漫画版『Fate/Apocrypha』第13話感想 ギリシャ神話に名高き大賢者ケイローンによる反撃開始とアストルフォによるジークくんの逃避行大作戦
コンプエース2017年7月号より
前回のあらすじ、今必殺の…幻想大剣(バル)
今回のはじまり、天魔失(ムン)
そして宝具開放の中止へ。
令呪による強制的な命令はこれまた令呪による命令でキャンセルしました。
ゴルドさんはあっというまに令呪をニ画も失う事になってしまった。
その事情はアキレウスにもわかった。
傍から見れば無意味すぎる行為。お前のマスターは愚かだなと揶揄するのであった。
これは言われてもしょうがないゴルドさんの手痛い失敗。
なぜ令呪による命令を令呪にでキャンセルしたのかというとダーニックの指示。
無駄に浪費することになった令呪は確かに痛い。
だが前哨戦においてジークフリートの真名を知られるよりは余程マシとの考えである。
だがダーニックとてここまで確信を持って止めさせたのはケイローンの言葉があったからだ。
そう、アキレウスの無敵のカラクリを当然ながらケイローンは知っているのだ。
始まる。ケイローン先生の反撃が…!
ケイローンの矢がアキレウスを傷つける
今回の聖杯戦争で初めての敵に傷を負わされたアキレウス。
召喚された戦場では場合によっては自分を傷つける敵が存在しないかもしれない。
そんな不安もあったのだがそれをこの矢がかき消してくれた。
それは驚きと歓喜。
自分という相手と戦えるどころか同等かもしれぬ敵の存在に昂るアキレウス。
まだ見ぬ相手を睨みつけ動けぬ大英雄の姿がそこにはあった。
本当に英雄の中の英雄みたいな反応をする男である。
そしてアキレウスが動けなくなった隙にフランちゃんは全速前進。
ケイローンの指示でアタランテを目指して一直線である。
その姿は走行というよりホバー移動。
これぞ彼女の宝具「乙女の貞節(ブライダル・チェスト)」
放電を纏う戦槌であるが武器としての用途は副次的なものにすぎない。
先端の球体はフランちゃんの心臓であり、尾部と本隊側部のフィンにより電力供給が行われる。
さらに自分や周囲から漏れる魔力を効率よく回収し蓄積するすぐれもの。
戦闘時はガルバニズムと併せて半永久的に戦い続けることができる。
溜め込まれた魔力によりフランちゃんは疑似的な魔力放出さえ可能とするのだ。
それにより加速!フランちゃんは遠方の敵を目指す!
とはいえアタランテはかなり遠方に居る上に優れたアーチャーのサーヴァント。
何の防護手段を持たずに突進するバーサーカーなどよい的である。
フランちゃんもそれは理解しているだろうが突き進む。
何故かといえばケイローンの指示を信じているからだ。
そんな無謀にも見えるフランちゃんを襲うアタランテの必殺の一矢。
それを撃ち落とすケイローンの矢
単純にして明快だがそれをやってのけるケイローンの恐るべき技量。
アタランテもビックリである。こうして読んでる読者もビックリである。
アキレウスを足止めしてアタランテの妨害、そして念話による報告と連携の指示。
そして蒼白な顔をするマスターへの気遣い。
自分を信じて欲しいと微笑むケイローン先生が頼もしすぎるのだよ。
世界でも有名な射手座の原型となるケイローンから解き放たれた矢が戦場を駆ける。
そんな凪いだ海のように穏やかな青年の姿をフィオレもまた信じるのであった。
そんな戦場の空気が少しだけ伝わってくるミレニア城塞の一室。
そこでまだ怯えるだけなのはこの作品の主人公ジークくんだ。
儚げな姿は可愛らしいんですがもうすぐ彼も自分で歩き出す時が来るよ。
そしてそれを手助けするのがアストルフォ。
ジークくんの震えも止まって安堵するあたりがまさにヒーローの登場。
この激闘がちょうどいいと思ったアストルフォによるどさくさ紛れの逃避行の始まりだ。
もうすぐ弱々しいホムンクルスともお別れ。
次回はおそらく色々と衝撃的なシーンが多いかもしれない。刮目せよ。
ジークくん可愛すぎ問題