『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』第57話感想 イリヤの姿にかつての自分と希望と見たジュリアン…慈愛の刃に貫かれた少年は本当の願いを取り戻す
ジュリアンの本当の願い
パンドラをエミーリア姉さんと呼び慕うジュリアンの過去。父であるザカリーはダリウスへ置換され、死を願うエミーリア姉さんの真実を目の当たりにするとは…一人の少年には受け止めきれない悲劇がジュリアンを打ちのめす。転がるのは形状置換生まれた血の通わない薔薇と、血を流して苦しむ一人の少女。そんなジュリアンの過去の記憶にあったのは最初の願い。本当の願い。エミーリア姉さんに普通に一人の人間として生を終えてほしかった
始まりは本当にそんなささやかな、そしてまっすぐで強い気持ちだった。思えば殺してと乞うエミーリア姉さんに死なないでと願うくらいジュリアンは素直だった。だけど少年は成長するにつれてそんな願いを押し殺してエミーリア姉さん…パンドラの望みを叶えようとするようになる。本当の願いは心の中にそのままにあるのに。なるほど…これは確かに嘘つきだ。ジュリアンと衛宮士郎は似ている
だとしたら気づかれてしまうのも道理か。イリヤはエリカを見守り話しかけるジュリアンの姿からジュリアンの本当の願いを予想していたのだ。一歩間違えば士郎も本当の願いを押し殺してたと思うと運命とはどう転ぶかわからないものですよね。「俺は悪でいい」とただ迷いなく前に進んだ男に追い込まれていた少年の心
叶いもしない夢にまっすぐな…言い換えれば子供じみた理想。ジュリアンはそんな眩しいものに背を向ける少年になってしまった。本当の願いを諦めて実現可能な願いへと置き換えていく。…これも「置換」ですね。置換魔術の家系がこれを語るのはなんとも皮肉な話である。敗北を認めたジュリアン
子供に負けた。かつての自分のような子供に負けた。そしてジュリアンは本当の願いを取り戻した。敗け方がまるでUBWルートのアーチャーを連想させるあたりがやはりジュリアンと衛宮士郎が似ているという言葉に拍車をかけますね。アンジェリカやベアトリスの例もあるし、ちょっとジュリアンのイリヤへの今後の感情も気になるでござる。パンドラも世界と向き合う時
外の世界でイリヤの勝利を確信した美遊は自分たちを閉じ込める空間を破壊してパンドラを連れ出そうとする。長い間ずっと絶望してきたパンドラにとってイリヤたちは希望の道標になれるかここからが正念場だ…!ダリウスが大人しいのがちょっと怖いぞ。
©Hirosi Hiroyama ©TYPE-MOON
起源弾がスタンバイしてますね