漫画版『Fate/Apocrypha』第38話感想 譲ることのできない望み…聖杯を求めて戦うマスターとサーヴァントの願いが交差する
獅子劫界離の来訪を迎え入れるフィオレ
アヴィケブロンの裏切りから起動したアダムを討伐したとはいえ度重なる不測の事態に対してユグドミレニアはボロボロである。一族の長を失い、このままでは自らが始めた聖杯戦争での野望も断念せざるを得ない。そこにやってきたのは赤の陣営とは袂を分かつことになった獅子劫さん。敵の敵は味方…誰が敵となり誰が味方となるかわからないのも戦場というものなのだ。一触即発の赤の陣営
本来は味方である者たち同士が争う寸前となっている。実はあなた達のマスターは私の手中でしたと言われていきなり納得できるわけがない。人類救済という願いを掲げていても、どれだけ高尚な目的を語ろうとも、まずはサーヴァントであるならマスターはそう簡単に見捨てられないのだ。それにまあ顔も見てないから…もしかしたらいい人かもしれないからね!(違いますけどね)見捨てられる人もいる
英雄たちが語る譲ることのできない願い
自分のためであったり、人のためであったり、どれもサーヴァントとして戦う前提にして守るべき願い。方向性こそ違えどその願いに物申されるとアキレウスもアタランテも黙ってはいない。セミラミスはアキレウスの願いは平凡って言ってますが…全然平凡ではないのはアキレウスという男が体現する英雄像を見ればわかりますよね。アタランテの願いを聞いたセミラミスが真摯に不可能じゃないかって問うの好きです
聖杯を求めて自分を召喚したマスターの願いこそ己の報酬だというカルナ
セミラミスもこれには愚かな選択だとストレートに言う。しかしどう言われようともカルナさんは揺るがない。この人は良くできたサーヴァントすぎる。実際に時計塔講師にしてケイネスの友人であるマスターがカルナさんと戦っていたらどうなっていたかは地味に興味がありますね。綱渡りではあったが一応のまとまりを見せる赤の陣営
カルナさんが天草四郎の戦略に乗ったのは黒のセイバーとの再戦も乞われていたからこそ。天草がルーラー抹殺を決意してカルナさんを動かしていなかったらこの場はどうなっていたやら…本当に綱渡りでござる。こうして最後に天草四郎の願いである人類救済の詳細を語り赤の陣営は一つの目的に向かって動き出すのであった。©Akira Ishida TYPE-MOON
この女帝、どう見ても天草にゾッコンである