TVアニメ『Fate/Apocrypha』第3話感想 太陽神の子と竜殺しの激突は並々ならぬ興奮。人が願いを叶える物語におけるそれぞれの主従関係、そして運命はついに歩き出す
初っ端からセレニケさんのお楽しみタイム。
だから舐めたり半裸で組みかかったりする程度で終わっているけど
でも本当はアストルフォを嬲りたくて仕方がない残虐で加虐趣味のお姉さん。
英霊と人間には絶対的な格差があるからできないのさ。
一応は令呪の重要性も理解してるので無駄使いして命令を強要する段階には至らない。
ちょっとアレだけど強くて優秀な魔術師、それがセレニケさんだ。
そして歩き出す『Fate/Apocrypha』の主人公。今は名も無き逃げ出したホムンクルス。
本来なら魔力電池にすぎないホムンクルスだった彼。
自我が芽生え魔術を行使して逃げ去った。立派な魔術師となったのだ。
彼はただ死にたくないから逃げる。そして出てきた言葉は「たすけて」
この日、運命が歩き出した
出会ったばかりの彼からの「たすけて」を秒で快諾するアストルフォ。
彼は自分は英霊だから助けてって言われたら助けるというスタンス。
これこそ天衣無縫の勇士アストルフォだ。
ちなみに原作小説でも主人公はこんな感じにマントにくるまれ抱えられています。
コミカライズではマントで荷物のようになってて少し隠す努力をしてるのだ。
ホムンクルスも主人公を一瞥しただけでこの場は去っていく。
生きたいというごく普通の願いを持って歩き出したホムンクルスの少年。
アストルフォと出会ってケイローンの部屋に匿ってもらったことで命は助かった。
だが彼は使い捨て前提のホムンクルス。要は魔力電池。寿命だって3年くらいの見込み。
立って歩くだけでも過労で意識を失う儚い個体である。
ケイローンに何故そんな存在を助けたのか問われてもあっけらかんと返答するアストルフォ。
底抜けのお人好しで楽天家。彼の行動的な部分が物語を大きく動かすことになるのだ。
楽しいお茶会
あやしげなお香を焚いてるけど、なんの変哲もない赤のマスターたちの集いだな!
でもアニメだけで見ると本当にどっしりと構えるマスターたちにしか見えない。
原作小説だとここの場面は報告会になっている。
例えば赤は7騎健在で黒はもう二騎しか残ってないとかそんな感じの報告。
その戦況報告を見ると彼らの様子が何かおかしいことにすぐ気がつくのだ。
でもね、赤のマスター達だってね、本当はね、強いんですよ。
容赦ないカルナさん
カルナさんの派遣とか神父さんも本気すぎる。
ちなみにシロウの構想段階だとカルナさんと赤のライダーでジャンヌ襲うのもあった。
ただ赤のライダーは「マスターの命令でも嫌なもんは嫌」という性格なのでお流れに。
カルナさん確認を済ませた後はいきなりの一撃。まだ現地入りしてないのにジャンヌピンチ。
そこへ現れた黒のセイバーとゴルドさん。カルナとジークフリートの戦端が開かれる。
アニメで見るとジャンヌのことチラ見してるゴルドさんが面白かった
それにしてもまさか名乗ってしまうとは
驚いたけど何かがあったに違いない。東出祐一郎さんも関わってらっしゃるし。
小説と違って「悪竜の血鎧」の効果の解説ができないからと個人的に思ってますがどうでしょうね。
しかしこの後の展開とかにも関わってるぐらいのアニオリだと思うんですが
例のシーンでの会話内容もちょっとどうなるか気になるので注目しておこう。
生前のジークフリート
こうして見ると民のみなさん英雄に依存してどんどんダメになってるのがわかる。
グンター王とハーゲンのビジュアルまで見られるとは思いませんでしたよ。
そして伝承だけ見ると非業の最期を遂げたジークフリートのシーンへ。
この後、彼の死で大変なことになるのだがそれはまた別の話。
そうそう、黒のセイバーの回想シーンで相対していたオレンジ君(仮称)は近衛原案でした。# アポクリファ
— 近衛乙嗣//3日目東シ-79b (@hagitcho) 2017年7月15日
ハーゲンは近衛乙嗣さん原案
このデザインと声優さんのこと考えるとこのまま回想だけの存在とは思えぬ。
並々ならぬ英霊同士の激突は見ているこちらも驚きと興奮をもたす。
二人とも派手にぶつかって動く動く。エフェクトも綺麗だで見入りましたよ
カルナさんもジークフリートもお互い会話は静かですが二人とも驚きと高揚があります。
「我が竜の鎧を貫く魔装、その術技、その伝説、その苦難…敬意を表する」
このジークフリートの台詞にカルナのやってることの凄さが込められている。
小説を読むと「悪竜の血鎧」と合わせて詳しく解説されていますよ。
二人とも半端ではない実力だというのが伝わるバトルシーンでした。
マスターのゴルドさんも自分の力を示そうと躍起になるあたり頑張っている。
ジークフリートの傷を癒したり、カルナさんのマスター探して一騎打ちを誘おうとしたり
ジャンヌからなんとか助力を引き出そうとしたりがんばる。
聖杯大戦においてやる気に満ち溢れたマスター、それがゴルドさんだ。
歩き出した主人公に「生きる」ことに意味を見つけさせるように促すケイローン。
ただ意味もなく逃げるだけでは此処で魔力電池として死ぬことと同じであろうと。
優しく手を差し伸べるアストルフォと、厳しく導くケイローンというバランス。
主人公は出会いという幸運によって助けられ答えを見つけていくのだ。
静かな声音に厳しさが込められた声優さんの演技が良かった。
人によって最適な教え方ができるケイローン先生はまさに賢人。
ちなみにユグドミレニアのホムンクルスはアインツベルンの技術も入ってる量産型。
ゴルドさんが色々と頑張って魔力電池によるサーヴァントへの魔力供給を確立。
そしてサーヴァントの魔力パス分割実現にまで至ってます。
アインツベルンは大聖杯強奪にもめげずに別のアプローチで奇跡の再現を頑張ってるのだ。
外部との繋がりと技術提供もその一環。
とはいえ子供に持たせる玩具程度の技術しか教えてませんけどネ。
カウレスとフランケンシュタインの心温まる交流。
フランちゃんの聖杯にかける願いは自らの痛みと絶望を癒すために同じ存在を求めている。
ぶっちゃけ伴侶となるべき存在が望み。
ヴィクターさんこんな形で見ることができるとはこれだからアニメ化は面白い。
フランちゃんに対してカウレスくんの願いに明確なものはない。
それもそのはず。彼は聖杯戦争に参加なんてしたくなかったんだもの。
魔術は好きだし根源に興味もある。
けど魔術師なんていう人でなしになって一生を捧げるのは御免というのが彼。
彼が生まれた経緯も当主となる予定の姉の予備という魔術の家系によくある事情。
この話をして思い出しましたが、そういえばソラウのお兄さんアニメには出てこなかったですね。
次に機会があるとすればもう少し先ですかね。
それにしてもフランちゃんやっぱり天使
フィオレとケイローン。黒の陣営においてまともな人間と良識あある英霊の組み合わせ。
今回でケイローンとフィオレはお互いに身体に関わる願いを打ち明けてくれました。
かつて色々あって捨てた不死性は両親の贈り物ゆえに取り戻したいケイローン。
これはもう多くのファンが知ってるでしょうけど原因はヘラクレスにあるのだ。
そして魔術師という生き方に影響を与えずに歩けるようになりたいフィオレ。
自力で直すと魔術の才能は失われてしまうのだ。
そしてフィオレの魔術師としての実力はダーニックに次ぐほどの高水準。
我欲などとは言ってますが人として切なる願いにほかならない。
可愛すぎるモードレット
本当に子供みたいにぴーぴー言う沢城みゆきさんの演技がとても良し。
地下墓地を工房にした獅子劫さんにご不満のモードレット。
だけどここは獅子劫さんにとって魔術的にも戦略的にも相性が良すぎるのだ。
ちなみに結界が探知用の仕掛けのみなのはここは仮のねぐらだから。
長期戦が確定したら罠とかしっかりしたものを仕掛ける予定なのだ。
獅子劫さんの王様呼び
固まってから再起動するまでもモードレッドのかわいいがかわいい。
小説では地下墓地と王様呼びのシーンは別なんですけどうまく合わせてきました。
連絡も骨FAXではなくセミラミス様の鳩が手紙を運んできてたりします。
獅子劫さんの言い方からもわかる通り民草を巻き込むやり方も非常手段としてはある。
でもモードレッドが嫌がるならやめておくという方針なのだ。
サーヴァントを意のままに動かすのではなく、
サーヴァントの意のままに動いてもらうことに重きを置く。
加えてモードレッドは意に沿わないマスターは切り捨てるサーヴァント。
獅子劫さんは聖杯大戦において互いの信頼関係が重要だとわかっているのだ。
でもまあ既にそんな考え関係なく既に気安いほど噛み合った二人は見ていて気持ちがいい。
そして信頼関係もへったくれもない赤のバーサーカーの暴走。
ユグドミレニアも一応はひとつにまとまっているけど信頼関係が結べてない主従もある。
さりとて戦いは待ってはくれない。事態はどんどん動いていくのだ。
信頼関係を結べなかった主従がどうなるかはこの先にわかるとして
4話は複数のサーヴァントが戦うことになると思うので楽しみですね。
というわけで3話では信頼関係を築きつつある主従にスポットを当てる感じでした。
聖杯にかける願いもどんどん明らかにしていきます。
なんといっても『Fate/Apocrypha』は人が願いを叶える物語ですから。
獅子劫さんの願いもどこかで語られると思います。
ちなみに地下墓地で語られるはずだった願いは「一族の繁栄」
願いを叶えるために開幕した戦いはまだまだこれから激しさをますのでお楽しみに。
しゃっぱなからペロニケさん出てきたのは笑ってしまった。