漫画版『Fate/Apocrypha』第6~7話感想 聖杯大戦で己の力を周囲に証明しようとがんばるムジーク家のゴルドさんと一族の繁栄を公言して大聖杯を目指す獅子劫界離
コンプエース2017年1月号より
コミックスが重版で大人気のコミカライズが2話同時掲載の1月号。
最初の方ではユグドミレニアの解説とゴルドさん家について語られる。
ユグドミレニアの一族は簡単に言うと時計塔で立身出世ができなさそうな魔術師の集まりだ。
衰退、事故で刻印消失、政治闘争で敗北、事情は様々だけどとにかく名を残したい我欲の集まり。
魔術師は代を重ねて長い時間とともにその魔術を磨いて輝かせていくのが基本となる。
でもまあファンにはご存知の通り、代を重ねても衰退する一族だってあるのだ。
ゴルドさんのムジーク家だってかつてはアインツベルンに並ぶくらいの名門。
でも衰退は始まって目立った業績も出すことができないからこの一族に参加したのである。
こうして多種多様な魔術が集まった一族が出来上がったのであった。
ただし時計塔からすれば所詮は烏合の衆という認識だったのである。
そんなのが今回の聖杯大戦で反乱してきたのだからそりゃあ怒るってものです。
一族をまとめあげるダーニックさんについても説明されている。
そう、なんと彼は時計塔における冠位(グランド)の階位を得ているのだ。
ちゃんと政治工作の賜物とか説明されて二級講師という肩書きも続いて残念感が増す。
それでも彼の実力は本物なのは間違いないのだ。
加えて政治工作や詐欺師としても一流なのだから稀有な人材であろう。
そんなダーニックさんを所詮はそれだけしかできない男と甘く見ているのがゴルドさんだった。
でもまあ増長するのも仕方がない面もあると思いますよ。
何しろ功績だけであげたら
・アインツベルンのパクリもとい技術提供によるホムンクルス量産
・サーヴァントの魔力パス分割実現
・魔力電池(ホムンクルス)によるサーヴァントへの魔力供給
・ジークフリート召喚
色々とやってますからね。
何もかも順調にここまで進んでこられたら調子に乗ってしまうのも無理はないのだ。
だから最初の一手を間違えてジークフリートさんと意思疎通できなかったのかもしれない。
ゴルドさんは時計塔の連中にも、アインツベルンにも、そしてダーニックにも
ムジーク家のゴルドの実力を見せてやろうぞと意気込む!
ちなみにダーニックのこと当主面するのが気に入らないゴルドさんですけども
魔術の腕前はカウレスや相良豹馬よりは上ですけどダーニックやフィオレよりは低いです。
だが代わりに魔術師としての誇りは海より深く山より高いのだ。
そしていざ聖杯大戦が勃発
英霊同士の戦いに圧倒されるゴルドさんであった
だがゴルドさんも自分に出来ること探そうと躍起になるあたり頑張っている。
ジークフリートの傷を癒したり、カルナさんのマスター探して一騎打ちを誘おうとしたり
ジャンヌからなんとか助力を引き出そうとしたり敵の真名を探ろうとがんばる。
そうこうしている内にジークフリートとカルナさんの戦いはお流れ。
どちらも宝具開放はせずに斬り合っただけだがハイウェイはご覧のようにガレキの山と化したのだ。
緒戦からこれではルーラーのジャンヌもため息の一つも出ようというものである。
聖杯大戦での己の役割を果たさんとジャンヌもこれから頑張っていくのだ。
次の話では赤の陣営のターン。
獅子劫界離とモードレッドのお話である。
聖杯大戦に挑むマスターの獅子劫さんもまたその準備に追われている。
モードレッドはすることがなくて退屈だっていう話だ。ついでに不機嫌である。
なにせねぐらが地下墓地ですからね。
獅子劫さんネクロマンサーだし霊脈としても上等なので利用しているのである。
そして前金として受け取ったヒュドラの幼体を加工して武器にしているのだ。
その猛毒はサーヴァントにも有効な攻撃手段となる。
FGOでも礼装になっているヒュドラダガーもこれである。
ヒュドラの説明でかの大英雄ヘラクレスも少し登場しますよ。
手持ち無沙汰になったモードレッドは獅子劫さんの聖杯にかける望みを聞く。
それは一族の繁栄というありふれた願いでした。
ただまあこの公言の裏にも事情が有って痛切なものも隠されているのだが
それが語られるのはまだ先の話となるのだ。
そしてお返しとばかりに獅子劫さんはモードレッドにその願いを聞く。
こちらの願いは選定の剣に挑戦させて欲しいというものだった。
抜けなかったらどうするという質問にも自信満々に抜けないはずがないと豪語するモードレッド。
王になりたいと願わないのはそれではアルトリアさんに認められないとわかっているから。
この願いを叶えようとしてモードレッドの物語も進んでいくのがアポクリファの醍醐味である。
獅子劫さんはその様子が見られて大満足。
自分のような魔術師にまっとうな騎士が召喚できるわけもないとどこか自嘲的に。
こうしてどんどん主従としてガッチリハマっていく二人。
お互いに背中を合わせて戦うようになっていくのだった。
敵陣への偵察というところで次回へ続く。
というわけでゴルドさんの6話と獅子劫さんの7話でした。
アニメ化も決まって勢いに乗っている『Fate/Apocrypha』のコミカライズ。
ゴルドさんと獅子劫さんの活躍はこれからなのでその勇姿に刮目せよ。
このゴルドさんが後に愛されキャラとして昇格するなどと誰が思うだろうか(反語)