漫画版『Fate/Apocrypha』第9話感想 天然天才かつ天然怪物の六導玲霞さんがジャックちゃんのおかあさんとして聖杯大戦がんばるぞ
コンプエース2017年3月号より
いよいよジャックちゃんのマスター登場の巻。
マスターの前にはまず彼を紹介しなければならない。
彼の名は相良豹馬、ユグドミレニアの魔術師にしてジャックちゃんを召喚した男である。
じゃあマスターじゃないのかって?そうですね、数秒くらいはマスターだったかもね。
その後はジャックちゃんに腕を令呪ごと切断されてしまいますけどネ。
六導玲霞。彼女こそジャックちゃんのマスターである。
魔術師ではないただの教養豊かで理解度と観察眼と最適化戦略に優れ度胸と母性溢れる普通の娼婦さんだ。
元はといえば相良豹馬に暗示で同棲相手として利用されて彼を養っていた女。
今回の召喚においては生贄にされたんだけどジャックちゃんは彼女のほうが好みだったのだ。
よって男のほうは召喚直後にマスター殺しでサクッと文字通り手を切った。秒で。
暗示とはいえ玲霞さんと愛し合ってたと思われる。なんてやつだこれはそのツケだなうん。
この相良豹馬さんはユグドミレニアのマスターの一人となる予定だった。
アポマテではアトラムさんと比較されてるのでそれなりの魔術師だったと思われる。
でも解き放たれた玲霞さんは天然天才かつ天然怪物であった。
マスターとしてもかっちりとジャックちゃんにも噛み合って聖杯戦争に参加することになるのだ。
相良豹馬さんはその後、必要な情報だけ取られてミイラ化。粉々に砕いてゴミ袋に捨てた。南無。
こうしてジャックちゃんのマスターになった玲霞さん。
基本的に自分の命を大事にするありふれた「死にたくない」という願いを持つ彼女。
良い主従となって機能しているけど一歩違えばどうなっていたかもわからない。
だけどジャックの願いを叶えるために聖杯大戦への参加を決意して挑むことになる。
これもジャックちゃんが自分を助けてくれたからであり
それが彼女の人生において初めての無償の救済だったからだ。
ならば自分はおかあさんとしてジャックのために聖杯を取ろうと決意。
それ以外に道はないとばかりに命の安全とも無縁な戦場へと突き進む。
とまあこう書けば勇ましいのですが、彼女は魔力供給も行えないマスター。魔術師じゃないしね。
だからもう手段は選ばないしサーヴァント維持のための魂喰いだって許容しちゃう。
一般人とか狙わないのがせめてもの救い。
二人は暴漢やマフィアにユグドミレニアの暗殺部隊も殺戮しながら聖杯大戦の地に向かうのであった。
物騒だけど二人の出会いもまた運命であろう。
一方、こちらは同じく生きたいというごく普通の願いを持って歩き出したホムンクルス。
アストルフォと出会ってケイローンの部屋に匿ってもらったことで命は助かった。
だが彼は使い捨て前提のホムンクルス。要は魔力電池。寿命だって3年くらいの見込み。
立って歩くだけでも過労で意識を失う儚い個体である。
ケイローンになんで助けたのか問われてもあっけらかんと返答するアストルフォ。
助けたいから助けた。事情なんて知らない納得いくまで助けると。
なんという底抜けのお人好しで楽天家であろうか。だがこれがアストルフォだ。
彼の行動的な部分が物語を大きく動かすことになるのだ。
英雄に助けられたまだ名もないホムンクルスの物語もここから始まった。
というわけでコミカライズでも頑張れ主人公。
さらばz馬さん