TVアニメ『Fate/Apocrypha』第10話感想 フランケンシュタインの宝具が発動に助けられ、ついに苦難の道のりを選んでしまったジークの運命を想ってアストルフォは涙する
アストルフォを助けにやってきたジーク。
自由を得た彼が戦場にやって来てしかも自分を助けようとする姿にアストルフォもお怒りだ。
ジークはそれも承知の上で助けにやって来るのを自分で選んだのだ。
役立たずでもいいからアストルフォに借りを返したいと。
そんな想いをもってしてモードレッドとの差は縮まらない。
このままではアストルフォもジークも共倒れの運命は変わらない。
そこにやって来たフランちゃんのおかげで事態は大きく動くとになる。
ジャックちゃんのお食事タイム。
ここは描写しないかと思ってたけど普通にやってくれました。
ホムンクルスたちの最期の表情がスプラッタな状況に拍車をかけている。
やってることはともかく携帯とか不慣れなジャックちゃんは可愛い。
カウレスの令呪によるサポート付きでモードレッドに攻撃するフラン。
しかしながらこれも通用しない。モードレッドはそれほどに規格外の存在だった。
セイバークラスは基本的に最優であり円卓の騎士ともなれば並みのサーヴァントではない。
宝具を開放せずにただ全力で攻撃するだけで恐るべき格の違いを見せつける。
普通にやってもアストルフォやフランには勝ち目がない。
となれば後は作戦かマスターの力量の見せ所となってくる。
カウレスは自分に出来ることを最大限活かして頑張っているのだ。
フラン、ジークと次々に手にかけていくモードレッド。
モードレッドはジークに関して取るに足らない存在ではなく敵として見定めた。
だからこそ容赦なく仕留めたしその名前も心に刻んだのだ。
とはいえそんな理屈はアストルフォには関係ないし納得もいかない。
ジーク君を失った怒りに猛るアストルフォはモードレッドに突撃する。
この時のアストルフォは悲劇のヒーローって感じ出ていて良い。
本来ならアストルフォもあっさりとやられてもおかしくはないのだが
そうはならないのはアストルフォの宝具トラップ・オブ・アルガリアのおかげ。
肉体のどこに触れようとも膝から下が強制的に霊体化し立ち上がれなくなるこの宝具。
直感でなんとなくそれを察しているモードレッドはいまいち攻めきれないのだ。
なので少し手間取ってしまうけど、やはり結果は変わらない。
フランケンシュタイン最期の一撃。磔刑の雷樹(ブラステッド・ツリー)
聳え立つ大樹のシルエットで降り注ぐ拡散ホーミングサンダー。
至近距離で使用すれば大抵のサーヴァントを討ち果たせる威力がある。
だがこれの全リミッターを解除しての発動は死が代償となる。
カウレスも承知の上でフランの意思を尊重して令呪でサポートする。
これで相討ちとはいえカウレスとフランに勝算は十分にあったのだ。
しかしながら相手もマスターとサーヴァント。
同じように獅子劫さんもモードレッドをサポートしていた。
乱暴に説明すれば獅子劫さんの方も令呪を使用してカウレスの令呪をチャラにしたような感じ。
本当は転移させようとしたけど、詳しい解説は原作小説にちゃんと書いてあるので割愛。
もしもの話になるけど、モードレッドが他の赤のサーヴァントたちと同じだったら?
マスターのサポートを受けられずに退場してたかもしれない。
そう考えると面白いし聖杯戦争における主従関係の重要さがわかるのだ。
結果としてモードレッドは生き残り、フランちゃんは花と散ることになった。
最後の令呪を使うカウレスは無理して冷徹な声を出していた。
花びらを幻視したり悔しそうなカウレスくんの声が切ない。
感情がないことを咎められたフランは人の感情に敏感であろうとする。
最期にフランちゃんはカウレスが自分に向けた感情にも気がついた。
それは「自分の死を誰かが惜しむ」という生前はあり得なかった奇跡のような初めての出来事。
フランちゃんにとってもカウレスとの主従関係は素敵な経験だったのだ。
だがフランの宝具の雷はジークにも大きな影響を与えていた。
フランの雷撃はフランケンシュタインの意思が介在する力。
「それがある限り、彼女は決して滅びない」という一文があり
低確率だが第二のフランケンシュタインを生む可能性がある。
ジークはこの電撃の余波によって蘇生したのだ。
そうして得たのが竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)
ジークフリートのことを知って覚醒したジークの特殊な令呪。
令呪を以て自分の身体に命じることでジークフリートになれる。
これは変身というよりは憑依に近い。
平たく言えばジークは毎回黒のセイバーの心臓を触媒にしていて
黒のセイバーを召喚してるということになる。
アニメからの人もそんなの大丈夫なの?と思うかもしれませんが
それについては今後の彼の動向を見守っていきましょう。
アストルフォの表情変化の流れいい…
この絶望からの一転して涙を浮かべるヒロインのような顔。
ジークはこんな戦場に迷い込まなくとも平穏な人生を過ごすことだってできたのだ。
だがジークは困難な道のりを選んでしまった。
ジークが普通の生活を選ばなかったのは自分のせいだとアストルフォは涙している。
自分の言動、判断、そして弱さがジークにこの道を選ばせたのだと。
アストルフォは聖杯なんてそんなに欲しくはなかったサーヴァント。
むしろ味方に切実に欲しがっているサーヴァントが居るなら譲ってもいいかなってくらい。
でもこの時よりアストルフォは他を蹴落としてでも聖杯に叶えたい願いができた。
即ち、本気でジークくんを助けてあげたいという願い。
当のジークくんは「ばかやろう」なんて言われて元気そうだと心中で安堵していた。
見た目がジークフリートだけど笑いかける時の表情にジークくんっぽさありますよね。
ジークの選択を見て心穏やかではないシロウ神父。
そしてそれを見逃さないセミラミス様とシェイクスピアである。
どうしてシロウがこんな風に苛立つのかは後にわかるのだ。
実はここ原作小説の会話内容がバッサリと省略されている。
内容自体は腹の探り合いとかコトミネの姓名についてのあれこれ。
やはり気になる人は小説を読んでみることをオススメします。
それにしてもシェイクスピアは生き生きとしてるし本当に楽しそうだなあ。
そして1話における最初の戦いに繋がる聖杯大戦。
タイトルコールもジャンヌの令呪からジークの竜告令呪になっている。
主人公ジークが自分で選んだ戦いが始まった瞬間である。
まだまだ決戦も続くので毎週必見の状態が続く。スタッフさん達を応援しつつ見届けよう。
フランよくやった