふん、ご主人様、ご主人様?今の私のステータス。見てもらえますか?」
白野「?うん、わかった。えっと、これを、こうして―――え?――嘘だろ」
キャス狐「見てくれました?それが今の私の宝具が持つ力です!」ドヤァ
「これを使えば少しの手助けなんてもんじゃありません!一晩ぶっ通しで何回戦だろうと戦える身体になっちゃいます!」
キャス狐「まぁ、ぶっちゃければこの程度今の私とご主人様でどうにでも出来るんですけどね」
「でもそれは御天道様が許しても空気が許してくれないっていうか展開的にどうよ――みたいな?」
白野「また、訳の分からないことを――。とにかく!まずは宝具の開放だ。わかった?」
キャス狐「はーい。さて――と、ちょーっと待ってくださいね。――ふん、ふんふん。成程成程。あちゃー、そいつぁ駄目だ」
白野「タマモ?」
キャス狐「うん、大体の状況判断は終わりました。誰が死んでいて誰が生きているのかも。です。準備はいいですか、ご主人様?」
白野「ああ、頼む」コクッ
キャス狐「」スーッ、ハーッ
キャス狐「出雲に神在り。審美確かに、魂に息吹きを。山河水天に天照す。是、自在にして禊の証。」
「名を玉藻の鎮石。神宝宇迦之鏡也!」キュインキュインキュインパーッ
キュインキュインキュイン
イリヤ「アーチャー!!」
アーチャー「何だこれは――護符に鳥居?」
イリヤ「わー、まるで大きな神社の中に居るみたい!」
遠坂「ん、んん、アーチャー。。。」ピクン
アーチャー「凛!?」
遠坂「ここは――」
イリヤ「凛が生き返った!!」
アーチャー「莫迦な――凛は確かに一度死んだはず。死者が蘇るだと?それにこの力は――」
遠坂「暖かい――ここは――天国?」
アーチャー「ふっ、残念ながら地獄だよ、凛」
キャスター「宗一郎様!?宗一郎様!!ああ、良かった、本当に良かった」ポロポロ
葛木「メディア――私は死んだはずでは?」ムクッ
小次郎「突然現れたこの符と鳥居の力――か?何とも面妖なことがあるものだ。なぁ女狐よ」
キャスター「ええ。たぶん、タマモちゃん達の力だわ。それに――」
小次郎「うむ。この符、死者を蘇らすだけでは無いらしい。ふっ、恐ろしい力よな」
ハサン「ほぅ、何故蘇ったかは知らぬが、それならそれでまた殺すまで」チャキッ
キャスター「馬鹿にしないで頂戴。宗一郎様が生きているなら、私は容赦しないわよ」ゴゴゴゴゴゴゴ
イスカンダル「何と!?あの小僧死んでなかったのか」
慎二「生きてる?僕生きてる?いやったー!!やったよ、ライダー!!僕死んでない!生きてる、生きてるよー!!!」ピョンピョン
ライダー「」チッ
慎二「ライダー?」
ライダー「良かったですね、慎二。これもこの護符のおかげでしょうか?」
慎二「マジで!?何これ、この護符すごい!ていうか鳥居まである!?神社すごい!僕これから初詣とかちゃんと行くよ!!」
イスカンダル「がははははは!面白い!戦とはこうでなくてはな!さぁ、もっと余を楽しませてみせよ!」
慎二「ライダー。お前、ステータスが――」
ライダー「ええ、どうやらこの護符のもう一つの効果みたいですね。内側から力が湧いてきます!」
「今度はこちらの番ですよ、慎二。先程までと同じとは思わないことですよ、征服王!!」ヒヒーン
イスカンダル「ふむ、よかろう!余の征服、しかとその目に刻むが良い!!ここに顕現せよ、我が盟友達よ!」
ヒュパッ シュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザ
ライダー「これはまさか――固有結界!?心象風景の具現化だというのですか!」
イスカンダル「そうよ。彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!イスカンダルたる余が誇る最強宝具-『王の軍勢』なり!!」
<ウォォォォォォォォォォォ
イスカンダル「王とは、誰よりも鮮烈に生き、諸人を魅せる姿を指す言葉!」
<シカリ!シカリ!シカリ
イスカンダル「全ての勇者の羨望を束ね、その道標として立つ者こそが王!」
「故に、王とは孤高に非ず、その偉志は全ての臣民の志の総算たるが故に!」
<シカリ!シカリ!シカリ
慎二「あわわわわわ」
ライダー「乗ってください、慎二!早く!!」ヒョイッ
イスカンダル「蹂躙せよぉ!!」
<ウォォォォォォォォォォォ
キャス狐「――なんちゃって☆」テヘペロ
白野「あ、最後のそれもやっぱり言うんだ」
キャス狐「だってぇ、重苦しい空気苦手なんですもん」
キャス狐「さて、私の宝具、漸く冬木全体に行き渡りましたよ、ご主人様!」
白野「ああ、ありがとう。さて――」
キャス狐「次はどうします?一気に本丸攻めちゃいますか?」
白野「いや、その前に増援を喚ぼうと思う」
キャス狐「増援?――ああ、成程!」ミコーン
キャス狐「ご主人様、容赦ないですね」ニヤリ
白野「やられた分は、やり返さないと」ニヤリ
白野「月の聖杯、ムーンセル・オートマトンの名に於いて命ずる。汝等其の身を我に捧げ、我と契約し、この場に集え!そして顕現せよ!」
キュイーン ヒュパッ! チュドーン!!!
???「へぇ、小僧にしちゃあ、面白いことやるじゃねぇか」
???「ふふっ、またお兄ちゃんと遊べるの?」
???「―■■■■■!!―」
???「へぇ、地上とは懐かしいねぇ。まっ、暴れられるなら何だっていいぜ!」
???「くはははははははは!!!!滾る滾る!!中々面白い場所に呼んでくれおったわ!」
???「この気配――いる。我が主が!!」
白野「えっと、俺とタマモは聖杯を破壊しに行きます!皆さんは適当にお願いします!!」
キャス狐「ご主人様って結構面倒臭がり屋ですよね――」
???「私ゃ、そのほうが好きだよ!さぁて、派手にぶちかましてやるかねぇ!」
???「今行きます、主よ!」
白野「行こう、タマモ。衛宮と桜の所へ!」
キャス狐「はい!」フワフワフワ
宝具
『真・水天日光天照八野鎮石(しん・すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)』
ランク:EX
種別:対界宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1000人
使用者:神霊・玉藻御前
自信を中心として周囲に無数の鳥居へと形を変えた天照大神の神体を展開。内部を一種の結界として形成する。
結界内にいる人間、又はサーヴァントの魂と生命力を活性化させる。しかしこれは使用者が認めた者に限る。
使用者の認めた人間、サーヴァントは宝具展開から3ターンの間、スキルに不死、魔力の無限供給を付与する。
更にサーヴァントの場合これに全能力値の1ランクアップが追加される。
ガウェイン アーサー ランス まさかの円卓が揃うのか…
乙
<ウォォォォォォォォォォォ
慎二「な、なな、何だよこれ、全部サーヴァントだなんて反則じゃないか!」
ライダー「黙っていてください慎二!舌を噛みますよ!」
イスカンダル「何だ、先の威勢は口だけか?只飛んでいるだけでは余は倒せんぞ!」
慎二「そ、そうだよライダー!あんな奴らお前の宝具でさっさとやっちゃえよ!」
ライダー「わかりました。では慎二、少しの間彼らの足止めを頼みます」
慎二「なっ、できるわけないだろそんなこと!僕は人間なんだぞ!」
ライダー「大丈夫です、ちょっと数千回死ぬだけですから」
慎二「それちょっとってレベルじゃないよね!?僕肉片も残らないよね!」
イスカンダル「ふっ、仲が良いのぉ」
慎二「はぁ?どう見たら仲が良く見えるんだよ!?お前ちょっと眼科行ってこいよ!」
ライダー「とにかく少しでも彼らの攻撃を凌げればいいのですが――」
慎二「何!?いきなり船が!」
ライダー「しまった、新手ですか!?」
???「砲撃用ォ意!藻屑と消えな!!」チュドンチュドンチュドン
イスカンダル「ぬ!ぬぉぉぉぉぉ!!!!」
???「へぇ、アタシの砲撃を耐えるなんて中々やるじゃないか」
慎二「ライダー、あいつ誰だよ!お前の知り合い?」
ライダー「いえ、ですがどうやら我々と敵対する気はないようです」
???「おい、そこの馬乗り!ちょっと甲鈑まで降りて来な!」クイクイ
ライダー「私たちのことを言ってるようですね。どうしますか慎二」
慎二「どうするもこうするも、降りるしかないだろ。これ以上敵作るなんてゴメンだね!」
ヒュルルルルル、スタッ
???「お!来たな。やーっぱり慎二じゃないか!どうだ、少しはいい男になったか、ん?」ウリウリ
慎二「うわ、何だよ酒臭!!や、やめろ頭撫でるなよ!!」
???「相変わらずだねぇ。んで、あんたが慎二のサーヴァントかい?」
ライダー「はい。この度はライダーのクラスで現界しています」
???「へぇ、アタシと同じクラスじゃないか。この世界でもライダーたぁ、慎二、アンタよっぽどライダーに縁があるみたいだね」
慎二「はぁ、お前何言ってるの?僕はお前みたいな酒臭い女に知り合いなんていないね!」
???「はっ!言ってくれるじゃない。何処行っても慎二は慎二だねぇ。その悪態、久しぶりすぎて涙が出てくるよ!」ウリウリ
慎二「うわっ!だから頭撫でるなって!やーめーろーよ!!」
慎二「ひぃ!!乗り込んできた!」
イスカンダル「お主、どうやって余の戦場に入ってきた?ここは固有結界。誰にも邪魔できぬ空間と自負していたんだがのぅ」
???「結界だぁ?いいかい、でか物!その耳の穴かっぽじって良ぉく聞きな!」デン
???「アタシの名前は星の開拓者テメロッソ・エル・ドラゴ!アタシに不可能な航海なんてないんだよ!!」デデン
慎二「エル・ドラゴってあの海賊のフランシス・ドレイク――あれって女だったのかよ!」
エル・ドラゴ「細かいことは気にすんなよ、慎二ィ。禿げるぞ?」
慎二「う、うう、うるさい!僕は禿げないよ!」
イスカンダル「はっ!がははははははは!面白い女だのぉ。同じライダー同士一杯やってみたくなったわい!」
エル・ドラゴ「何なら今からやるかい?酒なら持ってきてるからねぇ」
慎二「何であるんだよ!!」
イスカンダル「そうさのぅ、余がお主らを征服したらゆっくりとさせてもらうわぃ」
エル・ドラゴ「はん!アタシを征服するって?面白いじゃない、ちゃんと満足させられんだろうね?」
イスカンダル「ふははははは、安心せい!今まで余に抱かれて満足しなかった女などいないわ!」
エル・ドラゴ「へぇ、そいつぁ楽しみだ。慎二!派手にやるよ、報酬はたっぷり用意しときな!」チャキッ
慎二「はぁ!僕?巫山戯るなよ、この守銭奴!!ってうわわわ、僕を投げるなよ海賊女!」ヒョイッ
ライダー「」キャッチ
慎二「白野が――?あいつ一体何者なんだよ」
ライダー「わかりました、コチラとしても味方は多いほうが助かります」
エル・ドラゴ「さぁて、派手にぶちかますとするかねぇ!」
イスカンダル「ふぅむ、ここではちと不利か。ならば!神威の車輪!!」ブモー
イスカンダル「さて、征服の続きといざ征かん!!」フワッ
慎二「うわぁ!あいつまた牛に乗って飛びやがった!!」
ライダー「エル・ドラゴ、あなたには下に居るサーヴァント達をお願いします。私はイスカンダルを」ヒヒーン
エル・ドラゴ「へぇ、やられっぱなしは趣味じゃないってかい?」
ライダー「ええ、そんな所です。舐められたままというのも釈ですから」
エル・ドラゴ「はっ!そんな格好してる割には言うじゃない。気に入った!下の連中は私に任せな!」
ライダー「行きますよ、慎二」フワッ
慎二「こ、今度は大丈夫なんだろうな!?」
ライダー「任せて下さい。先のような遅れはとりません。彼女の言葉を借りるなら、一切合切破産させてやります」ヒュパッ
エル・ドラゴ「かかってきな、野郎ども!アタシの歓迎は手荒だよ!!」
<ウォォォォォォォォォォォ ドドドドドドドドドド
ドレイク姐マジ男前
*o ゚ |+ | ・゚ +・ o |o |*
o○+ | |i o ○。 。
・+ ・ l *゚ + | + |
゚ |i | + l゙ヽ 、 /゙i! | |
o。! |! ゚o ! 、ヽ )\._____ / , i , ィ | ゚ |
. l l 、ヾ,シ'´::::::::::::`ヾ /l i/::;;|・ ゚゚。・ ゚
*o゚ |! | /冫';:::::::::, , :::::\/\シ′ *|
. /三'::,::'::, イ:: ::/\::: ::::ヽ三\ ゚ ||
. f三〃:::/-‐|:;::/ ‐-ヾ::::弋!l三三ゝ |
* ゚ l| ,.ィ\{イ::! 三 j;ノ 三 l::::人::!;三/ヽ + | ・
|l + ゚/:::::::::∧::l/// 、_,、_, ///!::::ソ::::ハ/!::.丶\ |o゚
o○ フ:::::/!::/ /::;ハ. {: : : :} _ノ':;:':::/ . |::iゝ::: 丶
・| + ゚ヾ;:' l/ /;ノ r'⌒). ̄_,(´ j;:'!;':;ソ .ゞ ヾ::ノ
. ./ヾ三}.l l(_)/{彡'´}`ヽ ,. ハ
o+ |!*。 l:.:.:.:.:.ノ⌒`y´'|:.:.:.:.}__,'_ ノ∨ `ヽ.
|・ | ゚・ ヘ:.:.:/゙lニニニニヘ:.:..:.j:.:.:.:!ヾ:.:..,,:.:.:.ソ
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_|_ \ __|__ ヽヽ
_|_ _|_ | _|_ ヽ| |ヽ ム ヒ | |
/ | ヽ / |/ ヽ | | | ̄| ̄ 月 ヒ | |
\ノ ノ ヽ_| ノ し ノ / | ノ\ ノ L_い o o
キャス狐「ところでご主人様」フワフワ
白野「ん?」
キャス狐「他のサーヴァントはいいとして、キャスターはどうしてあの娘が現界したんですか?」
白野「うーん、やっぱり気になる?」
キャス狐「そりゃ、まぁ。だってあの娘の真名ってナーサリーライム。マスターの心を映し形作る擬似サーヴァント」
「召喚する人によって姿が変わる珍しいタイプの英霊じゃないですか」
白野「うん、そうだな」
キャス狐「それなのに今のあの娘の姿はタマモ達が月で見た姿と瓜二つ。これっておかしくないですか?」
「はっ!まさかご主人様はロリコry」
白野「断固として否定する!!」ドンッ
キャス狐「キャッ!ちょっとご主人様こんなところで――あっ、いやーん?」
白野「あ、ああ、すまない」
白野「うーん、なんて言えばいいんだろう。ナーサリーライムってマスターの夢によって姿を変える謂わばスライムみたいなサーヴァントだろ?」
キャス狐「喩えのセンスは放っておくとして、まぁそうですねぇ。前回のマスターは、物語の主人公になりたいって夢があったから同じ姿になったわけですしね」
白野「そうそう。ただ、俺はムーンセルが作り出した意志を持ったNPCに過ぎないわけだろ。
「この聖杯戦争を止めなきゃ。っていう使命はあるけど明確な夢なんて無いんだよ」
キャス狐「ミコーン!?ご主人様!タマモとの甘ーい新婚生活は夢じゃなかったと申すのですか!?」ヨヨヨヨヨ
白野「だから一体どんな姿のサーヴァントになるのか不安だった。そんな時、不意にあの娘達の姿が頭を過ぎったんだ」スルー
「それでさ、ついもっとあの娘達と遊んで上げれば良かったなって、その時思っちゃったんだよ」
「言い方を変えるなら。あの娘達の楽しそうに遊ぶ姿を夢見たんだ」
キャス狐「そしたら、ナーサリーライムは再びあの娘の姿になった――と?」
白野「うん、恐らくそうだと思う」
白野「」コクリ
キャス狐「ということは――まさか――」
白野「そう、ナーサリーライムは『ありす』と『アリス』。一対のサーヴァントとして顕現したんだ」
キャス狐「な、なんだってー!ってそれアリなんですか?二人組のサーヴァントって結構チートな気もするんですけど」
白野「まぁ、元々一つだったものが二つに分離しているんだから、個々のステータスは相応に低くなってるようだけどさ」
キャス狐「ふーん、そうですか。召喚されたのは『アリス』ではなく『ありすとアリス』。『アリス』であって『アリス』に在らず」
「召喚者によって姿を変えるナーサリーライムにそんな抜け道があったんですねぇ」
白野「と言っても、ナーサリーライムの特性を最大規模まで拡大解釈してるみたいなものだから、恐らく二度目は無いと思う」
キャス狐「でもでもぉ、そんな裏技までしちゃうご主人様流石です!」ギュゥ
白野「うわっ、やめて!そんなに強く抱きしめないでぇ!」
キャス狐「さぁ、柳洞寺はすぐそこです!急ぎますよ、ご主人さ―っやん!そんなところ触るなんてご主人様のらせんえろちかー☆」フヨフヨフヨ
ウネウネウネ ピシャー キシャー
???「ねぇ、アリス。この変な色のタコさんたち食べられるのかな?」
アリス「わからないわ、ありす。でも食べたらお腹痛くしそうな色をしてるの」
ありす「お腹痛くなるのはイヤ!」
アリス「じゃあ、お友達を呼んで助けてもらいましょう」パン
ありす「そうね、アリス。お友達を呼びましょう」パン
ズズズズズズズズ
お友達「――」キョロキョロ
アリス「さぁ。楽しいお茶会の始まりよ」
ありす「言うこと聞かない悪い子は首をちょんぎっちゃうって女王様がいってたの」
アリス「でも心配しないで、ママに貰った針と糸で元通りにしてあげるから!」
お友達「―■■■■―」フォン、グシャッ!
ピギャー!ブチブチブチィ! キュー ウロブチィ!
アリス「そうね、あのお寺なんて楽しそうじゃないかしら」クスクス
ありす「じゃあ決まり!みんなでお寺に行きましょう。きっと賑やかで楽しいお茶会が開けるわ」
アリス「ええ。あのおやまでウサギを追いかけたり、悪い子をブタにしたりするの」クスクス
ありす「じゃあ、あのおやままで鬼ごっこ。捕まった鬼さん達はみーんな首をちょんぎってしまいましょう!」タッタッタ
お友達「―■■■■―」コクコク
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
遠坂「あー、もううざい!ちっとも減らないじゃない!ちょっと、アーチャー!アナタサボってるんじゃないでしょうね!?」
アーチャー「ふぅ、生き返ってそうそう八つ当たりとは。元気の良いマスターで私も嬉しいよ」シュバババババ
イリヤ「でも全然減ってないじゃない!アーチャー、もっとしっかりしなさいよね!」
アーチャー「ふっ、四面楚歌とはまさにこのことか。やれやれ、これでも真面目にやっているつもりなのだがね」
「しかしこの状況は些かまずいか。本体を攻撃しようにも、海魔が邪魔をする。いかに無限の魔力を戴こうとも数で圧倒されると――な」
???「へぇ、この世界のアーチャーってのは所詮この程度かよ」
アーチャー「!?誰だ!」
チュドーン!
遠坂「嘘――周辺に居た海魔の殆どが爆散した」
???「まっ、この俺のトラップ技術を使えばざっとこんなもんよ。騎士道も楽しかったけど、こっちの方が性に合ってら」シュタッ
遠坂「ちょ、ちょっとアーチャー、橋の上に緑色の人がいるわよ!?」
アーチャー「成程、これは破壊工作か。そして腕に携えた弓。となれば貴様もアーチャークラスのようだな」
緑茶「はっ、ご明答。ナルシストそうな面構えの割には意外と鋭いねぇ」
遠坂「は?――はぁ!?なんで、アーチャーがもう一人いるのよ、おかしいじゃない!」
アーチャー「落ち着け凛。先程全身金色のアーチャーを見たばかりではないか。それに大方これも岸波白野の仕業だろう」
緑茶「その通り。あの小坊主に言われて仕方なくアンタ等の手助けに来てやったってわけ。感謝して欲しいわけよ」
アーチャー「ふっ、性格は気に入らんが、戦力が増えるのは助かる。精々襤褸雑巾になるまで使ってやろう」
緑茶「はっ!礼儀を知らねぇ、赤色だ。これが終わったらまっ先にアンタを狩ってやるよ!」チャキッ
アーチャー「随分と余裕だな?だが、それもいつまで持つか。実に見ものだ」ヒュパッ
遠坂「ちょ、ちょっと!アナタ味方なんでしょ!?喧嘩は止めなさいよね!」
ジル「その通ォりですよ。ですが其の御陰で私は新たな贄を用意できるのですから、感謝しなくてはなりませんね」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
遠坂「イリヤ!」
アーチャー「しまった!イリヤが海魔に飲み込まれた!くっ、私としたことが――緑色!」
緑茶「ちぃ!無理だ、この位置からじゃ矢が届かねぇ!アンタはどうなんだよ!?」
アーチャー「やっている!だが海魔の壁が厚すぎる」ヒュパパパパパパ
ジル「ふは、ははははは!さぁ、ジャンヌよぉ、お受取りください!これがアナタへ捧げる絶望でございます!」
ウネウネウネウネウネウネウネウネ
イリヤ「いやだ――助けて――凛、切嗣、アーチャー、士郎――」
アーチャー「イリヤ!」
イリヤ「助けて、バーサーカー!!!」
ジル「!?」
遠坂「嘘、イリヤを飲み込んでいた海魔の群れが爆発した!?」
緑茶「げ、あいつもここに来たのか。まぁ、あいつのおかげで助かったけどよぉ」
アーチャー「あの矛を携えた偉丈夫、奴も貴様の知り合いか、アーチャー」
緑茶「まぁ、ね」
???「―■■■■―」ダキッ
イリヤ「ふえっ、アナタ私を助けてくれるの?」
???「―■■■■―」コクリ
イリヤ「ありがとう!」ダキッ
???「―■■■■―」ニヤリ
イリヤ「へー、そう。アナタもバーサーカーのクラスなのね!?」
呂布「―■■■■―」コクリ
ジル「ぐぬぬぬ、己!己!この匹夫めがぁ!!!塵すら残さず消えると思えェェェェ!!」
イリヤ「へーん、そんなの無理よ。だって私にはバーサーカーがいるんだもん。やっちゃえバーサーカー!」
呂布「―■■■■■■■■―」
アーチャー「ふっ、三対一。形成逆転、反撃と行かせてもらおうか」ヒューン、シュパッ
遠坂「ちょっと、私を忘れないでちょうだい!」
緑茶「さぁて、久々に顔のない王の戦い方、シャーウッドの殺戮技巧、存分に堪能してもらいますか!」チャキッ
ウロフ"チィワロタ
海魔「りょ、りょ、りょ、呂布だああああ!!」
ハサン(ふふっ、いくら魔力があろうとも、数で勝る我々にこそ勝機あり。さぁ、まずはマスターからだ)
(死角繰り出すこの一撃、躱せるものか!!)
ハサン「もらった!!」ヒュパッ
メディア「っ!宗一郎様!?」
ガキン!
ハサン「ぬっ!?」
???「呵呵呵呵!面白そうなことをしておるな!どれ、この老人も一つ交ぜてはくれるか?」スタッ
ハサン「貴様――何者だ?」スタッ
???「儂か?この度アサシンのクラスで再び現界した、李書文。怨みはないが、貴様らにはここで死んでもらおうぞ!」
ハサン「何――?」
葛木「李書文――あの拳法家をこの眼で見る日が来ようとはな――これが聖杯戦争と言う物か」
李書文「呵々!いやいや、儂など単なる殺し屋に過ぎぬよ。貴様こそ、中々の腕前と見受けるが?」
葛木「ふっ、私など道から逃げ出した半端者。それに今はただの教師ですよ」
李書文「成程。それもまた一つの道よ。そう卑下することもあるまいて。して奴は何者だ?見たところサーヴァントのようだが」
葛木「彼らの名はハサン・サッバーハ。アサシンの語源ともなった暗殺者の集団のようです」
「だがこの空気、いるのは一人ではなさそうだが――さてどれほどの数が忍んでいることやら」
アサ次郎「ふっ、私を忘れてもらっては困るな」スッ
李書文「ぬ?」
アサ次郎「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎」ドヤ
李書文「何と、この地には侍までいるのか!くははは、矢張聖杯戦争とは面白い!」
メディア「ちょっと、そこのアナタ!いきなり現れてどういうつもりよ!」
李書文「む?小僧から何も聞いていないのか?」
メディア「小僧――って誰よ?」
アサ次郎「貴様が呼んだ少年のことではないのか?」
メディア「岸波白野?」
李書文「おうよ。儂はその小僧に呼ばれ、再び娑婆に戻ってきただけよ!」
メディア「あの子――本当に何者なのよ――」
李書文「何、小僧もこの下に蠢く鬼魅の悪い気に用があるようだからな、すぐに姿を見せようて」
ハサン「――」ヒュパッ
ガキンッ
ハサン(くっ、短刀を弾かれたか!)
ハサン「ふっ、気でも触れたか?」
李書文「いや、何。月で殺し合ったと思えば次は極東の地で殺し合いとは――死して尚殺し合う運命―実に面白いと思わんか!」
「数で劣るこの窮地、この劣勢、これこそ俺が求めし武の本質よ!」
ハサン「くっ」ジリジリ
李書文「さて行くぞ、古より来たり殺し屋よ!我が圏境、見事打ち破ってみるが良い!!」スーッ
メディア「嘘!姿が消えた――ちょっと待って、駄目、違う、え?え?冗談でしょ、私の索敵にすらヒットしないなんてどんな魔法よ!?」
葛木「無駄だ、メディア」
メディア「宗一郎様?」
葛木「圏境―昔聞いたことがある。気を纏い、周囲の状況を感知し、天地と合一する事で自らの存在を消失させる技法」
「武を極めた者にのみ使うことが許される、究極の体術―だと」
メディア「そんな――武芸を魔法の域まで高めるなんて――」
アサ次郎「ほぅ、私の燕返しと似たようなものか」
李書文「何を呆けている!お主たちも少しは加勢せぬか!」
メディア「煩いわね!今からやろうと思ったのよ」チャキッ
葛木「依然数では劣るままか。だが――!!」スッ
アサ次郎「これ以上貴様たちの好きにはさせん」チャキッ
李書文「さぁ、力比べだ!!暗殺の極致を魅せてもらおう!!」スッ
ハサン80「ふん、姿を消すなど、所詮目暗まし。そんなもの取るに足らん存在よ!」シュタッ
ガキンッ
士郎「ぐあぁっ!!」ドサッ
セイバー「士郎!?」
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」ガキンッ!
セイバー「くぅ!止めてください、ランスロット!!」
ランスロット「……Ar……thur……」グググッ
セイバー「っ!うぅ――」
士郎「セイバー!!」ダッ
ディル「他を見る余裕があるか!?」シュタッ、ザシュッ!
士郎「ぐぁっ!!」ズザァッ!
ディル「人間、しかも半端な魔術師でありながらここまで戦えるとは思わなんだ。それは賞賛に値する」
「だがしかし、貴様がセイバーのマスターである以上、生かして返すわけにはいかない!!」
士郎「う――うぅ、何でだよ――セイバーがお前に何をしたんだよ!!」
ディル「奴は、俺の誇りを―たったひとつ懐いた祈りさえ踏み躙った!最早赦しておくわけにはいかん!」
士郎「そうか――お前とセイバーの間に何があったのかなんて知らない。だけど―桜を救うためにはセイバーの力が必要なんだ!」
「お前がセイバーを恨むなら、俺がその恨みを引き受けてやる!!うぉぉぉぉ!!」ダッ
ディル「遅い!!」ドスッ!
士郎「かっ――はっ――」ドサッ
セイバー「士郎!!」
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」ガキンッ!
セイバー「っ!しまった、剣が――」
ディル「終わりだ――セイバーのマスターよ」チャキッ
ランスロット「……Ar……thur……」チャキッ
士郎(くそっ、ここまでかよ――何もできないで、桜を救うことも出来ずに――こんな、こんな――)
???「王よ、下がって下さい!!」シュタッ、ガキン
ディル・ランスロット「「!!??」」
士郎「お前は――ランサー!?」
ランサー「よう、小僧。また会ったな」
士郎「てめぇ――何しにきやがった!?」
ランサー「何しにって、お前を助けに来たんじゃねぇか。そうツンツンすんなよ」
士郎「ふざけるな!!お前が桜を拐ったりしなければこんなことにはならなかったんだぞ!!」
ランサー「あー、ちょい待ち。何か勘違いしてるみたいだから言うがな、そりゃこの街にいた俺がしたことだ」
「今この場にいる俺は、岸波って小僧に今さっき召喚された、謂わば別個体なんだよ。わかるか?」
士郎「わからねぇよ――」
ランサー「だよなぁ。だってややこしいんだよ、これ。まっ、簡単に言うと――お前の味方ってことだよ!!」シュタッガキン!
ディル「くぅ!!」ズザァッ
ランサー「へぇ、二槍使いとは珍しいじゃねぇか。お前――名前は?」ググググ
ディル「――フィオナ騎士団所属、ディルムッド・オディナ」
「騎士団長フィン・マックールを主君とするが、今は故あってこの地に現界している」
ランサー「はっ!マックールの小僧んところに、こんな面白ぇ奴がいたとはな」
ディル「主を存じているのか!?」
ランサー「まぁな。教えてやる、その胸に刻みな。クランの猛犬、クー・フーリンとは俺のことよぉ!!」ガキン
ディル「くっ、なんと――貴方が光の御子でしたか。貴方と手合わせできるなど光栄の極み――と言いたいところですが」
ランサー「わかってる。そこの嬢ちゃんを殺したいんだろ?」
ディル「はい。そこを退いていただけないでしょうか?」
ランサー「そいつぁ、無理な相談だ。どうしても行きたきゃ、俺を倒してからにしな!!」ガキン
ディル「ぐぅっ!――わかりました、俺の邪魔をすると言うなら、今ここで倒させてもらいます!!」ガキン
ランサー「は、上等!偶には後輩に槍術の指南でもしてやらぁ!どっからでもかかってきやがれ!!」
ディル「では、行きます。いざ!」
ランサー「尋常に!」
ディル・ランサー「「勝負っ!!」」ドガガガガガガガガ
セイバー「アナタは――ガウェイン!?どうしてこの場に?」
ガウェイン「私は岸波白野に呼ばれ、この地に馳せ参じました」
セイバー「彼が―そんなことを―」
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ!」ガキン
セイバー「止めてください、ガウェイン!今貴方と剣を交えているのはランスロットなのです!」
ガウェイン「なっ!?そんな――否確かに姿は違えど剣捌きに当時の面影を感じます――」ググググ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」
ガウェイン「ランスロット―死して英霊の座に付いて尚、王に刃を向けますか!」ガキン
ランスロット「……Ga……wain……」ググググ
ガウェイン「いいでしょう。貴方が再び王に刃を向けるというのであれば、私は貴方を討ちます!」ガキン
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」ダッ
ガウェイン「ランスロットォォォォ」ダッ
ディルと士郎って最悪の組み合わせだよな。投影した武器とか片っ端から消されるよな。
逆に士郎がマスターになったならディルの夢を見て、ランサークラスになって失われた双剣の宝具を再現出来るのにね
ってか逸話通りだとガウェイン負けフラグ・・・
キャス狐「シュタッと!さぁ、到着しましたよご主人様!」シュタッ
白野「結構時間かかったね」シュタッ
キャス狐「そこはほら――ご主人様と夜空のお散歩がしたかったとかー、もうこんな聖杯戦争しったことかーとか、色々事情があるんです」フンス
白野「ふーん、そう――」
キャス狐「あれ―――ご主人様?」ソワソワ
白野「ん?」
キャス狐「さぁ!ご主人様のその太くて逞しいツッコミを早くタマモにしてください!」フリフリ
白野「人様が聞いたら勘違いするようなことを言うんじゃありません、この駄狐がー!」ウガー
キャス狐「イヤン!ご主人様ったらこんなところで大胆☆」
白野「はぁ、聖杯は目の前なんだ。行くぞ、タマモ」スタスタ
キャス狐「ああん!待って下さいよ、ご主人様ー」タッタッタ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ!」ガキン
ランサー「オラオラオラ!!そんなもんか、後輩さんよぉ!」ヒュンヒュンヒュン
ディル「くぅ!まだ―まだ負ける訳にはぁ!!」ガキンガキンガキン
ランサー「はっ!いいぜぇ、闘いはそうでなくっちゃ面白くねぇ!気合入れてかかってきやがれ!!」
士郎「くそっ!結局俺はランサーに助けられた――俺は――俺は何もできないままなのかよ!!」ガンッガンッ
白野「衛宮!!」タッタッタ
士郎「!?岸波!無事だったのか?」
白野「ああ、衛宮も無事で良かった」
士郎「ああ、だけど――俺はセイバーがピンチだって言うのに何もしてやれなかった――」
キャス狐「何言ってるんですか、色男。アナタにはまだやってもらうことがあるんですよ。こんなところで落ち込まないでください」
士郎「え、やることがあるって――いや、それよりも、お前は――」
キャス狐「私?嫌ですねぇ。もう忘れちゃったんですか?ご主人様のぉ、お嫁さんです☆」キラッ
士郎「キャスター!?え、だけど、そのステータス――岸波、お前これどうなってるんだよ――」
白野「詳しい事はあとで話す。今は桜を何とかするのが先決だ」
士郎「っ!そうだ、桜を早く助けないと!!」
「聖杯の力があったとはいえ相手は複数のサーヴァントを召喚するだけの力を持っているんですよ」
士郎「だけど、このまま放っておくわけにもいかないだろ!」
白野「ああ、だから俺たちも一緒に行く!」
士郎「え?」
キャス狐「だからー、役割分担ですよ。アナタがあのヤンデレ姫を相手している間に私とご主人様はその後ろにある聖杯を壊します」
「恐らく聖杯が壊れれば桜も少しはあの性格が治るでしょうから、その隙にアナタが元に戻してあげてください」
士郎「元に戻すって――具体的に何をすればいいんだよ?」
キャス狐「そこまでは面倒みきれません。手っ取り早く愛の告白でもすればいいんじゃないですか?」
士郎「おまっ!――何言ってんだよ!?」
白野「でも、桜を助けるにはこれくらいしか方法がないのも事実だ。もし失敗すれば、俺たちは桜を殺さなければならない――」
士郎「なっ!?殺すって――どういうことだよ!?」ガシッ
白野「ごめん――聖杯が暴走を始める前に破壊する。それが俺とキャスター、タマモに与えられた使命なんだ」
キャス狐「という訳です。分かったら、その手をさっさとご主人様から放してください」ゴゴゴゴゴ
士郎「っ!わかったよ、やってやる!桜を殺させたりするものか!」
白野「俺だってタマモだって本当は桜を殺したくない。だから――頼む、あいつを助けてくれ」
士郎「わかってる!行こう、岸波!」
白野「ああ!タマモ!」バッ
白野「ん?ああ、そうみたいだな」
キャス狐「まぁ、彼朝方の人間ですからね。自慢のチートも夜じゃ力は出ませんか。どうします、ご主人様、手助けとかしましょうか?」
白野「うーん、そうだ――「その必要はありません!!」
ガウェイン「私は王を守る剣。王を守れずに死ぬなど――そのような失態、2度と繰り返すつもりもありません!」ガキン
キャス狐「ですってよ、ご主人様。相変わらず頭の固い騎士様ですねー」
白野「でも、彼がそう言っているなら、大丈夫だよ。俺たちも急ごう!」タッタッタ
士郎「ああ!」タッタッタ
ガキン
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ!」ガガガガガガガ
セイバー「ガウェイン!ランスロット!止めてください、貴方達が戦う必要なんてないのです!」
「私が――私の王としての実力が伴っていなかったばかりに――」
セイバー「!」ビクッ
ガウェイン「私は――この世界とは別の世界で、王とは違う方の剣となっていました」
「その方は完璧であったが故に不完全な王であった。しかし彼は敗北を知り己の弱さを知り、成長し真の王たる器を身に付けた」
「アナタとてそうなのです!最初から完璧な王など居ない。故に成長できる、故に人を惹きつける」
「アナタを盲目的に崇拝していたが為に王の苦悩に気づくことができなかった私が別の世界で、漸くそのことに気が付けたのです」
「今となってはもう遅いかもしれません。ですが、思い出してください!王を慕った臣下がいたことを!」
「王を崇めた民がいた事を!アナタを愛した人が――いた事を」
セイバー「ガウェイン――」
ガウェイン「確かにブリテンは滅んでしまいました。しかし、それは王の不徳の致すところではありません!」
「アナタは国を救おうと悩んでおられた!臣下を導こうと苦しんでおられた!その姿は他のどんな王よりも何兆倍も何京倍も美しかった!」
「故にアナタは――正真正銘真の王でした――」
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッガガガガガガガガ
ガウェイン「くっ!先程よりも攻撃が――」ガガガガガガ
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」ガキン
ガウェイン「しまっ――かはっ――」ドスッ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」ヒュン
セイバー「はぁぁぁぁぁ!!!!」ガキン
ランスロット「!?」
ガウェイン「王――」ガクッ
セイバー「私は何と愚かな王なのでしょう。未来に来てまで臣下達に叱咤激励されるとは――」
「ガウェイン、ありがとうございます、私も漸くわかりました」
「過去を変えるなど、それは私を慕ってくれた者達に対する冒涜だと言うことが」
ガウェイン「」グスッ
セイバー「さぁ、行きましょう、ガウェイン。この馬鹿げた茶番を終わらせるのです」チャキッ
ガウェイン「っ!はい!!」チャキッ
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」
セイバー「ランスロット――申し訳ありません。今、その呪縛からアナタを開放します!!」シュタッ
この円卓が書かれるのを今か今かとずっと待ちこがれてた!
両方とも戦闘不能になるんじゃねえか?
桜「あれ、もう来ちゃったんですか、先輩?てっきり他の人に殺されてるかと思ったのに」
士郎「桜――ごめん。俺が、俺が弱かったから、お前を守ってやれなかったから――」
桜「どうしたんですか、先輩?私怒っていませんよ。だって私と先輩はもうすぐ一つになるんですから」ウニョウニョウニョウニョ
士郎「っ桜!!」
キャス狐「はい、ストーップ。下らない三文芝居もそこまでですよ、桜さん?」
桜「あなた――どうしてここにいるんですか?ここは私と先輩しかいちゃいけないんです!」
士郎「桜、お前何言って――」
桜「家族に見捨てられ、お爺様に嬲られ、兄さんに虐められた不幸で汚らわしい私が、綺麗な綺麗な先輩と一つになって救われるんです!」
「だから、邪魔しないでくだいよ、キャスターさん。じゃないと――アナタから先に殺しちゃいますよ?」ウフフフフフ
キャス狐「はぁ、自称薄幸美少女ってのはこれだから手に負えないんですよ。
「自分で抗うこともせず、与えられた環境の中で早々に諦めていたアナタが何言ってるんです?甘えた事言うじゃねーですよ!」
桜「っ!私のこと何も知らないくせに勝手なこと言わないでよ!」ウネウネウネヒュパッ
キャス狐「え、嘘!?」カゲニトリコマレー
白野「タマモ!?」
桜「クスクス、あっけないですね。これでアナタももう終わり。私の中で永遠に陵辱してあげますよ」クスクスクス
キャス狐「嘘、何で、嫌―ご主人様!!」ジタジタ
桜「アハハハ、クスクス」
桜「――あれ?」
キャス狐「はぁ、一応教えて差し上げますけどね。私今神様なんですよ。呪い?全ての悪?」
「そんなもんこちとら生まれた時から背負ってるっつーんですよ!太陽神嘗めんなって感じです」プンプン
白野「ああ、もう、この駄狐!!」ポカッ
キャス狐「きゃっ!―ご主人様?」
白野「大丈夫なら最初から言ってくれ。心配するじゃないか」
キャス狐「ごめんなさい、ちょっとサプライズ的なのをやってみたくて――でも、心配してくれるご主人様も素敵です」ポッ
白野「タマモ――」
イチャイチャイチャ
桜・士郎「「――」」ポカーン
キャス狐「と、言うわけで、アナタみたいなヤンデレ気取り系ヒロインは少し現実を見たほうがいいですよ?」
桜「うるさい!私が何されたか知っているんですか!?見たんですか!?どんな辛い目にあったか知らないでしょ!?」
「だれも――誰も助けてくれなかった!!その苦しみがアナタにわかるって言うんですか!?」
キャス狐「知りませんよ、そんなの。私アナタじゃありませんし」シラー
桜「だったら――だったら邪魔しないでください!!」
士郎「もうやめてくれ桜!!」
桜「――先輩?」
士郎「ごめん――辛かったんだな――こんな、こんなに――心が壊れそうになるまで我慢してきたんだよな」
桜「そうですよ。辛かったんです!――さすが先輩です。私のこと分かってくれるんですね」
士郎「いや、違う。俺は今までお前の苦しみに気づいてやれなかった。そして今も分かっている気でいるだけなんだ。だから――」
桜「だから、何なんですか?別に気にしないでいいってさっきから言ってるじゃないですか」
「所詮人なんて自分の身が一番なんですから、私のことなんて気にしなくていいんですよ、先ぱ――」
士郎「だから俺にもその苦しみを分けてくれ!!」
桜「――――え?先輩、今なんて」
士郎「お前の苦しみも、痛みも、全部俺が背負う。そうすれば、少しは桜のことがわかるんじゃないかって思うんだ」
桜「――先輩、でもそれじゃ先輩が」
士郎「気にするなよ、こういうのは昔から慣れてるから」ニコッ
桜「っ!先輩――先輩――!!」ヒック、エグッ
士郎「一緒に生きよう、桜。こんな馬鹿げたことは終わりにするんだ」
桜「はい――はいっ!」パキーン
白野「影が――消えた?」キョロキョロ
キャス狐「うわ!あわわわ、ご主人様!駄目!あっち見ちゃダメですよ!!」ギュー
白野「え、何?あ、痛い!タマモ、そんな強く抱きしめるなって、顔が、顔が潰れちゃうから!!」ジタジタ
士郎「っ桜!!」ダッ
桜「あ、えっと、えへへ」カーッ
士郎「えっと、あの――さ、取り敢えずこれ着ろよ。風邪ひいちゃうといけないからさ」ウワギファサッ
桜「あ///ありがとうございます、先輩」
士郎「桜も正気に戻ったし、これで取り敢えずは一段落か。セイバーや遠坂達は大丈夫かな?」
イスカンダル「ふははははは!面白い!力を上げたな、先程までとは別人のようではないか!」ブモー
ライダー「言ったはずです、やられっぱなしは趣味ではないと」ヒヒーン
慎二「うわわわわ、落ちる!落ちるってライダー!!」ギュッ
ライダー「チッ」
エル・ドラゴ「はぁ、はぁ、中々やるじゃない、アンタ達!アタシの艦隊相手にここまでやるなんて、思ってもみなかったよ!」
マケドニアの重装騎兵戦士団の皆様「うおぉぉおおおお!!!」
エル・ドラゴ「だけどねぇ――楽しい時間にも終は来るってね。そろそろ決めさせてもらうよ!!慎二ぃ!!」
慎二「な、なな、何だよ酔っ払い女!僕は今ライダーにつかまることに必死なんだよ!」
エル・ドラゴ「いやね、そろそろ終わりにしようかと思ってさ」ニヤリ
慎二「なら、さっさと終わらせろよ!」
エル・ドラゴ「オーケー。ならアタシの宝具を使うよ。慎二!合図はアンタに任せた。好きなときに命令しなぁ!」ゴゴゴゴゴ
慎二「な、何で僕なんだよ!?マスターは白野じゃないのかよぉ!?」ヒヒーン
エル・ドラゴ「細かいことは気にすんなよ、チェリー!いいから、さっさとおし!」
ライダー「慎二、私もアナタの合図に合わせます。どうか宝具開放の許可を」ヒヒーン
イスカンダル「ほぅ、決着を付けに来るか。いいだろう!者共!お前たちの持てる全ての力をもって受けてやれ!!」
マケドニアの重装騎兵戦士団の皆様「うおぉぉおおおお!!!」
慎二「ああ、もうわかったよ!ライダー、エル・ドラゴ、お前らの力見せつけてやれ!!」
ライダー「了解しました」キュイーン
エル・ドラゴ「あいよぉ!野郎共、時間だよ!久しぶりだからって手ぇ抜くんじゃないよ!嵐の王、亡霊の群れ、ワイルドハントの始まりだ!」
「アタシの名前を覚えて逝きな! テメロッソ・エル・ドラゴ! 太陽を落とした女ってな!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
イスカンダル「彼方にこそ栄えあり(ト・フィロティモ)――いざ征かん! 遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)!!」ブモー
ライダー「はぁぁぁぁ、騎英の手綱(ベルレフォーン)!!!!」キュイーーーン
ヒュパッ、チュドーン!!!!!!!!!!!
エル・ドラゴ「固有結界も消えたようだし、勝ったと見ていいんじゃないかい?」
ライダー「あの男、最後に一瞬でしたが身体が硬直したようでした。何かあったのかもしれません」
エル・ドラゴ「まっ、何にせよ、勝ちは勝ちだ、喜ばなきゃ損だ!」バンバン
慎二「いたっ、痛い!ちょっ、やめろよ!背中叩くなって!」
ライダー「エル・ドラゴと仰ましたね?この度はアナタのおかげで勝つことが出来ました。有難うございます」ペコリ
エル・ドラゴ「気にするなって!あの坊やから財宝たんまりもらうからね、謂わば仕事だよ仕事」
慎二「ま、まぁ僕からも礼ぐらい言ってやるよ。その、ありがと」ボソッ
エル・ドラゴ「ぷっ、あっはははははははは!!!!!」ゲラゲラ
慎二「な、何だよ!何笑ってるんだよ!僕がお礼を言って何がおかしいんだよ!あ、おい、ライダーも笑うなよ!」
ライダー「ぷっ、いえ、クスクス、すいません」ケラケラ
エル・ドラゴ「ひー、おかし!アンタがお礼言うんなんて、明日は槍でも降るんじゃないだろうね?」
慎二「う、うう、うるさい!もういい、衛宮を助けに行くぞ、ライダー、エル・ドラゴ!」
ライダー「かしこまりました」ペガサスショウカン
エル・ドラゴ「ヨーソロー。ってか!」フネショウカン
ウネウネウネウネウネウネ
緑茶「おいおい、さっきから全然数が減ってねぇじゃねぇか。真面目にやってくれよ、狩りの仕方も忘れちまったか赤いの」シュパッヒュパッ
アーチャー「ふっ、口を動かす前にまず手を動かせ。まぁ、口を動かしただけで矢が射れるというなら話は別だがな」シュパパパパ
緑茶「へっ、言うじゃねぇか、ナルシスト。つーか、俺は元々物量戦向きじゃないんでね。こーいうふーに、よっと!」チュドーン
緑茶「罠を仕掛けて一網打尽にするほうがしょうに合ってるわけ」シュタッ
アーチャー「ほぅ、一網打尽と言う割にはまた海魔の数が増えているようだが?」ヒュパパパパパ
ウネウネウネウネウネウネ
緑茶「げっ!ほんっとーに弱いくせに数は多いんだからめんどくせーなー」チャキッ
イリヤ「ちょっと!二人とも真面目にやってよ!バーサーカーはちゃんとやってるんだから!」
呂布「―■■■■■■■■―」モットホメテ
緑茶「へいへい。あーあ、綺麗なネーチャンが応援でもしてくれれば少しは真面目にやれるかもしんねーんだけどな」ヒュパパパパ
遠坂「ちょっと、それどういうことよ!イリヤはともかく私の色香じゃ物足りないって言うの!?」シュパッ
緑茶「―――」ヘッ
遠坂「きーっ!!あいつ鼻で笑った!アーチャー!ついでにあいつもやっちゃって!」
アーチャー「落ち着け、凛。今は目の前の敵に集中するんだ」
遠坂「っ!わかってるわよ、うっさいわねぇ!」
アーチャー「ふっ、やれやれ。それだけの元気があればまだいけるな」
緑茶「おいおい、イチャつくのはいいけどよ、いい加減まずいんじゃねーの?」
遠坂「はぁ!?イチャついてなんか――むぐっ」
アーチャー「凛、少し大人しくしていろ。確かに、貴様の言うとおりだ。それで、何か策はあるのか?」
アーチャー「憶測の域は出ないが、恐らくそうであろう。セイバーが言うには奴の持っている宝具っが原因らしいからな」ムームー
緑茶「はっ、なら話は早ぇ。オレとあそこのバーサーカーが奴を引きずり出す。そしたらアンタがキャスターを殺す。シンプルでいいじゃねぇか」
アーチャー「しかしそう簡単な事ではないぞ。下手な攻撃をしたところですぐに再生されてしまう。できるのか?」
緑茶「おいおい、オレを誰だと思ってんだ?それよりアンタこそ大丈夫なのかよ?肝心な所で失敗しましたじゃぁ、笑い話にもならねぇ」
アーチャー「ふっ、さぁな。だが期待に応えるぐらいの働きはしてみせるさ」
緑茶「ほい、来た。ならオレも少しはやる気出しますか!お嬢ちゃんも聞こえてたろ。準備はいいな?」チャキッ
イリヤ「お嬢ちゃんじゃなーい!まったく、レディの扱いがなってないんだから!行くわよ、バーサーカー、あのタコに大きな穴を開けてあげなさい!」
呂布「―■■■■―」コクリ
緑茶「さぁて、まずはオレからだ。生き物ってのはなぁ、どんなにでかかろうが、案外これだけで死ぬもんだぜ?」ヒュパッ
海魔「キシャー!!!」ググググ
緑茶「動きが鈍った!へぇ、意外と効くもんだな。さすがオレの毒」
イリヤ「バーサーカー、今よ!」
呂布「―■■■■―」コクリ
呂布「―■■■■―」ゴッドフォース
緑茶「我が墓地はこの矢の先に……森の恵みよ……圧政者への毒となれ」
ヒュオオオオオ チュドーン!!!!!!!!!!
遠坂「!?見えた!キャスターよ!」
ジル「!?きぃぃぃぃ!!!思い上がるなよ!!この程度の破損、すぐに再生して――」
アーチャー「その必要はない」シュタッ
ジル「!?」
ジル「己、貴様何を!?」ウネウネウネ
アーチャー「主よ、この身を委ねます―――」ヒュパッゴウッ
ジル「!?こ、これはまさか――」
遠坂「アーチャーッ!?嘘、アイツの身体が燃えてる?」
アーチャー「本物には到底及ばぬが――行くぞ!」ゴゴゴゴゴゴ
ジル「あ、ああ、ああああああああああ」
アーチャー「紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)」キュイーンヒュパッ
チュドーン!!!!!!!!!!!!
ジル「おお、ジャンヌ、ジャンヌゥ!!ここにおられましたか、再び炎に身を焼かれるなど、嗚呼なんとお痛ましい――」
「ジャンヌ、私です!ジル・ド・レェにございます!ジャンヌ!ジャンヌゥ!!」
???「はい、ここにいますよ」
ジル「!?この声は――」
???「申し訳ありません、ご心配をおかけしました。私ならもう大丈夫ですよ」
ジル「ああ、そのお言葉が聞けただけでも、私は大変嬉しゅうございます」
???「では行きましょう。これ以上こちらのルールを乱すわけにはいきません」
ジル「はい、はい。何処まで――も、アナタのお――側で――御遣い―し――ます――」サラサラサラ
緑茶「ふぅ何とか倒したか。にしてもあの赤いのやるねぇ」
イリヤ「アーチャーすごーい!あの炎とても綺麗だったわ!ね、バーサーカー」
呂布「―■■■■―」コクリ
遠坂「アーチャー!?ちょっと、いい加減出てきなさいよ!アーチャー!!」キョロキョロ
イリヤ「凛、どうしたの?」
遠坂「さっきからアーチャーの姿が見えないの」
イリヤ「それって、まさかキャスターと一緒に消えちゃったってこと?」
遠坂「――そ―んな――」
遠坂「嘘、誰が勝手に消えていいって言ったのよ!どっかに隠れているんでしょ?いい加減出てきなさいよ!」
イリヤ「凛――」
遠坂「お礼だって言ってないじゃない――バカ――」ペタン
???「やれやれ、あのキャスターを倒したのだ、少しは労ってほしいものだな、マスター」
遠坂「!?アーチャー?消えたんじゃ無かったの!?」ガシッ
アーチャー「岸波白野のサーヴァントが展開した宝具の効果がまだ残っていたのだよ。それも計算のうちだ」
遠坂「な、何よ!わかってたなら一言くらい言いなさいよね!心配したじゃない!」
アーチャー「ふっ、安心しろ。生活態度のだらしない君を置いたまま、消えるつもりなど毛頭ないよ」
遠坂「っ!ちょっと何言ってるのよ!?令呪使ってその口封じてやろうかしら?」
アーチャー「やめてくれ。喋れないというのはあれでどうしてストレスが溜まるのだぞ?」
遠坂「なら黙って私に付いてきなさい!」プイッ
アーチャー「了解だマスター。それで、何処に行くつもりだ?」
遠坂「桜のところよ。あの子を早く助けなきゃ。イリヤ、行くわよ!」
イリヤ「もー、しょうがないなー。バーサーカー!私をあそこまで連れていって!」
呂布「―■■■■―」コクリダキッ
アーチャー「緑色、貴様も行くのだろう?」
緑茶「オレは面倒臭いからパス。って言いたいんだけどね、あそこに今のマスターが居るからいかないわけにはいかなんだよな、これが」ハァ
遠坂「さぁ、待ってなさい桜!」ダッ
ガキンッ!カンッ!
ハサン29「ぬ、しまった!小刀が!」
李書文「七孔噴血……撒き死ねい!!」ヒュパッ、ドゴン!
ハサン29「かっ――はっ!」サラサラサラ
アサ次郎「秘剣――燕返し!!」キンッ、ヒュパッ
ハサン2、60、72「ぬぐぁ!」「ぎぇ!」「ぎゃっ!」ザシュッ、サラサラサラ
葛木「ぬぅん!」ヒュルン、シュタッ、ドン!!
ハサン80「ぐっ!が――」カメンパリン
ハサン35「――」ソローリソローリ、ヒュタッ、チャキッ
キャスター「!?宗次郎様、危ない!!」コウソクシンゴンマジュツドーン!
ハサン35「!?ちぃっ!」ヒョボッ、サラサラサラ
葛木「すまない、キャスター。助かった」
キャスター「いえ、旦那様をサポートするのも妻の役目ですから。きゃっ///」クネクネ
葛木「そうか――」
李書文「さて――これで残るはお主だけだな。呵呵呵呵!複数に分裂するサーバントなど初めて見た!実に血の滾る闘いであった!」
ハサン1「ふぅ――いや、我々も聖杯戦争とは関係無しに呼ばれ無理矢理従えられていた身。最早何も言うまい」
李書文「そうか――ではな。またいつか何処かで死合おうぞ」ヒュパッ、ザシュッ!
ハサン1「――」サラサラサラ
アサ次郎「ふぅ、やれやれ、漸く終わったか」チャキッ
キャスター「ええ、そうね」
李書文「さて――儂の役目もこれで終わりか」
葛木「この後は、どうされるのですかな?」
李書文「さて、な。あの坊主には好きにしろと言われたはいいが、あのおかしな海魔共も姿を消したし、儂も十分暴れた」
葛木「では、彼らの所へ行きませんか?恐らくまだこの下で戦っていることでしょう」
李書文「ふむ――それもそうだな。もしかすれば苦戦しているやもしれん」
葛木「ええ、では参りましょうか」シュタッ
李書文「うむ」シュタッ
キャスター「ああん、待ってください、宗一郎様ー」シュタッ
アサ次郎「――」ポツネーン
アサ次郎「ふむ、留守番か――。もう慣れた、別に寂しくなどあるまい――」トボトボ
ディル「はぁ!」ヒュパン!!
ランサー「あめぇ!!」ガキン、ガキン
ディル「まだです!!破魔の紅薔薇!」ヒュパッ
ランサー「くっ!」ズシャッ
ディル「はぁ、はぁ、はぁ、流石です、光の御子よ。貴方と戦えること、大変光栄に思います」
ランサー「へっ!てめぇだってやるじゃねぇか。あの体勢から槍を投げるなんてなぁ」
ディル「ふっ、ふふ」
ランサー「はっ、ははっ」
ランサー、ディル「はははははははははははは!!!」
ランサー「面白ぇ!面白ぇなぁ!闘いってのはやっぱりこうじゃなきゃいけねぇ!そう思うだろ、お前も!!」
ディル「ええ、実に面白い。俺はこの喜びを久しく忘れていたように思います。もう復讐だとか恨みだとかそんなものはどうだっていい」
「ただ純粋に勝利のみを渇望している自分がここにいます!」
ランサー「ああ、そうだ。戦いなんてそんなもんだ。そこに理想だとか、柵だとかを持ち込んじまうからややこしくなるんだ」
「闘いなんてぇのはなぁ、楽しければそれでいいって、昔からきまってるんだよぉ!!」シュタッ、ゴゥッ!!
ディル「はぁ!」ガキン
ランサー「へっ、もらったぁ!!こいつで終いにしてやるよ。突き穿つ死翔の槍!!」ヒュパッ!!
ディル「くっ、しまっ!?ぬぅあっ!ぐっ!あぁぁあぁぁぁぁ!!!!」ドドドドドドドド
ランサー「はぁ、はぁ、はぁ、へっ、へへっ、俺の、勝ちだな」ドサッ
ディル「ええ、悔しいですが俺の負けです」サラサラ
ランサー「楽しかったぜ、後輩。また縁があったらやり合おうや」
ディル「は――い。そ――の時は――――ま、け――ませ――ん」サラサラサラ
ランサー「さ――てと。大丈夫だとは思うが、坊主の所に行ってやるとするか」テクテクテク
ガウェイン「はぁぁぁあぁああ!!!!」ヒュゴゥ!!
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」ガキン ガキン、ゴウッ!!
ガウェイン「ぐぅ!!」ズザァ!
セイバー「あぁっ!」ドサッ
ガウェイン「くっ、強い!ランスロット元々の強さに加えスキルと狂化によるパラメーターの底上げでここまで強くなるとは」ググッ
セイバー「諦めてはいけません、ガウェイン!もう一度です!」シュタッ
ガウェイン「ええ、わかりました!はぁっ!」シュタッ
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」ガキン ガキン、ググググググ
ガウェイン「くっ!」シュタッタッタッ
セイバー「はぁ、はぁ」シュタッ
ランスロット「……Ar……thur……」
ガウェイン「矢張このままでは埒があかない。宝具を使って一気に方をつけるしか――!」チャキッ
セイバー「いけません、ガウェイン!こんなところで我々が宝具を使えば、この山がどうなるか――」
ガウェイン「くっ、ですがこのままでは――」
ありす「くすくす、そういう時はね」スタッ
アリス「新しい遊び場を作って、みんなで鬼ごっこをすればいいの」スタッ
ガウェイン「!?あなたは――キャスター!」
セイバー「新しい遊び場とはいったい――」
ありす「ここでは鳥はただの鳥」フワッ
アリス「ここでは、人はただの人」
キュオッ、ゴーン!
セイバー「これは――」キョロキョロ
ガウェイン「固有――結界!?」
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」キョロキョロ
セイバー「成程、個の存在を消滅させる固有結界ですか。確かにこれは対魔力を持っていない相手には絶大ですね。ですが」
ガウェイン「我々のように対魔力保有のサーバントに対しては何ら影響がありません」
ありす「あれあれ?ねぇ、アリス。これじゃあちっとも遊べないよ?」シュン
アリス「そうね、ありす。でも、ここならママはいないから、どれだけ騒いでも、どれだけ叫んでもオシオキされることはないの」
セイバー「!?そうか――」
ガウェイン「ええ、王よ、ここでなら宝具を使えます!」チャキッ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ、どうやら彼もこちらの思惑に気づいたようですね。まったく――本当に狂化されているのか疑わしくなります」
セイバー「ええ、最早一刻の猶予もなりません、キャスターと言いましたね?アナタ達は下がっていてください!」
アリス「うん!ありす、あっちに行こう!」スタスタスタ
ありす「そうね、ここは危険だもんね。バイバイお姉ちゃん」スタスタスタ
セイバー「行きますよ、ガウェイン」チャキッ
ガウェイン「ええ、畏まりました!」チャキッ
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」チャキッ
セイバー「約束された――」ヒュゴゥ!!
ガウェイン「転輪する――」ゴゥッ!!
ランスロット「ー■■■■ー(無毀なる)」チャキッ
セイバー、ガウェイン「勝利の剣!!!!!!」キュアン!!
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!(湖光)」ゴッ!!
カッ!!!!!チュドーーーーーーーーーン!!!!!!!!
ありす「けほっ、けほっ」
アリス「びっくりだね、ありす」
ありす「うん、びっくり」
アリス「だって遊び場が壊れちゃうんだもん」
ランスロット「――かっ――はっ――」ドサッ
セイバー・ガウェイン「「ランスロット!!」」ダッ
ランスロット「くっ――ははっ――何だ、ガウェインまでいるとは――まるであの日に還ったようではないか――ッ!」
ガウェイン「ランスロット!?何故――何故――貴方がバーサーカーなどに!?」
ランスロット「はは、さぁ、どうしてであろうな?ただ――適正があっただけ。それだけのことだ」
ガウェイン「くっ!私が!私があの時貴方を許してさえいれば、貴方は狂戦士になどならなかったかもしれないのに!」
ランスロット「いや、それは違う。これは私自身の業だ、あまり自分を責めるなよ。太陽の騎士が泣くなど――あってはならない」
セイバー「申し訳ありません、ランスロット。私はまた貴方に剣を向けてしまった――」
ランスロット「王よ――何を謝ることがありましょうか。忠を忘れた狂戦士など裁かれて当然ででありませぬか」
「それに――謝るのは私です。私は貴方に忠節を誓っておきながら幾度と無く貴方を悲しませた――」
セイバー「いえ、今となってはそんなことどうでもいいのです!全ては私が――王としての私が――」
ランスロット「王―よ、何を今更と思われるかもしれませぬが、どうか私の最後の世迷い事をお聞きください」
「貴方は――人の気持ちが分からなかった―されど――私が仕えるに―値した真の――王で―した―」サラサラサラ
ガウェイン「ランスロット――」
セイバー「――いきましょう、ガウェイン。士郎達が待っています」スチャッ
ガウェイン「――畏まりました、王よ」チャキッ
ありす「あれー、お姉ちゃん達も行っちゃうみたいだよ、アリス」
アリス「そうね、ありす。これじゃあ私たちと遊んでくれる人がいなくなっちゃうわね」
ありす「じゃあ、またお兄ちゃんに遊んでもらえばいいよ!ね、アリス」
アリス「そうね、そうしましょう。お兄ちゃんだったら、きっとまた遊んでくれるわよありす」タタッ
ありす「ふふっ、今度は何して遊ぼうかしら?」テチッ
士郎「なぁ、聖杯の器になった桜が正気になったってことは、聖杯戦争は終わったってことなのか?」
桜「えっと――どうなんでしょうか?キャスターさん、何かわかりますか?」
キャス狐「みこーん!?どうなんでしょうねぇ。私たちこの地の聖杯戦争って初めてです―から?」ピクッ
士郎「ん、どうしたんだ、キャスター?」
キャス狐「残念ですが、どうやらまだ終わっていないみたいですよ。ねぇ、ご主人様?」
士郎「え?」
白野「ああ、まだ何か嫌な予感がする――」
???「ああ、その通りだ、異邦人達よ」カツカツカツ
士郎「なっ、お前は――言峰!?」
言峰「ふむ、聖杯と間桐桜を切り離したか。さすがと言っておこう」
士郎「お前、今頃何しに来た!?」
言峰「何――とは?面白いことを聞くな少年。私は見届けに来たのだよ、彼の誕生を」
士郎「っ!何訳の分からないこと言ってるんだ!聖杯戦争は終わったんじゃないのかよ!?」
白野「――言峰神父、彼とは誰のことを行っているんですか?」
言峰「ほう、知りたいか?なら共に祝おうではないか、この世の全ての悪、アンリマユの誕生を!!」
白野「アンリ――」ゾワッ
キャス狐「――マユ?」ミコーン
???「あ――嗚呼―有亜阿――禹阿―切嗣―――イリ―ヤ――」ウゾゾゾゾゾゾ
士郎「なっ!?あれは、女の人!?それに、泥が溢れて――?そんな、さっきまで何処にも居なかったのに――」
「これはホムンクルスと呼ばれる代物でね、自我を失う前は衛宮切嗣と夫婦の契を結び、普通の人間として暮らしていた」
「わかるかね、君が正義の味方と信奉していた者とその伴侶が君の世界を破壊したのだよ!!」
士郎「そんな――じゃあ、これが、俺だけ残して――皆――みんな――ああああああああ!!!!!」ドサッ
桜「先輩!しっかりして下さい先輩!」
言峰「くっ、くはははははは!そうだ、怨め、世界を憎悪したまえ!それが私の快感となり、愉悦となる!!」
キャス狐「あーあ、見てられませんね。ちょっとそこ退いてくれません?私たち、性格度腐れ外道神父の相手しているほど暇じゃないので」チャキッ
言峰「ふん、限定的とはいえ神霊クラスの力をもったサーバントはさすがにこの程度では怯まぬか」
キャス狐「まぁ、そうですね。つーか、この程度で世界すべての悪とか、馬鹿にすんなって感じです」
「そんなもん、こちとら生まれた時から背負ってるんですよ、神様嘗めんじゃねー!」
言峰「成程、だがそう言いつつも手を出しあぐねているのではないか?先程から口しか動いていないようだが」
キャス狐「はん!主役ってのは一番美味しい所でワザを出すんです。今タイミング見計らっているんで邪魔しないでくれます?」
言峰「ふっ、本当は迷っているのだろう?」
キャス狐「――はい?」
言峰「確かに、君のステータスは恐るべきものだ。しかし、それをもってしてもこれを消し去るのは難しい」
「下手をすれば肉体を失いかねないのだろう。だが、マスターとの繋がりを強く望む君はここでの生活に終止符を打つ事を望んではいない」
「違うかな?」
白野「玉藻――」
キャス狐「はっ、何を言うかと思えば、面白い冗談を言いますね、この変態神父は」
「私とご主人様の絆は貴方が理解できるほど安いものじゃないんです。それに私が消えるってどういうことですか?」
「こんなものに飲み込まれるとか、どこぞの慢心王じゃないんですから、そんなの絶対ありえません!!」
言峰「ほう。だが何れにせよ私には関係の無いことだ」スタスタスタ
士郎「っ、おい言峰!そっちに行ったら泥に呑まれる!」
言峰「ふん、それでいいのだよ、衛宮士郎」
士郎「何!?」
言峰「私はこの泥の誕生を待っていたのだからな」ズズズズズ
白野「っ、言峰神父が――呑み込まれる――」
言峰「ふはは!ふはははははは!そうだ、これだ、これこそが!世界の全てが拒絶しようとも、私はお前を祝福しよう!」ズズズズズ
桜「――そんな――」
士郎「言峰――くそっ!!」ダンッ
桜「あ、姉さん?」
遠坂「あんた、桜!?無事だったの?」タッ
桜「はい――先輩に、助けてもらいました――」
遠坂「このっ――心配させんじゃないわよバカ妹!」ダキッ
桜「姉さん――ごめんなさい」ギュッ
遠坂「私こそ――桜のこと何も分かってあげられなくて――ごめんなさい」
アーチャー「凛、感動の再会は後にしろ。どうやら今はそれでころではないようだ」チャキッ
遠坂「っ、本当に空気の読めないサーバントねあんた」
キャス狐「まぁ、空気の読めなさ加減で言ったら遠坂凛も大概ですけどね」
遠坂「何よ、言ってくれるじゃない、この狐娘って、え、尻尾が9本!?で、何よそのステータス、化け物じゃない!?」
遠坂「――どうやらそうみたいね。一体なんなのよ、この泥は」
白野「世界全ての悪――アンリマユ――」
アーチャー「なっ、アンリマユだと!?」
遠坂「何よ、アーチャー、あなた知っているなら教えなさいよね!?」
アーチャー「悪いが、今それを話している余裕はない。問題はこれをどう処理するかだ。宛はあるのか、神霊よ」
キャス狐「ええ、こんなもの、私の力で中心部から浄化してあげればいいんですよ」
アーチャー「なっ、貴様正気か!?泥の中心部に行くなど死――否、それしか方法は無いのか」
キャス狐「まっ、今のところそれしかないでしょうね。私がこの姿になったのも、この泥をどうにかする為っぽいですし」
アーチャー「そうか――まったく歯痒いよ。肝心なときに神頼みとは」
キャス狐「ふふん、こういうどうしようもない事をどうにかする為に私たち神様はいるんです。だから気にしないでください」
白野「玉藻――」
キャス狐「という訳でご主人様!ちょっとそこまで行ってきます。すぐ戻って来るんでご主人様は――」
白野「俺も行くよ!」
キャス狐「ふぇ!?」
白野「俺は玉藻のマスターだ。どんな時だってお前の側にいる。だから――俺も連れていってくれ!」
キャス狐「ご主人様――えと、あの、死ぬかもしれないんですよ?」
白野「もう死んでいるんだよ、俺は」
キャス狐「その、皆に会えなくなっちゃうかもしれないんですよ?」
白野「お前一人に辛い事をさせて、自分だけのうのうと生き残るほうが嫌だ」
キャス狐「あ――え――私と一緒で、いいんですか?」
白野「玉藻じゃなきゃ嫌だ!!」
キャス狐「ご主人様――はい!」
キャス狐「さて――。それじゃ、私とご主人様は行きますけど。皆さんに一つお願いがあります」
士郎「お願い?」
キャス狐「はい。私とご主人様でこの泥の元を絶ちますが、万が一にですが、漏れ出した泥まで手が回らないかもしれません」
「だから――」
遠坂「私たちで、漏れ出した泥をどうにかしろっていうわけ?」
キャス狐「ええ、私たちがこれの中心部に到達したら合図をします。そうしたら、皆さんの持てる力の全てをぶつけてほしいんです」
桜「でもっ、そんなことをしたらキャスターさんと岸波さんの命が――」
白野「大丈夫、気にしないでくれ。俺は既に死んでいる人間なんだ。ただ、魂が元の場所に戻るだけだよ」
士郎「けどっ!そんなの――あんまりじゃないか!他に何か方法はないのかよ!?」
白野「あるかもしれない。けど、今はそれを考えている余裕なんてないさ。こうしている間にもどんどん泥は増えていく」
「それに、これ以上無関係な人を巻き込みたくないんだ――頼む」
士郎「白野――」
アーチャー「いいだろう、その役目、私たちが引き受けた」
士郎「っ、アーチャー!?」
遠坂「そうね、わざわざ危険な役目を買ってくれているんだもの、それくらいのお願いは聞いてあげるわ」
士郎「遠坂まで!?」
遠坂「衛宮君、今は手段を選んでいる暇なんてないの。これ以上貴方みたいな子供を出すわけにもいかないでしょ?」
士郎「それは――そうだけど――」
キャス狐「大丈夫ですよ、衛宮さん。私とご主人様は新婚旅行に行くまで死ぬ気はありませんから☆」
士郎「キャスター。白野――。わかった、絶対に死ぬなよ」
白野「ははっ、もう一回死んでいるんだけど」
キャス狐「じゃ、今度こそ行ってきます。あ、このことはご主人様が呼んだサーヴァントには伝わっていますけど、ワカメとかには伝わっていませんので」
遠坂「あー、はいはい、わかったわ、伝えとくわよ」
白野「頼んだ。さぁ、行こう、タマモ」
キャス狐「はいっ!」フワフワフワ
ライダー「桜!?無事でよかった――」ダキッ
桜「心配かけてごめんね、ライダー」ダキツキ
ライダー「いえ、桜が無事ならそれでいいんです」ホロリ
キャスター「あら、タマモちゃんがいないじゃない?」シュタッ
セイバー「士郎、無事でしたか」
士郎「セイバー!?それにキャスターまで」
イリヤ「ちょっと、凛、アーチャー!?私を置いて行くなんて酷いじゃない!」
緑茶「おやおや、揃いも揃ってまぁ。ってことは、あの坊主と狐、そろそろおっぱじめる気か」
エル・ドラゴ「みたいだねぇ」
ガウェイン「ならば、私たちはそれを全力で援護するのみです」
エル・ドラゴ「はっ、相変わらず堅いねぇ。ま、私は報酬貰ってるからね、その分くらいは仕事するさ」
慎二「お、おい、エル・ドラゴ!どういうことだよ?僕にちゃんと説明しろ!」
エル・ドラゴ「何だい、慎二。アンタ何も聞いてないのかい?」
セイバー「すいませんが、私も聞いておりません。士郎、貴方は何か知っていますか?」
イリヤ「ちょっと、私を除け者にしないでよ!私にも教えなさーい!」
士郎「ちょ、わかった、わかったから、押すなってイリヤ。実は――」
キャス狐「さっ、着きましたよご主人様」フワフワフワ
白野「ああ――うっ!はぁ、はぁ、近くで見るとよりこいつの醜悪さが分かる。アンリマユ、これは――危険だ」
キャス狐「大丈夫ですか、ご主人様?やっぱり戻られたほうが――」
白野「いや、大丈夫だ。この中に降りるんだろ?早く行こう」
キャス狐「――はい」シュタッ、グジュッ
白野「ぐっ、ここがっ!あぁ、ぐあぁぁぁ!!!!!」グジュグジュグジュグジュ
キャス狐「ご主人様、泥が侵食して!?」バッ
白野「だ――いじょう―ぶ!はや――く、消すんだ、タマモ!!」
キャス狐「っ、ご主人様――」コクリ
キャス狐「タマモ、全身全霊を込めてやらせていただきます。炎天よ――疾れ!!」ヒュパッ
慎二「そんな、それじゃあ、白野は!?」
ヒュパッ、ボウッ!!
アーチャー「残念だが、迷っている暇はないぞ慎二!!そら、合図だ」
慎二「くそっ、くそっ!!一人で格好つけやがって!やれ、ライダー!!」
士郎「セイバー、宝具を!!」
イリヤ「やっちゃえ、バーサーカー!!」
葛木「頼んだぞ、キャスター」
アーチャー「出し惜しみはしない、そうだろ、凛!!」ヒュパパパパパッ
遠坂「ええ、やっちゃいなさい、アーチャー、釣瓶打ちよ!!」
ランサー「爆ぜろ、突き穿つ死翔の槍!!」ヒュパン
エル・ドラゴ「砲撃用ォ意!全弾持って行きな!嵐の王、亡霊の群れ、嵐の夜の始まりだ!」ゴゴゴゴゴ
呂布「―■■■■■―」ゴッドフォース
キャスター「タマモちゃん、絶対生きて戻りなさいよ!!」コウソクシンゲンマジュツドーン
緑茶「はっ、これだけの毒だ、中から爆ぜちまいな。森の恵みよ、圧政者への毒となれ」チュドーン
ライダー「騎英の――手綱!!」
ガウェイン「転輪する――」
セイバー「約束されし――」
セイバー、ガウェイン「「勝利の剣!!」」
キュアッ!ゴゴゴゴゴゴゴ
キャス狐「見えた!あれが、器ですご主人様!」
???「あ――嗚呼―有亜阿――禹阿―切嗣―――イリ―ヤ――」ウゾゾゾゾゾゾ
白野「あ――ああ!突っ込め――タマモ――」ウゾゾゾゾゾ
キャス狐「っ――はい!」ヒュパッ
白野「さぁ――これが最後だ、とくと味わえ世界すべての悪!!これが俺のサーヴァントの―タマモの―俺の嫁の力だぁぁぁぁぁ!!!」
???「ぎ――あぁぁぁぁあああああぁああぁあああ!!!!!!」ゴゴゴゴゴ
キャス狐「ふふっ、ご主人様…最後まで…ご、一緒…に」サラサラサラ
キャス狐「早く行かないとタイムセール終わっちゃいますよ、ご主人様!」シュタッ
白野「わかってる、わかってるから、そんなに急かすなって」アタフタ
キャス狐「それじゃ、青いセイバーさん、私とご主人様は買い物に行ってくるので留守番お願いしますね」
セイバー「わかっています、最優のサーヴァントの名に掛けて、この家には蟻ん子一匹通しはしません!」キリッ
キャス狐「ふぅ――あなたみたいのをニートって言うんですかねぇ?」
セイバー「な、何を言いますか!私にはこの家を護るという立派な仕事があります!愚弄しないでいただきたい」
白野「まぁ、確かにブリテンの王様に自宅警備させるなんて、世が世なら大騒ぎになるよな」
キャス狐「今だって、バレたら大騒ぎになりますよ――」
セイバー「それより買い物はいいのですか?」
キャス狐「あ、いけない!ささっ、行きますよご主人様!」タッタッ
白野「あぁ、ちょっと待てって!」ダッ
セイバー「ふぅ――今日も冬木は平和です」シミジミ
後悔―というかまだ冬木に残りたいという心残りみたいなのはあったけど、
そもそもこの地の聖杯を消すことが自分の役目だったことを考えると、消えてしまうのも致し方ないと思う。
それに、側にはタマモがいてくれたし、少なくとも寂しくはなかった。
次に目を覚ましたときはムーンセルの中か、いやそれ以前に二度と目覚めることすら無いのかもしれない。
だけど自分が目を覚ますと、そこはつい先日まで寝泊りをさせてもらっていた、衛宮邸の一室であった。
どう言う理由かは知らないが、自分は大怪我をしていたようで全身の至るところに包帯が巻かれていたのだ。
更に治りきっていないのか、体を動かす度に全身に激痛が走った。自分は肉体を持たない電子の存在だというのに可笑しな話だ。
全身に走る激痛に、本物の体を得たような高揚感とも安心感ともつかない酷く不安定な気持ちを持ちながらも、首を動かし横を見ると
そこには自分を介抱して疲れてしまったのか、正座をしたまま寝ているタマモの姿があった。
力を使い果たしたらしく、尾っぽこそ1本になっていたが、いつもと変わらぬ見慣れたタマモの姿に豪く安堵したのを覚えている。
後に聞いた話によると、全てが終わったあとアンリマユの中心部があった場所に倒れている自分とタマモを見つけた衛宮達によって運び出されたらしい。
そうしてそんな出来事から1週間が過ぎ身体が全快した自分は、どういう理由かタマモと共に未だこの地で生活している。
ムーンセルの気まぐれか、バグか、ピースマンの粋な計らいかは分からないけど、とにかく自分とタマモは冬木市でこうして生きている。
だが驚いたのはそれだけではない。役目を終えても尚この地に留まっているのは、なにも自分たちだけではなかったのだ。
大河「ガウェインちゃーん!私お腹すいたー!!」ガシッ
ガウェイン「なんと!先程昼食を摂ったばかりではないですか!」
大河「でもお腹空いたのー!何かお菓子作ってよ!!」
ガウェイン「いけません、タイガ。私はこれから王と共にこの地の警護を――」
大河「嫌だ、嫌だ、嫌だー!最近士郎だって全然構ってくれなくて私寂しーんだもん!ガウェインちゃん私に優しくしてよー!」ジタジタ
ガウェイン「くっ――王よ、申し訳ありません。私は騎士失格です。何故なら貴方との約束を守れそうにないからです――」トボトボ
ガウェイン「タイガ――何が食べたいのですか?」トボトボ
大河「え、作ってくれるの!?さっすが、ガウェインちゃーん!」タッタッ
ありす「ねぇ、アリス、あのお姉ちゃん、大人なのに私たちみたいにお菓子で喜んでいるよ?」
アリス「そうね、ありす。あれはダメな大人の典型ね。見習っちゃダメよ。ねぇイリヤ?」
イリヤ「そうよ、ありす。本当のお姉さんというのは私のことを言うの。わかる?」
ありす「うん、わかるよ、イリヤお姉ちゃん!」テトテト
イリヤ「そう、いい子ね。それじゃあ今日は何処で遊ぼうかしら?」
アリス「わかめ狩りなんていいんじゃないかしら、イリヤ?」
イリヤ「そうね、アリス。調度私も調子に乗っているワカメに灸を据えたいと思っていたところなの。ありすもいい?」
ありす「うん、いいよアリス、イリヤお姉ちゃん」
イリヤ「それじゃあ、行きましょう。そう言うわけだから行ってくるわね、雷画。夕方までには戻るわ。行くわよ、バーサーカー!」クイッ
呂布「―■■■■―」
ありす「行ってきます、おじいちゃん」フリフリ
アリス「行ってくるわ、雷画」テクテク
雷画「孫――孫が増えた――」ハァハァ
アサ次郎「王手」パチッ
葛木「む――」
李書文「呵々!これは痛い所をつかれたな。さてどうする暗殺者?」
葛木「ふ、今の私は暗殺者ではありません。ですが、相手の弱点を付くくらいのことは――できる」パチッ
アサ次郎「ほう、そう来るか」
李書文「成程、これは面白い手を打つ。しかしこう魅せられては、儂も打ちたくなってくるな。どれどちらか一局打たぬか?」ウズウズ
アサ次郎「少し待て、暗殺者。今いいところなのだからな、これが終わったら打ってやろう」パチッ
李書文「呵々!ここには暗殺者ばかりおるわ!」
>ソウジローサマー
アサ次郎「む?」
メディア「ああんもう、ちょっと邪魔よアサシン!」ゲシッ
葛木「メディアか。どうした?」
メディア「ああん、宗次郎さま!私ちょっと夕飯のお買い物に行ってきますわ。何か食べたいものは御座います?」ウキウキ
葛木「買い物――か。丁度良い、メディア、私も付き合おう」ドッコイショ
メディア「へ?///」
葛木「普段お前にばかり苦労をかけているのだ、たまには共に買い物というのも悪く無いと思ってな。都合が悪いか?」
メディア「あ、へ、いえ、はい///」
李書文「ふっ」プイ
アサ次郎「ふふっ」
メディア「ちょっと、アナタ達!ちゃんと留守番してなさいよね!!」ガー
アサ次郎「はは、了解だ、マスター」
メディア「さぁ、宗次郎様。ではご一緒に」テクテク
葛木「うむ――」
緑茶「だーかーらー、アンタのその理論じゃ全然採れないっつってんだよ!」
アーチャー「ふっ、負け惜しみか?この私が長年に渡って編み出したこの方法なら従来の10倍の収穫量は容易い」
緑茶「はっ!これだから現場を知らない素人は困るんだよ。あいつらは気紛れで時期によっては滅多に取れる物じゃないんだよ!」
アーチャー「ほぅ、そこまで言うならどちらが多く収穫できるか、勝負といこうではないか」
緑茶「へぇ、面白れぇじゃねぇか。上等だ!シャーウッドの森の茸狩り技巧、とくと味わってもらうぜ!」
遠坂「――アンタ達、余所でやりやさいよ――」ゲッソリ
---間桐邸---
エル・ドラゴ「ぷっはー!やっぱり昼間から飲む酒は格別だねぇ!おい、慎二ぃ!まだあるんだろ?もっと持ってこいよ!」
慎二「う、うう煩い!お前酒ばっかり飲んでないで僕を助け――あいたぁ!」ドシャッ
ありす「わかめだぁ!」ドン
アリス「わかめぇ!」ドドン
イリヤ「わかめ、わかめー!」ドドドン
ライダー「ふふ、子供たちと戯れるとは――まだまだ慎二も子供ですね」
慎二「なっ!?お前ちょっと眼科行ってこいよ!これの何処が戯れ――痛い、痛い!止めてって!」
桜「平和だね、ライダー」
ライダー「ええ、平和です。それより桜、時間は大丈夫なのですか?今日は士郎の家でパーティだとか――」
桜「まだ時間はあるんだし大丈夫よ、ライダー。それに――もう少しこの家にいたいから」フフッ
ライダー「そうですか」
慎二「たーすけてぇ!!」ジタジタ
メディア「うふふふ、葛木メディア!葛木メディアでございまーす!!」テクテク
葛木「む――」
キャス狐「うふふふ、岸波タマモ!岸波タマモでございまーす!!」テクテク
白野「ぐぅ――」
メディア「あら、岸波さん家の奥様じゃありませんか?」
キャス狐「そういうアナタは葛木さん家の奥様!?」
メディア、キャス狐「「奥様、奥様、うふふふふふ」」
葛木「――ふっ、微笑ましいな」
白野「――まぁ、多少度が過ぎてない気もしないでもありませんが、楽しそうなんで良しとします」
メディア「ところで、奥様。今日は何を買いにいらしたんですの?」
キャス狐「えー、タマモはぁ、すっぽんにぃ、赤マムシにぃ、山芋にぃ他にはこれと、これと」ウナギ、レバー
メディア「あら、奇遇!実は私も同じの買ってるんですの!」
キャス狐「あら、そうなんですか!?じゃあ今夜はお互いに頑張りましょうね!」グッ
メディア「そうね、頑張りましょう!」グッ
白野「苦労――しますね」
葛木「――む」
メディア「それじゃ、私たちもう行くわね、タマモちゃん」
キャス狐「はい、また遊びに行かせていただきますね!」
メディア「ええ、いつでも遊びにいらっしゃい。さっ、宗一郎様行きましょう!」
キャス狐「ご主人様ー、タマモはゲーセンなる所に行ってみたいです!」
葛木「それではな、岸波」
白野「はい、また」
キャス狐「ご主人様と、タマモ。たっだいま、戻りましたー!」キャピーン
士郎「遅いぞ、岸波とキャスター。もう皆集まっちゃってるよ」
白野「ごめん、ちょっと買い物が長引いちゃって」
士郎「まぁ、別に問題は無いけどさ。それより材料くれよ、先に台所に持って行っておく」
キャス狐「はい、腕に寄りをかけて買ってきましたよ!大事に使ってくださいね!」
士郎「わかった、わかった。お前らも早く来いよ!」タッタッタ
キャス狐「彼にしては珍しく気を使いましたね」
白野「ん、何のこと?」
キャス狐「いえ、お気になさらずに」
白野「そっか――」
キャス狐「ところで、ご主人様ー」ダキッ
白野「ん――うわ、抱きつくなって!」
キャス狐「いいじゃないですか、私たちもう夫婦なんですからー!遠慮しない、遠慮しない!」ギュゥ
白野「だー、もう!」
キャス狐「――ありがとうございます」ボソッ
白野「タマモ?」
キャス狐「なーんて!ちょっと言ってみたかっただけです!さっ、私たちも皆さんと合流しちゃいましょ!」ダッ
白野「――タマモ!」ガシッ
キャス狐「ひゃい!?」
白野「こんな生活がいつまで続くかわからない。明日には消えちゃうかもしれない。それでも――それでもこれからも俺の隣に居てくれるか?」
キャス狐「ご主人様///はい!このタマモ、輪廻の果ての果てまでご一緒させていただきますよ、白野様!」
キャス狐「冬木の聖杯ですってよご主人様」 了
読んでくださった皆さまのおかけで何とか終了まで書く事ができました。
本当にありがとうございます。
次回予告として路地裏同盟と秋葉が『路地裏吸血時間(ちータイム)』というバンドを組んで色々やる
ショートコメディでも書こうと思ったのですが、別の機会になりそうです。
宗次郎ってだれだよww
とてもいい作品でした
まほうつかいの箱の人気投票結果がとんでもないことになってる
桜がライダーどころか凜を超えたぞ
しかもキャス狐が型月の女キャラの総合で3位
それ以外もいろいろ衝撃的な結果になってるから見てくれ
とあるムーンセル内のとある日の出来事
キャス狐「ふふ!ふふふふ!やりましたよ、やりましたよ!人気投票祝3位!EXTRA勢の中ではぶっち切りの1位と言っても過言ではありません!」
「そう、つまりは私がEXTRAのヒロインと公式に認められたということなのです!フンス
キャス狐「これで晴れてご主人様は私のもの!今頃あの赤セイバーさんをさぞや悔しがっていることでしょう。
「折角だから見に行って揶揄ってやろーっと!」シュタッ
―――保健室前廊下―――
キャス狐「えぇーっと、確かこの辺に人気投票の結果が貼ってあったと思ったんですけど――」キョロキョロ
???「おや、淫乱狐ではないか。ここで何をしておるのだ?」スタスタスタ
キャス狐「あら、赤セイバーさん。思ったより凹んでないですねぇ。ってか淫乱狐じゃねぇですよ!」プンプン
赤セイバー「うん?余が凹む?何か悲しいことでもあったのか?」
キャス狐(ん?あ!はっはーん、さては人気投票の結果をみていませんね!?)
キャス狐「いえいえ、何でも無いんですよ!所で赤セイバーさん、最近このゲームの人気投票があったのって知ってます?」
赤セイバー「うむ、知っておるぞ!ほれ、そこに結果が書いてあるではないか、よく読んでみるがよい!」クイックイッ
キャス狐「あ、本当だ。保健室の前に堂堂と貼ってありますね――。どれどれ。まぁ、今更確認する必要も無いんですけどねー」
<まほ箱の人気投票・女性キャラ>
第1位(1263pt) EXTRAセイバー[EXTRA] 第26位(102pt) バゼット[hollow]
第2位(820pt) 両儀式[空の境界] .第27位(94pt) 須方スナオ[まほ箱]
第3位(727pt) セイバー[Fate] .第28位(91pt) 美綴綾子[Fate]
第4位(520pt) EXTRAキャスター[EXTRA] .第29位(75pt) 黒桐鮮花[空の境界]
第5位(425pt) 間桐桜[Fate] .第30位(63pt) ネコアルク[メルブラ]
赤セイバー「うむ、矢張余には1位の座が似合う。いやいや、人気者は辛い。だが、これで奏者と余の関係は保証されたも同然!」
「露出強(誤字にあらず)の淫乱狐は安心して余に奏者を任せるがよい!」フン
キャス狐「な、な、なななな―――」フルフルフル
赤セイバー「ん、どうした?」
キャス狐「ふざけるんじゃ、ねーですよ!!こんなのインチキ!インチキに決まってるじゃねーですか!」プンプン
赤セイバー「なっ!何を言っておるのだお主は?そそそそ、そんなわけないであろう?」シドロモドロ
キャス狐「あ、ほら!今目逸らしましたね!ちょっと、私の目を見て話してくださいよ!」ユサユサユサ
赤セイバー「あ、や、やめろ!そう服をつかんで揺らすでない!や、やめ――あ――」コロンコロコロコロ
キャス狐「あ―――」
赤セイバー「――」
キャス狐「やっぱりインチキしてたじゃないですか!何ですか、今裾から落っこちたサインペンは!?
「どっーせこれと皇帝特権を使って細工したんでしょ!?あー、やだやだ、敗者の僻みってこれだから怖いんです」
赤セイバー「だ、だって、だって余が一番じゃないのは納得がいかん!こんなの絶対何かの間違いだ!」ウルウル
キャス狐「あ、ちょ!?マジ泣きは卑怯ですよ!!」タジタジ
赤セイバー「マスター!!淫乱狐が、淫乱狐が―――!」タタタタッ
キャス狐「あ!ご主人様に甘えようったってそうはいきませんよ!ってか淫乱じゃねーって、話聞けよ!!」タタッタッタ
終われ
こいつらサーヴァントやない、アルター使いや
引用元
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326109248/
書いた人もおっしゃってますが白野に違和感はあれど描写するのが難しいので致し方なし。
CCCの発売した今の時期ならばもっと凄いことになりそうですよね。
というわけでFate/EXTRAの創作がもっと増えることを願ってます。
次はapoとfakeも呼んで鯖オールスター戦させよう(提案)