TVアニメ『Fate/Apocrypha』第13話感想 黒と赤の陣営勝負という前提が崩れた時、聖杯を巡る大戦に身を投じる覚悟を決めた少年ジークが最後のマスターとなる
開幕ぷんすかアストルフォ
結果的に生き残ったとはいえ戻ってきて無茶苦茶やって命を落としたジーク。
そりゃもう彼の身を案じるアストルフォからすれば何やってんだって感じで怒るのである。
ジークもすまないとは思っているけど今後も無茶をするつもりだと表明。
アストルフォもそんな彼だからこそ助けてあげたくなっちゃうわけだ。
だが彼の道にはいつだって障害が立ちはだかる。
いざ仲間を助けに行こうとしたらセレニケさんの登場である。
ユグドミレニアの危機にありながら欲望を優先したマスターがジークに襲いかかる。
空中庭園でも集ったサーヴァントたちにより穏やかではない状況。
向かい合うのはルーラーとルーラー。
そして願いを持ってはいけないルーラーが聖杯を求めるというイレギュラー。
ジャンヌはルーラーとして天草とはぶつかる運命にあったのだ。
アインツベルンが本来ルーラーとして召喚できない天草を無理矢理に召喚したせいでもある。
天草が大聖杯を手にして赤の陣営の掌握に動いてようやく対峙した二人。
反発して問いただすジャンヌについつい熱くなって「俺」って言っちゃう天草四郎時貞。
例え誰に何を言われようとも天草は己の人類救済という願いは止まらぬ。
言葉で止まるくらいなら60年も待たない。ならば後は戦うのみであろう。
アキレウスやアタランテもこの時点では天草に反発。
知らないうちにマスター替えさせられてたらそりゃ大なり小なり面白くない。
一応はサーヴァントとマスターという契約に応じた戦士なので裏切るわけにはいかないのだ。
「平和的に話し合い私に全ての令呪を譲っていただきました」
これもまあ嘘ではないよ!少なくとも命があるから平和的ではあるのじゃ。
ちなみに赤のマスターたちは夢を見ています。
自分たちが聖杯大戦に勝利して栄光と報酬を手にした楽しい夢をね。
天草の願いは切なるものなんですが、どうしてこうも胡散臭いのか。
更に言うと余裕のある風体ですがかなりの綱渡りしてますよ。
例えばアキレウスの攻撃をセミラミスが防いでいましたけども
この時点でアキレウスが本気だったらセミラミス様はやられていたのだ。
カルナさんがとりなしてくれなかったらどうなっていたのかもわからない。
とはいえこれで流れは天草のもとなった。
彼は着々と己の願いを叶えるためにその道を進んでいくのであった。
さようならセレニケさん
見ての通りすごい令呪の無駄使いですが本人的にはまあ楽しかったのであろう。
今まで令呪を使わなかったのは一応は欲望を優先すると後がまずいとちゃんと考えてたからです。
あくまでも最初のうちはね。ついに我慢できなくなっちゃいました。
彼女は間違いなく優秀な魔術師。問題はその加虐趣味にあった。
本来は彼女の家系は生贄などは冷徹に処理するのが鉄則、トランスなどもってのほか。
でもまあ衰退した一族に生まれた優秀な才能にそのへんは目をつむったのだ。
教育方針を間違えたせいで起こった悲劇。声優さんも熱演お疲れ様でした。
小説ではモードレッドがジークに幾ばくかの同情をするシーンがあるんですが
それは地の文で説明されている描写なんですよね。
大聖杯は諦めるんだなとジークに忠告して去っていくシーンもあります。
アニメでは不快そうにセレニケさん処理することで表現されていると思いましたね。
セレニケさんみたいのでも一応はマスター。
それを失えばアストルフォは消滅するしかない。
アストルフォは単独行動スキルBランクを所持(マスター不在でも二日は現界可能)
ですけど令呪の命令に抗うのはけっこうな魔力が必要となるのだ。
さすが黒魔術の家系のセレニケさん。こんな置き土産だけは優秀なんだからもー。
そんなわけで目の前に消えそうな恩人が居るジーク君の行動とは?決まってるよね。
ジークとアストルフォの契約。
それは聖杯大戦への本格的な参戦を意味する。
アストルフォからしたらそれはちょっと認められないけど
どんどん自分から厄介事を抱え込んで行こうとするジークに押し切られてしまう。
「君を見殺しにするくらいなら死んだほうがいい!」
まだまだ生まれたばかりなのでこういうのストレートに言えちゃうジーク君いいよね。
巡り巡ってついに主従となったジークとアストルフォ。
セレニケさんにも見せてあげたいほど良い光景ですね。
空中庭園でもマスターとサーヴァントの契約が移り変わる。
「僕のマスターに手を出すな。降伏の条件としては適切だろう?」
「ほほう…己の身と引き換えに主の安全を保障させるとは」
マスターを守るだなんて…なんていいひとなんだアヴィケブロンせんせー。
アニメからの人にはこのシーンがどう見えたのかは非常に興味があります。
そして彼の願いであり宝具のお披露目も近い。
モードレッドはここぞというところでカッコイイ登場をする。
カメムシ女ってここ言っちゃうんだ。管理人あの絶句するシーン好きなんですけど!
赤の陣営に組み込めなかったモードレッドの乱入で改めて生まれた境界線。
天草に賛同するものとしないものである。
人類救済という天草の願いはジャンヌとしては認められない。
けれどルールに反していてもその願いには抗しがたい誘惑がある。
救いたいと思うことは決して間違いではない。だからこそ賛同する者も現れるのだ。
ホムンクルスを救うという言葉を有言実行するジーク。
平たく自分たちに自由をくださいと直接交渉である。
ユグドミレニアと敵対するか融和するか、どちらになろうとも譲れぬ1点。
それを勝ち取るためにジークがハッキリとみんなの前で言葉にした瞬間である。
もっとも黒の陣営のマスターからすればわけがわからないかもしれない。
ダーニックは戻ってこない。セレニケもいつの間にか退場。
ホムンクルスは勝手に行動するしアストルフォはジーク側。
一夜にしてユグドミレニアは不利な状況に立たされる。
その上でキャスターまで寝返ったとなればもうどうしようである。
ちなみにこの一連のシーンはかなり小説と違います。
中でもゴルドさんがジークに向かって言う台詞が削られてました。
「何故だセイバー!何故自決など!それもたかだかホムンクルスのために!
戦いが嫌だというなら、お前は最早英雄ではない!
私のサーヴァントだったことが、それほど不満だったのか!?答えろ、ジークフリート!」
「私が悪かったのか?だが混乱していたのだ、混沌とした状況だったのだ!
しかし、悪いなら悪いと言ってくれれば、私だって譲歩した!わた、私は――!」
この後にアストルフォの指摘を受けてようやくゴルドさんが己の失策を完全に受け入れる。
もういい、ホムンクルスを解放してやろうと口にするシーンです。
ここは長くなるから仕方ないんですけどね。見たかった。
でもゴルドさんの見所はまだまだあるので今後に期待です。
ジークとホムンクルスたちのシーンも原作とはかなり違います。
ジークくんとホムンクルスとの触れ合いも省略されてます。
「生きていたなら、ちゃんとそう言ってください。この馬鹿」
※ジークが死んだ時にホムンクルスたちはそれを知覚してたのでかなりショックを受けた
って全力疾走でやってきてジークくんを睨みつけて言うホムンクルスの少女も居るのですが
石田あきらさんのコミカライズに期待をしているのだ。
省略というとアニメだとアヴィケブロンの凄さがいまいち伝わりにくいかもしれません。
小説だと彼の宝具については今回の話の中で天草やフィオレが触れているんですけどね。
もしも赤の陣営との決戦前に発動していたら戦況はどうなってたかわからない程の代物。
そしてその宝具の起動のために馳せ参じたロシェくん。
既に契約は切れて主従の繋がりはないけどそれでもロシェの気持ちは変わらない。
尊敬する先生のために尽くすし、そのためならどこにだってついていくのさ。
アヴィケブロン最大の見せ場になる次の話に刮目せよ。
というわけでEDもOPも切り替わって後半戦の開幕でした。
OPではジークくんと天草の対決がハッキリと描かれていて
EDは水も滴るいい男女でした。
黒と赤の陣営勝負という前提が崩れた時、最後のマスターが誕生する。
ジークくんの戦いはまだまだ始まったばかりだ。
ジークとアストルフォの結婚式
モードレット神父のケーキ入刀
見どころでしたねぇ