TVアニメ『Fate/Apocrypha』第24話感想 人間を諦めなかったジーク!少年が好いた女性を失う哀しみを知る時、憎しみの刃で天草との決戦が始まる
天草四郎時貞の人類救済への願いへの道程。
彼は憎しみを捨てるとは言っていましたが、それは並大抵のことではない。
むしろそれを捨てるなんてとんでもないという話ですよ。
人間は悲しいほどに人間なのだから。
けれど人類救済の願いのために彼はただ走り続けた。
「人類が平和で幸福に満ちていますように」
手段や過程を問わねばこれは間違いなく多くの人々が祈る事。
故に天草は奇跡をその手に掴むことができた。
そしてジャンヌは目の当たりにする。天草四郎時貞の凱旋を。
天草の人類救済の具体的なプランもここで解説されました。
何かが間違っていることはわかるのに心が折れかけた彼女には満足な反論もできない。
天草に敵意はなく、ジル・ド・レェはジャンヌを落とそうと言葉を重ねる。
しかし折れかけた心はジークの存在によって持ち直すことになるのだ。
ジークの死は世界のためなんて言わせない、背負うならば自分だと。
そして会いに来たジークの姿によりジャンヌは復活してしまう。
ついでにまるで恋する乙女じゃないかですって?
気になる男の子が死ぬことを覚悟した時に貴女のことを考えてた。
会いたいから走ってきたなんて言われて響かないわけがないのだ。
ジークくんが人間という存在に出した答えを聞いて完全に復活したジャンヌ。
人間は学習で善か悪かどちらかに偏るものなのだ。
言峰さんの言葉を借りればそれは悪を知りながらも、悪に走らぬ者がいるからだと。
人間とは、悪を持ちながら善と生きられる存在だと語られていましたよね。
だったらジークくんは人間について諦めることだけはしない。それが答えだった。
調子を取り戻したジャンヌは手始めにジルを導く。
ジャンヌの心を折るのに最適だったジルの旦那。
だけど彼がジル・ド・レェであるが故にジャンヌの言葉により聖女の味方にもなったのだ。
もちろんシェイクスピアはこのリスクを承知の上で召喚しました。
いやいや何で召喚したんだって?
えー、シェイクスピア氏は「だって面白そうだから」などと供述しており…
そして天草とジャンヌは激突する。
どこかで見た巨人の白いバージョンとか、
ジルドレさんが顔芸してた時は話が若干頭に入ってこなかったとか
戦闘始まってからのシェイクスピアの動きが面白すぎるとか色々あったね。
紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)
炎を発現させる聖剣。
ジャンヌが迎えた火刑の最期を攻撃的に解釈した概念結晶武装。
固有結界の亜種で、自身の心象風景を剣として結晶化したもの。
生み出す焔が敵対するあらゆる者を問答無用で燃やし尽くす。
この剣は「英霊ジャンヌ・ダルク」そのもの。だから…
使用後、ジャンヌは消滅する運命にある。
この焔は彼女が「打ち砕くべき」と思ったものを打ち砕いて何かを救済するための宝具。
奇しくも天草の願いを否定して人類の未来を救うために放った宝具となりました。
天草の捨て身の攻撃でも相殺することができず、大聖杯も八割以上やられてしまった。
だが天草も聖杯も無事、まだ彼の願いは潰えたわけではない。
ジャンヌはここで退場することになる。
だけど彼女は約束をする。
どんなに時間がかかっても必ず会いに行きますからと。
それは彼女にも確かめなければいけないことがあるからだ。
それが果たされるまでジークとジャンヌはしばしの別れとなる。
後に残るのはレティシアの肉体。ジャンヌの炎はここで消えてしまった。
今度はジークの私怨が燃え上がる
感情を燃やして戦う不完全な人に近くなっていくジーク。これもまた成長。
その矛先はジャンヌを消してしまった天草四郎時貞に対して向いている。
今こそ本当に最後の戦いが始まろうとしているのだ。
外野は何もできないように足止めされています。
今この場で一番強いのは宝具も含めて健在なアストルフォ。
彼に暴れられたら天草は対処することができない。
致命傷であとはもう消えるのを待つのみのセミラミスも鎖くらいしか使えない。
だからこうしてアストルフォを足止めするしかないのだ。
ちなみにセミラミス様が未だに現界しているのは空中庭園のおかげ……
ではあるのだが、それだけではなく何かを成そうとする意志の力も要因なのだ。
彼女にも意地がある。シロウのサーヴァントとしての。
そして始まる最終決戦。
ジークくんめっちゃ目つき鋭くなってるのいいよね。
それは天草も同じ。
小説で知ってはいてもそんな顔もできたのか!と初見のように驚いた。
戦闘シーンは動く動く。…いや動きすぎた!
ここに来て想定と期待以上のもの見せてくれるアニメスタッフさんに脱帽ですよ。
サーヴァント並の機動を見せて戦うジークくんが格好良い。
ジークフリートになってないホムンクルスがここまで戦えるのには理由があった。
ジークくんがモードレッドに殺された時を覚えているでしょうか。
ジークが蘇生するときに彼はフランちゃんの宝具の雷を浴びていた。
磔刑の雷樹は低確率で第二のフランケンシュタインを生む可能性があり、
ジークはフランちゃんの意思の一欠片を託されていたのだ。
今の彼は周囲の魔力を集める永久機関もオーバーロードも使える。
第二のフランケンシュタインの怪物みたいなものなのである。
ジークの助力をするフランちゃんにカウレスも気が付く。
それを見て誇らしい気分になったカウレスの魂が叫びたがる。
それはカウレス君がフランちゃんの最期のとき言えなかった言葉。
言え、言ってしまえ。叫べ、思いっきり叫べばきっと、滅茶苦茶に痛快だぞ!
「やっちまえ!! バーサーカー――――――!!」
天草への怨みで戦うジーク。
好いた者を殺された哀しみの感情は人類救済のために天草が捨てたものだった。
単純な話、ジークは相手を許せない。
「必ず殺す!」 って感情をそのままぶつけてきてるジークの姿が良い。
そんなジークにふざけるな!って叫ぶ天草もまた良い。
よりにもよってその感情でホムンクルス(完全な存在)が自分に立ち向かってくる。
天草にもジークはもう許せない存在。
「お前にだけは絶対に負けるものか!」とお互いに拒絶する構図ですよ。熱い。
高速で動きまくるバトルと感情をぶつけ合う対照的すぎる二人。
それもブラステッド・ツリーが放つ裁断の雷に飲み込まれる。
盛り上がるだけ盛り上げて引き。これで来週まで待てというのか!
というわけでバトルも動いて話の流れも滅茶苦茶に熱い24話でした。
24話タイトルも「聖杯戦争」っていうのがシリーズファンからしても熱い。
新BGMも演出の盛り上げに一役買ってもうすごかったと言うしかない!
そんなアニメも次でいよいよ最終回となります。
ここまで一緒に見てきたみなさんと最後まで見届けていきたい。
俺が捨てた感情で立ち向かってくるな………!!