TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』第5話感想 老騎士と狩人が悔根の森に鳴り響かせる鐘楼の罠。ハクノの死相が亡霊の妄執に終わりの刻を告げる
随分と昔の話だ
明かされるダン卿がフロアマスターになる前のお話。
細部はともかく大筋ではゲームと同じ流れで進んでいくかつての聖杯戦争。
こうやって視覚化されると毒のエグさがわかるというもの。
気になるダン卿の対戦相手とサーヴァント。
そしてサーヴァントはどうもJKセイバーっぽいところである。
ゲームでもダン卿の教えは白野に大きな影響を与えている。
となればこれも白野だとは思うのですが、そうなると何故JKセイバーなのか。
それに西暦3020から999年前だとダンが敗れた聖杯戦争は2021年となるが。
聖杯を手に入れるべく参加したレオの聖杯戦争は2030年となっている。
まだまだ謎や秘密が多い。
老いた騎士と従者の物語再び
終わるはずだった二人はこうして再びアンコール。
ロビンフッドの調子はいつも通りですがダン卿は少しおかしくなってしまっていた。
フロアマスターになると瞬時にある程度の事情が把握できるのだろうか。
そうしてダン卿は戦い続ける。戦いを、勝利を。そのために月に来たのだと。
見覚えのある忍者の姿
彼にとってはどうやら森は鬼門のようですネ。
そうでなくとも相手に有利な状況での勝負は避けるに越したことはない。
勝つために仕方がないとはいえ相手の情報が無いまま罠に飛び込むのは辛かろう。
現状を徐々に理解していくハクノ。
目覚めたばかりのハクノに対して今生きているマスターは1000年も頑張ってきたのだ。
敗北者や逃亡者を受け入れ停滞の楽園を維持したシンジもまたすごい奴だったと。
シンジ…やっぱり友達なだけあって覚悟決めると彼もつよい。
時間の流れについて思うところあるハクノ。
「幾星霜を経ようとも余とそなたは共に手を取り合える。それで余は十分だ」
この言葉でハクノも現状を受け止める。
ハクノの全貌は見えないけどネロちゃまと奏者の絆の深さは健在。
ダン卿とロビンフッドの情報をゲットしての作戦会議。
すごいぞマトリクスがどんどん開示されてく!(EXTRAプレイヤー感)
ラニのレジスタンス活動と散っていたマスターたちの成果か。
ハクノはこうして彼らの想いも託されて進んでいくのか。
一度敗北したマスターはマスターとして勝ち上がることはできない。
死者は蘇らない…亡霊か…。
サーヴァントはサーヴァントが
マスターはマスターが
基本的な作戦はこれで行くことになり決戦。
背中合わせのネロとロビンフッドの対峙と表情が良い。
何を言われようと義賊が老騎士のために戦うのは変わらない。
何も得る物がなかったダンのために俺はせめて負けないことしか示せる誇りが無いと。
ロビンフッドはダンのおかげでどうしても掴めなかったものを手にできましたからね。
だからこそ余計に何も得られなかったダンのためにという想いが強いように見える。
今思えば仕切り直しではなく大詰めだと言い直したのは予期していたのだろうか。
1000年という時間を経て死者の憎念が亡霊の如くして歩き回る
ムーンセルが切り捨てSE.RA.PH最下層に廃棄された人間の感情、憎念。
そこからやって来たハクノはやはりそういう存在なのだろうか。
ラニが狙撃された時もそういうのに類する者たちが見え隠れする。
「どのみちころされる」
「なら時計塔へ行って」
「ダンを倒すべきだ」
「迷うな」
「時計塔へ行くの」
「それがこの場の正解だ」
多くの声が聞こえるがハクノが選んだのはそれらの声を否定する行動だった。
声に耳を傾けるのではなく、彼自身の思考と推理が本当の正解を導き出す。
敗北者たちの憎しみを背負ってはいるがハクノにもちゃんと個人があるということか。
少なくとも今のところは。
それにしてもとんでもない動きをするなハクノ
この極限状態でラニを助けることを選んだのがザビっぽいので彼を信じたい。
ネロとロビンフッドの戦い決着。
当てるだけで十分なのさ!でロビンフッドは勝てるはずだった。
皇帝ネロの逸話がその必勝のパターンを上回る。
炸裂する不浄は血にこそ混ざるのであろう?ならば血を捨てるまで!
相手の裏をうまくついたけど血を全部捨てるとはすごい勝ち方でござる。
―――我が骸は、どうかイチイの木の下に
果たしてこの墓はダン卿とアンヌかどちらのものか。
どちらにしてもダン卿が勝者として迎え入れられない。
つまり第二階層がダン卿の死地となることを理解したロビンフッドが
いつかマスターがここで眠ることになった時のために用意していた…という妄想。
ロビンフッドもそれに寄り添うように逝く。永い間おつかれさま森の義賊。
ダンとハクノの戦いも決着。
ハクノがダンを狙撃するという形で決着。
それにしてもダンはスタート地点である「王城」に身を潜ませていたとは。
マスターたちは最初に狙撃でやられる。
生き残ったマスターは狙撃手が時計塔に居ると誤認して目指す。
その道半ばでロビンフッドに倒されるか、時計塔に辿り着いた時最後の罠によって倒された。
幾重にも潜ませた罠がえげつない。
つまりはこういうことか
刻を告げる鐘の音は王城頂部から時計塔の鐘を狙って撃たれた跳弾の音であった。
罠をあえて起動させたのはハクノ自身の姿をくらますためで
ダン卿が次の狙撃のアクションを取らせてどこに居るかを探り当てた…かな。
死相を抜きにしてもハクノが歴戦の戦士すぎて困惑する。
もしかしたらダン卿の無念とスキルをも背負っているのだろうかと思うくらいだ。
若い頃のダンと妻のアンヌさん。
999年を経てようやく会うことができる。
おやすみダン・ブラックモア。
共に勝利を収めて次の階層へと進むハクノとネロ。
ラニはここで退場か。
彼女は確かに第二階層で散った彼らの意志と共にあると決めたと言っていた。
でも着いて来てくれると勝手に思っていただけにショックである。
そんなラニからの届かぬ警告。
死人の仮面はいつかあなたの素顔を覆ってしまうと。
要はデッドフェイス使い過ぎたらハクノの人格が危ないと。
ハクノの運命が暗示されているようでここから先が不安である。
ネロちゃまを悲しませるようなことだけはするんじゃないぞハクノ!
普通について来ているリン
あやしいし何かあるだろうけど上に行く間は仲間…のはず…。
しかし今まで何をしていたのだ。
ラニと会ったら都合が悪いことでもあったのだろうか。
次の第三階層では手を貸してくれるかどうか気になりますね。
というわけでダン卿がメインとなるお話でした。
やはり今後もフロアマスターの生き様がメインとなる感じなのでしょうかね。
しかし予告にあった台詞にはまんまと騙されたというか、不安を煽られたというか。
終わってみるとダン卿とロビンフッドは主従関係のまま終われてよかった。
今後もマスターたちの動向には期待です。
どうなってるんだハクノ