漫画版『Fate/Apocrypha』第10話感想 「願い」を口にしたホムンクルスの主人公は天衣無縫の勇士アストルフォに全力で助けられ人生を歩き出す
コンプエース2017年4月号より
『Fate/Apocrypha』の主人公。今は名も無き逃げ出したホムンクルス。
それだけなら大きな騒ぎではないけど黒のキャスター・アヴィケブロンが注目したこと話は変わる。
本来なら魔力電池にすぎないホムンクルスだった彼。
それが自我に芽生え、魔術刻印を使用して魔術を行使して逃げ去ったのだ。
意思を持って考えて行動する立派な魔術師となったのだ。
魔術師ならばアヴィケブロン先生の宝具の動力になる。
これは誰でもいいというわけではないので使えそうな相手を見つけると先生は食いつく。
そして時には容赦しない。何故ならこのゴーレムの完成こそが彼の夢なのだから。
その夢のために聖杯戦争に賭ける意気込みも人一倍だ。
その宝具はそんなにすごいのかって?
うむ、生まれたては15メートルほどの平均ランクのサーヴァントにも打倒可能な存在にすぎない。
けど倍々ゲームで成長していき最終的には1千メートルを超えてしまうのだ。
そうなると一流のサーヴァントたちでも揃えないと抵抗すら難しくなる。
ダーニック側としても戦力として頼りにしたくなるほどのゴーレムなのである。
だからホムンクルス捕まえてくれっていうアヴィケブロンの要求にも応じることになる。
というわけで目下捜索中のホムンクルス本人。
ゴーレムの材料云々が無くとも見つかればまた電池扱いである。
自我を持ってしまった彼にはもうそれは遠慮したいことであるのは当然ですよね。
目の前のアストルフォが自分を助けてくれた存在であるのは理解しても
自分の運命を託してよいものかどうかわからず怯えるばかり。
その姿はさながら魔窟で逃げ場を無くしてしまった小動物のようだ。
言葉をかけても伝わるかどうかも怪しい。
そう思ったアストルフォが自分が味方だと伝えるためにとった手段は…
抱きしめる
そして耳元でやさしく囁いて本人から願いを自然に吐き出させる。
これは少なくとも黒の陣営において彼しかできないことであろう。
おかげでホムンクルスはまた歩き出すことができた。
助けてほしいと願いを口にして。そして秒で快諾するアストルフォ。
生まれたての彼ですら困惑するほどの善意と決断力である。
当のアストルフォは自分が英霊だから助けてって言われたら助けるよと笑顔で説明。
これこそ天衣無縫の勇士アストルフォ。そしてホムンクルスのヒーローだ。
ホムンクルスは生きるという願いのために戦うことになっていくのだ。
聖杯戦争は願いを持って戦う人が集まる舞台。
今回は黒の陣営で願いを持つ主従が明かされています。
黒の陣営においてまともな人間と良識ありすぎる英霊の組み合わせであるこの二人。
ケイローンとフィオレはお互いに身体に関わる願いを打ち明けてくれました。
かつて捨てた不死性は両親の贈り物ゆえに取り戻したいケイローン。
魔術師という生き方に影響を与えずに歩けるようになりたいフィオレ。
我欲などとは言ってますが人として切なる願いにほかならない。応援したくなるほどに。
それにしてもこのケイローンが亡くなった経緯。
こうして見るとかなりオブラートに包まれていますネ。
そんなフィオレの弟であるカウレスと彼に召喚されたフランケンシュタイン。
フランちゃんの願いもまた自分個人のもの。
自らの痛みと絶望を癒すために同じ存在を求めているのだ。
ぶっちゃけ伴侶となるべき存在が望み。それは誰でもいいわけじゃない。
ホムンクルスを紹介したらおこです
カウレスくんはデリカシーが無い。その手の経験なんてないからしょうがない。
そしてフランちゃんはカウレスくんの願いを知りたがるけど明確なものはない。
それもそのはず。彼は聖杯戦争に参加なんてしたくなかったんだもの。
科学では成し得ない不条理な現象を掴むことができる魔術は好きだけど
魔術師なんていう人でなしになって一生を捧げるのは御免こうむる。それが彼だ。
彼が生まれた経緯も当主となる予定の姉の予備という魔術の家系によくある事情。
でもむしろ当主にならなくていいから気楽に魔術を学べるとポジティブだった。
そんなわけで姉が当主になる頃には世話係のバックアップとしての位置が決まった。
聖杯大戦も姉のサポートに徹するつもりが令呪を宿してしまって今に至るという話。
一族の他の魔術師には妬みの目でも見られるしいい迷惑である。
彼にとって魔術なんてのは人生を捧げるものではなく、人生の付属品にすぎないのだ。
仮に聖杯で根源への道を100年後に得られるまでに縮めることができたとしても
目の前の姉を助ける方向に動くのが今のところのカウレスくんの生き方。
魔術以外の知識がからきしな残念系お嬢様の姉の世話係が板についている!
そんでもってアストルフォのマスターであるセレニケさんの目的。
アストルフォをペロペロしたい
以上。ホントにそれだけ。
でも一応は聖杯大戦で一族を勝たせなきゃいけないという使命感はある。ホントに一応です。
だから令呪を無駄使いしてアレな命令を強要する段階には至らない。
だから舐めたり半裸で組みかかったりする程度しかしない。できない。
英霊と人間には絶対的な格差があるからできないのさ。
でも本当はアストルフォを嬲りたくて仕方がない残虐で加虐趣味のお姉さん。
魔術師として腕はいいけど性格的にどうしようもないほど破綻したマスター、それがセレニケである。
そんなわけでアストルフォもアプローチかけられてもノーサンキュー。
さっさっと切り上げて今やらなければいけないことに専念するのであった。
というわけでアストルフォにとってユグドミレニアは魔窟。
アストルフォはこんな場所からさっさとホムンクルスの彼を逃がそうとする。
そしてそれに対して物申してホムンクルスに考えること
そして逃げること、生きることに意味を見つけさせるように促すケイローン。
ただ意味もなく逃げるだけでは此処で魔力電池として死ぬことと同じであろうと。
優しく手を差し伸べるアストルフォと、厳しく導くケイローンというバランス。
ホムンクルスの彼は出会いという幸運によって助けられ生き方を見つけていくのだ。
それとは別にアストルフォの疑問にも答えて釘を刺す。
人によって最適な教え方ができるケイローン先生ってばホントに賢人。
そんなホムンクルスのためを考えている二人に呼び出しがかかる。
前回ユグドミレニアを目指して単騎で暴走突撃してた赤のバーサーカーの件である。
これは話を聞いてくれない顔ですね
赤のバーサーカー・スパルタクスを追いかけてきたアタランテとアキレウス。
こうなった以上は戦いを避けずにバーサーカーを捨て駒にする算段でいく赤の陣営。
ならば暴走するスパルタクスを援護して得られる戦果を大きくしようというわけだ。
というわけで次回、ついにユグドミレニアと赤の陣営が本格的に激突。
原作未読でアキレウスのことよく知らない人は彼の強さの一端を知ることができますよ。
マスターとして奮闘するゴルドさんの彼なりの勇姿も見ることができますよ。
アスフォルトきゅんの裸よりも服着たジークきゅんの方がエロい不具合