アニメ『Fate/stay night[UBW]』第15話感想 神話の戦いの中にあっても輝くヘラクレスとイリヤの絆!孤独であった少女とそれを守り続ける狂戦士は真の英雄であった
15話を見たらみんなイリヤになる
バーサーカーは最強のサーヴァントなんだから!ってなること請け合い
イリヤファンよ目をそらしてはなりません
タイトルで神話の戦いと称されるとおり凄まじき戦いはもはや戦争そのもの。
どこかの施しの英雄ではありませんが、大英雄も英雄王も国を相手取るに問題のない凄まじき存在。
それがこうやって激突するというのは現代ではまずお目にかかれない光景であろう。
最初はギルガメッシュの宝具を「十二の試練」で無効化していたバーサーカー。
だがやはり英雄王はその目で即座に仕組みを理解し、最上級の武具で十二の試練を突破してしまう。
バーサーカーの実力がかなりのものなのは既に視聴者もご存知のとおり。
それを相手取ってまだ余裕のあるギルガメッシュが異常なのである。
勝ち目のない戦い。それは誰よりもバーサーカーが理解してる。
じゃあ何故戦うのかっていえばイリヤ守るためさ。
ワカメは串刺しになったバーサーカーを前にして調子に乗りまくり。
まったくもう慎二くんは死体を蹴るのだけは得意なんだから。
だがもちろんバーサーカーは蘇ることを知っているギルガメッシュは忠告をする。
笑いを取るのは早いぞと。いえ14話の空から落ちてくるワカメでもう十分に笑わせてもらいました。
今まさに怖くなったら一目散に逃げるところもまたね。まさに道化。
でもネタにみえるけど初見の人に王の財宝から出る武器が
一つ一つ宝具だと伝えるためには重要なシーンでもあろう。
イリヤかわいい
アイリと切嗣が帰ってこないアインツベルンでイリヤがどう過ごしたのかこれでもかってくらい描写。
切嗣が帰ってきたと勘違いしてとてとて走ってるとこ作画すごかった。
それだけに辛い。イリヤが可愛ければ可愛いほどに彼女を取り巻く悲壮感も増す。
そういえばイリヤを救出にやってきた切嗣に門前払いの扱いしてたんですよねアインツベルン。
それがなければこのイリヤのおかえりなさいも本当のものになっていたかもしれない。
イリヤに切嗣の裏切りやら妻と娘を道具のように捨てて新しい家族作ったよと吹聴してた存在が登場。
それはアイリさんの皮をかぶった汚染された聖杯の奥底に潜むもの。
これはZeroとの繋がりを感じさせるにはいい感じのアクセントでした。
良かったアハト翁は特に何もしてなかったんだね。
いや、やってたよ。聖杯戦争に向けてイリヤの体をいじってたよ。イリヤが痛い痛いって泣いてたよ。
無理なことしたせいか普通に走るのもおぼつかないような状態じゃないか包帯には血も滲んでるし。
やっぱりろくなことしないなあの生きた石版は!
アインツベルンは10世紀に渡って聖杯を求めてきた。
今回その歴史を象徴するかのような廃棄場でアインツベルンの事が語られてましたね。
驚いた事といえば、第五次聖杯戦争に敗退すれば電源を落とすというセリフでしょうかね。
それはあのアハト翁ですら例外ではないとか。
アハト翁はアイリさんが士郎くん連れ帰ってきたらワシも日本に行くってハイテンションよぉ(カプさば脳)
あとこの廃棄場の可愛いアインツベルンのホムンクルスたち救済したい。
アハト翁お馴染みの最終試験である極寒の吹雪の中で放置。
しかも休息をまったく与えることもなく強行。
もしもイリヤが万全の状態だったらどうってことない試験だったんでしょうか。
この時のイリヤは環境にも嫌気がさしてたろうし、バーサーカーとの主従関係も力づく。
更にセラやリズといった心を通わせる存在をも拒絶してて孤独の中で戦っていたでしょうからね。
だが、そんなものは強さではなく虚勢。
そんな状態では飢えた狼の餌食になるのも仕方ないけどやめろこの畜生共めアハト翁でも齧れ。
イリヤがもう見てるのが辛くなるような状況に変化を与えたのは今まで従わなかったヘラクレス。
それがイリヤを守るために動いたのだ。
いや、ヘラクレスは従っていなかったというより最初からイリヤを守っていたのだ。
バーサーカーは自分が動くとイリヤが痛くなることをわかってるんだ。
そんなバーサーカーが自分のために狼に襲われている姿を見てイリヤもそれを理解する。
イリヤもついに自分のためではなくバーサーカーのために命令するのだ。
―――バーサーカーは強いね
原作でもここは格別。アニメではイリヤの過去がきっちり描写されているのでことさら心に響く。
先行上映会でバーサーカーは切嗣の代わりというか重ねていたというの言葉があったんですよね。
イリヤがバーサーカーは強いねは、切嗣は居なくなってしまった
けどバーサーカーは何があっても大丈夫だよねという意味も込められているのかなという妄想。
王の財宝はまさに底なし、湯水のように放出される宝具にはバーサーカーも捌ききれない。
だが全身を切り裂かれようが貫かれようが、なおバーサーカーは最強。
それはひとえに彼が小さきマスターを守り通すために戦う狂戦士だからだ。
四方から襲いかかる武具の数々をイリヤを守りながら防ぐその姿は漢前すぎる。
でも逆にそのイリヤを守る戦い方が敗北への要因となっている。
要は大英雄ヘラクレスは本気を出せてないって話である。
ギルガメッシュもバーサーカーに本気を出させるために煽ってくるぜ。
だがたとえ敗北することになろうともバーサーカーは最後までイリヤを守るために死力を尽くす。
最後までイリヤを守るために本気を出さなかった大英雄に失望とも残念とも取れる反応をするも
ギルガメッシュも言葉の端々からヘラクレスという存在を認めているというのがわかりますよね。
目の前でバーサーカーが一方的に蹂躙される光景はイリヤには受け入れられない。
バーサーカーを助けようとするも金ピカがそんなことさせない。空気読まないそれが英雄王。
天の鎖で縛り付けられついに墓標となったサーヴァントに駆け寄ろうとするイリヤに…イリヤに…
目を切り裂かれ、肺を串刺しするというえげつない行為。
そういえばイリヤの目が切り裂かれるカットはぼかしてましたね。
先行上映ではちゃんと描写してました気がしますけど規制でしょうかね。
若干の調整が入っての放映となっていますとはアナウンスがありました。
残された力でバーサーカーのぬくもりを求めて這いずり
既に命のない狂戦士の肉体に触れ安心するイリヤ
十二の試練は全て使いきり、最後の命も失って死んだはずの英雄
それがイリヤの想いに応え宝具の力とは関係なくほんの僅か蘇り反撃
天の鎖をも引きちぎって迫り来るヘラクレスに金ピカもビックリさ。
「呆れた男よ、最後の最後で己が神話を乗り越えたか」
消えゆく狂戦士に称賛するかのようなこの言葉。くそうかっこよすぎる。
イリヤに酷いことしやがったのに奈須きのこ先生の書き下ろしセリフがずるいや。
しかもバーサーカーに後一歩でやられそうになる所は安定の慢心だし。
それにしてもイリヤを見るギルガメッシュの表情は本当につまらなそうなんですよね。
前回はセラとリズに寛大ともとれる言葉をかけてましたが、イリヤにはこれである。
英雄王の持つ独自の価値観はやはり雑種のぼくたち私たちに理解できるものではないね。
ギルガメッシュを意思を持つ大嵐と表現しているのは本当に的を得ていると思います。
ちなみに原作ではこの辺はかなり違う。
バーサーカーは二十の死すら乗り越えているが戦い自体はギルガメッシュの圧勝ムード。
鎖を引きちぎったバーサーカーにも特に驚きもせずに対応して終わりです。
アニメだと最期の一撃への対応はほんとに紙一重って感じでしたね。
自分の温もりを求めて這うイリヤを見て消え去る体をバーサーカーは意志の力で押さえつける。
死んだ数が違うのは原作では地の文で説明できるがアニメではそうはいかないっぽいので
わかっている情報だけで伝わるような構成にしたということでしょうかね。
これに関してはアニメでの描写の方が管理人は好みですね。
焦るギルガメッシュとその後の相手を称賛するかのようなセリフがセットなのもポイント高い。
「士郎、わかってるわね?」凛さんそいつわかってません!
イリヤを助けようと出ていこうとするも凛に止められた時のシーンも良かった。
鬼気迫る表情の士郎を後ろから押さえつけ口も塞いで「お願い士郎!」と懇願する凛。
士郎の叫び声も迫真すぎてイリヤの状態もあってこちらの胸まで貫かんばかりでした。
ちなみに収録時は門脇さんと杉山さんは隣り合わせだったらしく
士郎のあの叫びを真横で聞いていて、そのあまりの圧力に驚き、そして感動したとのことでした。
イリヤがいつかの森を思い出して安らかに逝けたのがせめてもの救いか。
一度くらいバーサーカーに抱き上げて欲しかったと言ったイリヤだが
西脇だっとさんのコミカライズでは抱き上げてもらってたりする。
ヘラクレスはかつて発狂した際に我が子を自らの手で亡き者にしてしまった
だから今度こそは自分を頼る小さな命を守ろうと思い聖杯戦争に挑んでいた。
バーサーカーにとってもイリヤは娘のようなものだったのであろうか。
15話エンディングは別バージョン。
先行上映のお話によると賛美歌アレンジとのこと。
15話はまさにイリヤファンを殺しにきてる内容でしたね。
アレンジ変更と原作にないオリジナルエディション満載で見応えも十分すぎた。
この回だけはイリヤとバーサーカーが主役になったと言っても過言ではない。
原作ではちょっとしたシーンをここまで膨らませて更にイリヤを可愛く描く。
監督さん含めてスタッフさんに愛された素晴らしいイリヤが見られました。
劇場版HFルートでのイリヤも本当に期待しています。今から涙腺にくる覚悟をしておこう。
16話はあれカットされてなければ衝撃の開幕となる…。
その後は凛ファンが待ち望んだシーンもカットされてなければ来るハズ。
もしも冒頭がショッキングでもその衝撃を和らげてくれることでしょう。
そしていよいよランサー兄貴の登場ですよ。次のサーヴァント対決も熱すぎるので乞うご期待。
門脇さんの演技が本当に胸に詰まる