『Fate/Apocrypha』3巻「聖人の凱旋」感想 英霊の生前シーンに会話も多く面白い
面白くて満足でしたが、ひとつだけ気になる点があります。
この作品は4巻で完結するのでしょうか?w
※ネタバレ注意
ジャンヌ・ダルクと天草四郎時貞の対決とかよく思いついたなと。
二人の対決自体はよくあるのかもしれませんが、その理由付けと
ルーラーという設定に加えてここに至るまでの流れは見事ですね。
二人の聖人の決着はここではつかず、とりあえずは気になる赤の英霊の反応へと行きます。
アキレウスとアタランテにカルナさんの反応は予想の範囲内でした。
カルナさんの聖人っぷりは予想以上でしたけどね。
自分の願望のためにシロウの陣営で戦うけど、その願望すら乞われたからって言うんですもの。
そして「人類救済」というという目的はともかくとしてその方法はまだ伏せられていますね。
赤の陣営の反応と黒の陣営の考察を見ていると
それほど興味がわかなかった人類救済のその方法が気になってきた。次巻に期待ですね。
あとはアキレウスにアタランテの二人がカルナさんを嘘発見器みたいに扱っているのに笑ってしまうなどw
今巻は黒の陣営の話が多かったんですが冒頭から飛ばしてくれました。
まずセレニケさんなのですが彼女があっさりとお亡くなりになったのに驚いた。
何かやらかしてから退場だと思っていたけど特に何もしないとは…
強いて言うとアストルフォに色々してるんですが致命的でないから嫌がらせのレベルですよね。
管理人はセレニケの設定から魔術師としての力量が見れると思っていただけに残念。
そして管理人が一番期待していたアヴィケブロン先生。
まず条件付で裏切ってシロウにつくんですけど、その条件に対してセミラミスさんの発言に
「いやいやいやw」と心の中で突っ込みつつ、あーこれはロシェ君が炉心かーとすぐに分かりましたね。
ロシェ君の反応はあれでしたが相互理解を怠ったがゆえに致し方ないということか。
アポはこの主従関係のコミュが特に重要っぽいのが強調されている感じがしますね。
失敗している人たちと現状で上手くいっている人たちを見るとそれが分かります。
そういう意味ではアキレウスはシロウに傾いている気がしますね。
理由はどうあれ複数のサーヴァントに関心を持たれているシロウすごい。
アヴィケブロンの宝具である『王冠・叡智の光』(ゴーレム・ケテルマルクト)
これは滅茶苦茶強力なんですけどジャンヌの助力ありとはいえ黒の陣営だけで解決してしまったので物足りない。
楽園理論による無敵&不死身や、複数の英霊相手に大立ち回り
ほっといたら誰も倒せぬ世界を意のままにするゴーレムとかマジで凄いですけどね!
インパクトだけならスパルタクスさんのがあったかなという印象。
そしてふとこのゴーレムとクリーチャーと化したスパルタクスさんのガチンコが見てみたくなるなど。
ケテルマルクトの強さにこれが早く完成していたら戦局がどうなっていたか。
そういうIFを妄想するのも面白いのがFateの良いところ。
そしてシロウはアヴィケブロンの目的を正しく推察できてたのかなーと。
シロウの目的と重なることはないって話ですけどあの楽園が世界に広まると仮定するとどうなのだろう。
ある種の救済なのは確かだからアダムがそれをするならそれも良しと考えたとか?…これは無いかな。
うーむ、上記でも触れたけどシロウの救済はもっとトンデモない気がするんですよねー。
あとはゴーレムの解説で有珠の事だと思われる一文がありましたね。
管理人は型月のゴーレムのハードルがどんどん上がっていると感じるとともに
二十七祖のゴーレム担当であるヴァン=フェムさんが心配になるのだ。
でもあの人ならやってくれるって信じてる!(まだビジュアルもない未登場キャラだけども)
そしてジーク君を中心としたアストルフォとジャンヌの3人の関係。
ラブコメパート面白かったんですがアストルフォが冗談抜きであざといですね。
今回のカラーページで明らかになったステータス画面のラクガキからしてあざといし
作中でジーク君とのやり取り全般が終始あざといし
それでいて英霊としての強さを見せてくれる辺りがもう良キャラですね。
可愛いとは思いますけど管理人は男の娘属性はない。
アストルフォは本当に色々な意味でやりたい放題でそれを楽しむキャラだと思っていますw
だからヒロインとしての活躍はあくまでジャンヌに期待しているのだ。
そのジャンヌは可愛いことは可愛いけど少し物足りないという印象。
というのも可愛さが、という話ではなくその過程ですかね。
あえてアルトリアさんで例えると可愛さが全開になるのにはけっこう後じゃないですか
ジャンヌさんはそういう積み重ねが不足しているような感じですね。
欲を言うと巻数を増やして聖女っぽい活躍をしてからのほうがと思うんですよ。
まあでもアストルフォとジャンヌの掛け合いは面白いしジャンヌが可愛いのは確か。
要するに管理人がジャンヌのカッコ良いとこもっと見たいってだけの話なんですよねw
そんなピンクと聖女に想われてるジーク君マジ主人公。
特異な生まれのせいか素で人の気持ちに鈍感かつ知識不足による勘違いができるのが強みですねw
っていうか既にモテモテすぎるんですよね。レティシアを別として扱えば3人に想われている模様。
個人的にもっと熱い人柄を見せて欲しいけど生まれの事情もあるのでその辺は納得。
でもホムンクルスに心を砕くところなんかはその兆候が見て取れるので良し。
それになんといっても今回の見所だと思う痴話喧嘩の中心人物。
特にカフェデートの妊娠あたりの会話はもうなんといっていいやらですよw
ジーク君も罪作りな辺りに型月主人公の素質を垣間見るなど
ジャンヌとレティシアの関係がどう転ぶかですが、とりあえずこの二人が可愛いのは間違いない。
ただ正義の味方に対する願望やらジークフリートの夢やら令呪による変身やらで危険信号もあり
ジーク君の結末がどのようなものになるかには要注目ですね。
とりあえず今回の最後であんな事になったけど復活シーンはどのようなものになるのか期待です。
そして煽り文句で「聖杯大戦は新たな局面へ」ということでキャラの関係も変わってきましたね。
赤も黒も陣営はとりあえず団結してこれからの戦いに挑む様子。
だから事情をわかっている上でのキャラ同士の会話が聞けるのでそれだけでも印象が違います。
フィオレとカウレスはともかくゴルドさんまで良キャラへの道を歩むとは思わなかったのだ。
自分の過失を認めるばかりかホムンクルスの面倒まで見るようになり申した。
何だかんだで優秀なので愛嬌が出てきて味方になった途端に頼もしく見えてくる不思議w
ゴルドさんの改心する周辺は本当に見所といっても差し支えないかもしれない。
ユグドレミア一族の新しい当主の不安などもあるし3人には最後まで生き残って欲しいですね。
あと見張り台で居眠りしたカウレスを見たときはやばいんじゃないかと心配した管理人w
そして今回は出番の少なかった赤の陣営。
もうマスターたちはこのままドロップアウトっぽいですね。
英霊はシェイクスピアがほぼ出番ないけど作家系サーヴァントの共通認識やら
面白くないマスターなど放逐して当然とか言ってたり面白いw
アキレウスとシェイクスピアはもう満足して散りそうな気配を感じてます。
わからないのはセミラミスですけど管理人の願望としては鮮やかに終わって欲しいのだ。
シロウの事が気になっているし、それを茶化されてちょっと照れるとか可愛い。
セミラミスの赤面顔とかそこは挿絵が必要だと思うのですがっ!
問題はシロウがセミラミスのことどう思ってるのかなんですが仲違いは無いといいな。
何だかんだで赤の陣営も一つに纏まっているような感じがするのはこれもシロウの人柄か。
二つの陣営を敵としているジャックと玲霞が思ってた以上に暴れてました。
姑息で卑怯で外道なんですけど慎重で状況把握もしっかりできて何より賢い。
アサシンとしての強さにジャックの能力も相まって本当にタチの悪い手合いですね。
マスターとの相性も含めて敵に回したくない恐ろしさがあるのだ。
そしてちょっと悲しいことにこの時空ではハサンがサーヴァントとして呼ばれすぎて
もしも相手にハサンが居ても対策は万全という事実に泣いた。
同じく聖杯目指して陣営に属さないモーさんと獅子劫さんも大活躍でしたね。
獅子劫さんの事情はかなり魔術師的に重いんですけどその契約相手のことが気になります。
その獅子劫さんの昔語りに出てきた養子とそれについて聞いた時のモーさんの反応
これで円卓の触媒で二人の主従が巡りあった理由が分かりました。
モーさんからはかつての円卓の様子がわかるんですけど色々と突っ込みどころがw
とりあえずは
>〃あの王は完璧に過ぎる〃
>莫迦奴め、だからこそ王は素晴らしいのだろう。
>長い歴史の中で、これほどに完璧な王が居たはずがない
>大抵の王は暴虐で、傲岸で、不遜で、その大いなる我欲を以って民の喜びとする。
>王は夢を与え、夢を奪い、そのくせ一度己の夢を奪われてしまえば、
>後は知らぬとばかちに無責任に立ち去る災厄だ。
>―人を一人でも多く救おうとする王は、人の心が分からぬと罵られ。
>―人を救うことなど考えもしないオレは、人の心が分かると褒め称えられた。
>忌々しい。オレが叛逆したのはお前たちのためではなく、オレ自身のためだけだ。
>あれだけお前たちのために心を砕いた王のことを忘れ、尾を振るお前たちのことなど知ったことか。
モーさん本当に面倒くさいな!
事情が事情だけにどうしようもなかったとは思いますけどね。
憎まれようとした行動のひとつのギネヴィアの前で兜を外す所とかもうね。
でもやっぱりシリアスでも父上のこと大好きっ娘なモーさん可愛いのだ。
活躍もそうなんですけどモーさんと獅子劫さん二人の事情がわかって管理人の中で好感度が更に上がりました。
ファンサービスが多いのも個人的に良し。
特にエルメロイⅡ世のイスカンダル評にはニヤリとしたw
>「ほう、それは実に都合が良い。どれ、相手の七騎も平らげて本格的に世界へと乗り出そうではないか!」
>もしも誰かにエルメロイⅡ世が召喚したサーヴァントを知られたのならば~
>魔術師はたちはあらゆる手管を使って手に入れようとするだろう。
>そして魔術師の手から手へと渡り続けるだろう。
>あの征服王はその強大な力を利用されるためだけにひたすら召喚を繰り返される。
>そこには英霊への尊敬など一切ない。
>……エルメロイⅡ世は、そんな未来は御免だった。
イスカンダルならこうするだろうっていう想像と
物凄い価値となったイスカンダルの触媒を売りに出さない理由
ここのシーンは二人のファンなら必見ではないでしょうか。
あとはまさかこのシーンでエルメロイの姫君に水銀メイドのイラストまで登場するとは予想外なのだ。
※指摘されてたので少し修正。ライネスみたいに地の文でしっかりと名前は出てないから(言い訳)
これはもうアメリカ聖杯戦争をやっちゃうしかないですよね!
というわけで3巻も面白かったんですが活躍するキャラが絞られて
更にスポットの当て方も黒の陣営がメインのためか印象に残るシーンが多いですね。
巻数が進むたびにどんどん面白くなるのを見るとやはりキャラが多いと描写が難しいのかもと思ったり。
しかもアポの元々のサーヴァント設定制作は東出祐一郎さん以外の人が多く協力してて
この小説に出てる英霊の設定だけでも6人ものクリエイターが関わってる
シェイクスピアの設定製作なんてフルメタの作者さんだったりするのだ。
だから英霊を動かしづらいという苦労もあるのかも。
でも短い間でもスパルタクスさんとかヴラドさんはかなり濃いキャラ付けでしたよね。
アポクリファはワクワク感もあるしシナリオもキャラも確かな面白さがあるのも間違いはないんですよ。
Fateは一人一人のキャラの濃さが売りだと思っているので4巻もその辺を期待しています。
なんだったら5巻にしてくれてもいいんですよ東出祐一郎先生!
聖者の凱旋ってサブタイトルが三巻の内容に微妙にあってない気がするのはおれだけか?