『ロード・エルメロイII世の事件簿 1巻 case.剥離城アドラ』感想 魔術師の世界においてロード・エルメロイII世はどのような人物なのかがわかる1冊
今更と思うかもしれませんが漫画版の感想を書く前に一つ触れておこうかと。
まずこの本でわかるのはロード・エルメロイⅡ世がいかなる魔術師かということ。
今までは設定としての情報やゲスト参戦みたいな扱いが多いロード・エルメロイⅡ世。
そのロード・エルメロイⅡ世が主役として活躍して物語を紡ぎます。
魔術師の世界において彼がどんな勇名やら悪名を馳せているのか?
その中で天才たちが持つ才能はどうしても眩しく見てしまう姿も印象的。
だけど決め手にはいつも彼の手腕が光っている。そんな1冊となっています。
あらすじ
>「……ある意味で、現代の魔術師とは、天使を蒐集する職業だといってもいい」
>『時計塔』。
>それは魔術世界の中心。
>貴い神秘を蔵する魔術協会の総本山。
>この『時計塔』において現代魔術科の君主(ロード)であるエルメロイII世は、
>とある事情から剥離城アドラでの遺産相続に巻き込まれる。
>城中に鏤められた数多の天使、
>そして招待者たちそれぞれに与えられた〈天使名〉の謎を解いた者だけが、
>剥離城アドラの『遺産』を引き継げるというのだ。
>だが、それはけして単なる謎解きではなく、
>『時計塔』に所属する高位の魔術師たちにとってすら、
>あまりにも幻想的で悲愴な事件のはじまりであった──。
>魔術と神秘、幻想と謎が交錯する『ロード・エルメロイII世の事件簿』、いざ開幕。
というわけでこの1巻では「剥離城アドラ」の謎に挑む魔術師たちが活躍します。
そこに集うのは魔術師の世界でも名前の知られた人たちばかり。
Fateにおける時計塔の話が大好きで気になるという人は見逃せませんよ。
魔術師の実力者たちが見られるという点でもオススメです。
その中でも見所のひとつなのがルヴィアさん。
彼女もコメディ担当みたいなところがありますが、事件簿ではお笑い抜きです。
彼女こそは宝石魔術の使い手であり優美なハイエナで容赦のないルヴィアさんだ。
そんなルヴィアさんとロード・エルメロイⅡ世のファーストコンタクトは最悪の一言。
魔術師の世界における殺伐とした彼女を是非ともご覧あれ。
その他に好きな魔術師というと管理人はまずハイネ・イスタリですね。
ハイネの経歴も戦い方も妹を守るための行動も好きだった。
ただまあ獣と再戦した時から危うい予感はしていたんですけどね。
あの結末は最初に読んでたときはちょっとショックだったのだ。
ただ1巻だけの登場キャラに限定すれば管理人はオルロック・シザームンドが一番好きです。
彼がロード・エルメロイⅡ世に同盟を持ちかけるあたりから好感度が上がっていきます。
最初は老獪にして油断ならない魔術師かとも思ったんですが愛嬌らしきものがあるんですよ。
読んでいるうちにいつの間にかオルロックには頼もしさを感じていたくらいだ。
実力も申し分ないし蝶魔術(パピリオ・マギア)の使い方もかっこよかった。
「剥離城アドラ」の謎が解けてくるとオルロックとアッシュボーンの関係も明かされますが
このあたりの事情はやっぱ魔術師ってやつは手段を選ばねえなあもう!ってなる。
オルロックが好きな理由は全ての謎が明かされてからの彼の最後の行動のせいもある。
そして一番のビックリ箱だと思われるグレイと最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)。
当時は読んでいて驚いた人も多いのではないでしょうか。
まだ1巻では彼女の出自とかに軽く触れているだけですが
1巻以降も読み進めていけばもっとビックリすること請け合い。
グレイちゃんの可愛さに萌えることも間違いない。
色々と驚いて1巻の最後にわかるロード・エルメロイⅡ世の目的。
それは第五次聖杯戦争に参加することだというのが分かります。
グレイもまた師匠の戦いに連れて行ってくれという要望を口にする。
>「だから、ボクはその栄誉にふさわしい人物にならねばならない。
> 順序が逆になってしまったけれど、
> あなたの見る目は間違ってなかったのだと証明しなければならない」
偉大なる征服王の臣下であるために。
これこそがロード・エルメロイⅡ世がその歩みを止めない理由。
この1巻は本当にロード・エルメロイⅡ世という人物を知るための1冊でした。
ちなみにミステリー要素もありましたが先が気になって推理とかはしなかった管理人です。
謎はロード・エルメロイⅡ世が解いてくれるしね。
ついでに魔術師が他人に知られたくないような家の秘奥も暴いちゃうぞ。
魔術が織り成すミステリーな事件簿、読んでみるとハマれると思います。
事件簿は既存キャラがゲストで出て来ていつもとは違う面を見せてくれるのが素晴らしい