TVアニメ『Fate/Apocrypha』第23話感想 命ある限り最後まで勝ち続けたモードレッド&獅子劫界離と、ペンで聖女の心を折るウルトラ文豪シェイクスピア
獅子劫界離とモードレッドが挑むことになる最大の敵セミラミス。
共闘などはしたけれど基本的に二人だけで聖杯大戦を駆け抜けてきた。
そしてついに玉座にまでたどり着き、奇しくも相手は王。
しかもモルガンに似ているとまでなればモードレッドには役満。
負けられない戦いがここにある。
ちなみに祝宴のくだりは小説では語られてますがモードレッドには憧れのひとつだった。
なにせパーティーあっても兜外せないから参加なんてできませんからね。
さらに言うとこれが終わったら祝宴やろうぜというのも不可能な話。
何故なら聖杯大戦の終わる時とは二人の別離の時なのだから。
わかっていて二人共に他愛のない話を続ける。
そしてお互いの願いを見つめ合う。そして最後の戦いへと挑む。
そうして決意とともに挑んだ女帝セミラミスはやはりとんでもない怪物だった。
開始からすぐにペースはセミラミスのもの。モードレッドはあっという間にピンチ。
この空中庭園そのものがとんでもない宝具なわけで、
その玉座となれば備えも万全。部の悪い戦いというわけである。
驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム)
空中庭園の玉座の間にてのみ発動できる対軍宝具。
空間や魔術そのものに「毒」という環境特性を付与。
毒に耐えた逸話があれば弱体化にボーナスが付くが、
逆に毒殺された逸話がある場合はダメージが倍加する。
イメージ的には、毒々しい色をした鎖という形で顕現する。
それにしても鎖で絡めとられる姿はヘラクレスやイスカンダルを思い出しますね。
クラレントも通じず打つ手が何もない。
このままでは負けてしまうが、サーヴァントにはマスターが居る。
モードレッドを勝たせるために死地へ飛び込む獅子劫さんがかっこよすぎる。
このへんちょっと駆け足だったり順番が変わっているので小説がオススメです。
モードレッドが死ぬより負ける方が嫌だし獅子劫さん勝たせたいと叫びます。
勝率1パーセント。それだけあれば充分だのところとかしびれますよ。
普通の少女のようなモードレッド可愛い
この聖杯大戦での出会いで気づかされた事柄。
そして伝説の幕開けを目の当たりにして全てを悟り答えを得たモードレッド。
ここを見たらそりゃ何が父上と食い違いっていたかもわかろうというもの。
セミラミスの相手を堕とそうとする毒のような言葉ももう関係ない。
残された願い。即ち目の前の女帝の首を取ることである。
セミラミス様は不用意に近づいてるけどもう勝負ついたようなものじゃしね。
モードレッドが堕ちるとこ見たいしでついついネ。
「令呪を以って命ずる、今こそ王を討てセイバー!」
この状況に合わせた内容と賭けに勝った流れからも好きな令呪の使い方の一つ。
まずセミラミスが早期に撤退していればアウトだったし
モードレッドに打った注射(血清)が効果無い可能性だってあった。
いつどこで負けていてもおかしくない紙一重の勝利だったのだ。
獅子劫さんは密かにヒュドラ毒の血清を作っていた。
しかし代償は大きい。獅子劫界離は死ぬ。
獅子劫さんと同じくモードレッドもそれに付き合って二人の旅もここが終点。
サーヴァントが答えを得たようにマスターも求めていたものに気が付けた。
獅子劫さんが養子として迎えた少女は呪いのために無残な死を迎えた。
それは忘れてはならないもの、無意味にしてはならないもの。
娘の犠牲を意味あるものにしたい。
だが本当は娘を取り戻したかった。魔術師失格の願いを持っていたのだ。
獅子劫さんはあの娘が生きて笑いかけてくれさえすれば満足だった。
そんな獅子劫さんが管理人は好きだ。
二人のコンセプトは好き勝手に暴れて戦って戦って最後には笑って死ぬ。
まさにその通りに駆け抜けた主従になりました。おつかれさま二人共。
おまたせノリノリ文豪シェイクスピアだよの時間。
ジャンヌからすれば負ける要素などあろうはずもない相手。
しかしながらそれを覆すのが宝具という存在。
そして肉体的に強いという自負があるものほど搦め取るのが得意なのがこの作家なのだ。
開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ)
シェイクスピアが発動する究極劇。
対象となった人物にとってもっとも効果的に打撃を与えられる場面を再現する。
シェイクスピアの言葉で絶望への後押しをする隙を生じぬ二段構え。
とはいえ配役がシェイクスピアばかりなのちょっと笑ってしまう。
ジャンヌからするとどんどん笑い事ではない方向へと話は進む。
そう、ジャンヌはジークと出会ってしまった。
そのことが余計にウィークポイントとなる。
そしてジル・ド・レェはジャンヌの心を折るのに最適な存在。
彼は偽物ではないんですが、アニメの凄いところはその説明が不要なとこ。
ジルドレさんを演じる鶴岡さんの声が何もりも本物だと証明してくれる。
恋心を認めないジャンヌを前にして表情険しく憤るのが本当にジルドレさんらしい。
そこから苛立ちながらの芝居がかった口調と徐々に変わっていく表情。
ギョロ目ドアップのジルドレさんはZeroを思い出したし
熱の入った演技はジルドレさんというキャラを深く研究していることを改めて理解した。
何が言いたいかというと鶴岡さんはすごい人だという話。
放心状態となったジャンヌ
これどうなっちゃうんだ感。23話の引きはやはりこうなった。
心を折る決め手になったのはとある情報なんですが、これも小説のがわかりやすい。
小説は最初から読むべしなんですが、気になる人は最終巻だけでもいかがでしょうか?
アニメはここからどうなっていくのか、いよいよクライマックスは近い。
「この解釈が間違っていたって構わない。勘違いだって構わない。誰よりオレが納得した。だから、もういい」