漫画版『Fate/Apocrypha』第49話感想 人間の非道と理不尽さが産みだした世界機構の一端を目の当たりにした少年はそれでも前に進んでいく
激昂するアタランテ
子供たちは救われることなく終わりを受け入れた。聖女の手によって悪霊の集合体は昇華されたのだ。そしてそれを受け入れることができないアタランテ。確かにジャンヌはジャックたちを迷いなく滅ぼした。だからといって何も感じないなんてそんなわけはあるわけない。しかし今のアタランテにはそんなことは関係ないのだ。アタランテにとってはジャンヌは明確な悪なのだ。ジャンヌを射貫こうとするも多勢に無勢
ジャンヌ、アストルフォ、ケイローン、もともとジャック討伐のために編成されたチーム。それがそのままアタランテの暴走に対処することになる。流石に勝てないと悟ってこの場は撤退していくことになる。まだ理性まで失ったわけではないが、聖女が子供を切り捨てたと解釈したアタランテの憎悪は消えない。聖女を獲物と定め倒すために狩人は行動していくことになるのだ。ジーク君に刻まれた爪痕は深い
人間が産みだした地獄を目の当たりにしたことは、無垢なジークくんもあれが人間なのか?と答えを出してしまいそうになる。しかしジャンヌの言葉と姿を見てそれを思いとどまる。ジャンヌとて人間の非道を見ただけでなく、その身に体感した英霊。それでも彼女は人間を見限ってはいない。らないでくださいと言う。そういうものだなどと諦めないでくださいと彼女はジークくんに願う。少年は答えを出すためにこれからも人間を見ていくことになるのだ。美しいだけが人間ではない。帰還したアタランテを出迎えるシェイクスピア
アタランテも心穏やかじゃない状態なのでさっさと部屋で一人になりたい。そこにシェイクスピアがあれこれ聞いてくるものだからたまったものではない。でも彼だって大真面目にこの戦いに(面白さ優先で)挑んでいるのだ。だから問いたいと思ったら相手の都合とか関係ないよ!この作家…相手が神代の存在でも関係なくノリノリである
ジャンヌ・ダルクをこの手で始末するという不退転の意志に燃えるアタランテ
過去の事よりも、未来に生きるために我々は大聖杯を起動しなければならない。シェイクスピアの言葉で矛を収めたアタランテ…しかし聖女への敵意は燃え盛っている。あの女を殺すためならバケモノにだってなってやる。アタランテさんのメンタルケアをする人もいないので彼女はどんどん悪いほうへ転がっていくのであった。ⓒYuichiro HIGASHIDE/TYPE-MOON ⓒAkira ISHIDA
曇ランテさんタイム