TVアニメ『Fate/Apocrypha』第4話感想 まっすぐな英霊アストルフォによってジークフリートさんが思い出した願いと生きることを始めたひとりの少年の運命
その男は筋肉(マッスル)であった
スパルタクスとユグドミレニアのエンカウント。
シェイクスピアに圧制者がここに居るよと教えられて城塞まで突き進んできたスパルタクス。
今回は原作から省略されてるシーンがいくつかあるので気になる人は小説を読もう。
例えばスパルタクスはゴーレムの他にもホムンクルスとも戦っている。
敵の攻撃を避けないであえて受け止めてからの反撃シーンとか彼らしさに溢れている。
アストルフォはいちいちあざとい
スパルタクスとヴラドさんの戦いもあっさり決着。
ここまで全速前進してきたスパルタクスさんの剣は圧制者には届かなかったのだ。
まあバーサーカー1騎じゃ複数の英霊相手は厳しいのだ。ヘラクレスじゃあるまいし。
けっこうペースが早いですが、その分が後半に回ると思えば楽しみではあります。
ここはヴラドさんが初めて気高い叛逆者を見て相手を認めるシーンでもあり
そしてスパルタクスさんから初めて微笑みが消えるのが見所というシーン。
圧制者に対して隷従させられる。それは怒りと、屈辱と、そして絶望。
小説1巻でもヴラドさんとスパルタクスの二人が印象深い場面。
コミカライズでは凄絶に描かれているのでオススメです
一つ対処したら即座に次の問題へ。セレニケさんも仕事してる…!
映像で見ると黒の陣営のまとまりとチームワークが感じられるのだ。
現場に出てきていないゴルドさんもやる気と虚栄心に満ち溢れている。
ムジーク家のゴルドの実力を敵にも味方にも見せてやろうぞと意気込む!
微妙にやる気のないアストルフォはホムンクルスのことが気になってるから仕方ないネ。
アキレウス一人でサーヴァントニ騎を相手取る無双ぶり。
己のことを真の英雄と豪語するのもその実力に偽りはないからさ。
二騎相手じゃ俺の本気は勿体無いからと戦車も出さないという余裕。
俺を倒したかったら七騎まとめてかかってきなというレベル。
無敵だし本人は強いし宝具もいろいろあって手加減ってなんだというレベル。
キング・オブ・無駄令呪王
などという異名をアポマテでも付けられた伝説のシーン。
ゴルドさん令呪無駄使いする前にいろんな葛藤があった。
他の黒のマスターはなんだかんだ良い関係を築いてるの見てモヤモヤしてたりですね。
自分も何を目指してるかくらいはちゃんと聞いて語り合うべきだったなーとかそんな感じです。
それも後の祭り、彼は愚かな令呪無駄使いをしてしまうのであった。
どうなるかなと思ってたんですがバルムンク開放中止の流れは一緒でしたね。
次回予告でアストルフォが叫んでたのでもしやと思ってたけどそうはならなかった。
アニメだとわかりにくいですがまず令呪の1画目は宝具発動で
ダーニックに怒られてからの「宝具の発動を中止せよ」の命令で2画目です。
ダーニックさん頑張ってた対戦相手がアキレウスであることに気付いたケイローン先生の報せを受け、数十年ぶりに全力疾走でゴルドのところに走ったっぽいダーニック……。 #アポクリファ
— 東出祐一郎 (@Higashide_Yu) 2017年7月22日
アキレウスとアタランテの活躍もこの時点では顔見せ程度のもの。
二人の出番はまだこの後にたくさんあるので楽しみにしておこう。
今回はアキレウスが喋って動くとこ見られただけでも満足度が高かった。
アストルフォと主人公の逃避行。
そんな二人を途中で一瞥してくる戦闘ホムンクルスたち。
これを見るとアニメでも彼らが主人公を見逃しているってわかりやすいかもしれない。
そこには哀れみと微かな希望。そんなわずかな感情で見送っているのだ。
ホムンクルスにも思うところがあるんですがそれはもう少し先で語られます。
まっすぐなアストルフォ
まだ生まれたばかりのような主人公はよくわからないことばかり。
そんな主人公にアストルフォの単純明快な言葉がよく響く。
仮に主人公がうまく逃げれても彼はまず自分の人生という暗闇を抜け出さなきゃいけない。
それでも一人の人間が生きることに意味など必要ないのだ。
刺客としてジークフリートさん現れたら危機感から真剣になるアストルフォ。
本当に可愛いから格好良いまで幅広くて見てて面白いのだアストルフォ。
主人公の使った魔術は対象物の組成を吟味して最適に破壊するもの。
(この場合は対象が人間なので肉を裂いて骨を砕くものになる)
対してゴルドさんが使用した魔術はその魔術の欠点を突いたものとなっている。
肉体を砕くための魔術も対象の組成が鉄となったら小規模な爆発で終わるという話。
ゴルドさん家は魔術師としてもそれなりの家系だし現当主の彼も無能ではないのさ。
ムジーク家の全盛期はアインツベルンの背中が見えるくらいには凄まじいものだった。
ゴルドさんの魔術の腕前はカウレスや相良豹馬よりは上でダーニックやフィオレよりは低い。
そして魔術師としての誇りは海より深く山より高いのだ。
そんなゴルドさんも何もかも思い通りに行かず冷静ではいられない。
極めつけは今まで従順だったジークフリートの反論である。
半狂乱になったマスターに突き刺さるジークフリートの腹パン!
ちなみにゴルドさんは原作1巻のプロット時点ではここでお亡くなりになってたキャラクターだった。
そんな背景を乗り越えて生き残った彼のご活躍にご期待下さい。
ゴルドさん人間臭い愛嬌にも溢れているのでそこがこの作品の楽しみの一つ。
黒のセイバーとそのマスターはこういう結果になったけど
アニメだけ見てもジークフリートさんを都合のいい願望機として扱ってた生前の民衆より
「おい嘘をつくなお前にも願いはあるだろう?」
って信じて疑わなかったゴルドさんの方がよほどジークフリートという個人を尊重してる。
一人の少年に救いと試練を同時に与える竜殺し。
危うく生前と同じことをしてしまうところだったジークフリートですが
アストルフォの言葉で彼はついに自分が助けたいと思った者を助けることができました。
けっこう駆け足でしたけどここに至るで前回の話でもジークフリートさんは回想シーンまで描写。
それに心の底から出てきたかのような言葉も聞けるとはアニメでも良いシーンとなってます。
俺の願いはなんだったのだろうと目指していたものを見失いかけていたジークフリートさん。
FGOでは「聖杯に望むものは特にない。ただこの戦いで正義を全うできれば、それでいい」
とマイルームでハッキリ言えるようになっているのだ。
FGOのアストルフォにも次から誰かを助ける時は、俺にも声をかけてほしいと言っている。
実はアストルフォを見て散り際のジークフリートさんあること考えてるけど彼の名誉のために黙っておこう。
かくして二人は出会った
ジークフリートの最期を直接看取ることになるのはアニメオリジナル。
ここはなるほどなと思いました。これでジャンヌとジークの初対面シーンを省略。
更にこれで事情を知ってるので諸々の説明も必要なくなったのだ。
そういう理由を抜きにしても竜殺しの結末を見届けてくれたのは個人的に嬉しい。
よく見ればここも森の中とは言え月の下であろうか。そう、これも運命の出会い。
そして『Fate/Apocrypha』は人が願いを叶える物語。
自由を得た主人公がここから何を願ってまずはどう動くのか見届けましょう。
というわけでけっこう巻いている感じですが最後に良いものが見られました。
アニメからの人はどういう印象を受けたのかは少し気になるところです。
ゴルドさんに関しては葛藤とかアニメではわかりにくいけど仕方がない。
だけど今後の彼の言葉とかカットされなければ好きになる人も増えるでしょう。
5話は主人公の命名とか揺れるユグドミレニアとか注目。
すまない・・・
だが、彼の事は君達に任せた・・・