小説版『Fate/strange Fake』1巻感想 ぶつかるは最強と最強の開戦から頂上決戦!型月作品同士が本格的につながる予感さえ生む「Fate」新章が開幕!
とびっきりの最強対最強
介入してくる人たちも増え広がり続ける偽りの聖杯戦争
※ネタバレ要注意
先日コミカライズ版について触れましたが正式な発売日は今年なので
2015年のトップバッターとなるFateシリーズということになりますね
コミック版で大体の内容について触れたので、それより後の部分について軽く語ろうと思います。
なんというかまさに最初から頂上決戦というかクライマックス。
っていうかギルガメッシュとエルキドゥ強すぎる
ギルガメッシュは慢心してないからそりゃ最強なんですけど
その力を受け止めてみせるエルキドゥも紛れもなく最強。
ファンも間違いなく強いと確信していたエルキドゥの力は期待通りのものでしたね。
それでも神代の時代程の力じゃないというのだから、かつての二人はヤバすぎるぜ。
さらになんとステータスの一部も明らかになっています。
宝具は一つが不明ですが今回使われたものは記載されていました。
>人よ、神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)
>A++ 種別;対粛清宝具 レンジ0~999 最大補足1000人
>エルキドゥ自身の身体を一つの神造兵器と化す能力。
>アラヤやガイアといった【抑止力】の力を流し込む光の楔となり、
>膨大なエネルギーを世界が認識できる形に変換して相手を貫く一撃。
>星、もしくは人類への破壊行為に反応して威力が激増する。
エアを迎撃するエルキドゥの宝具もこれまたエヌマ・エリシュの名を冠していたのには驚きました。
しかし、いきなりギルガメッシュとエルキドゥがぶつかるとは。
お互いしか眼中にないと考えれば納得ではありますけどねw
二人からすれば児戯(喧嘩)で友との語らっているレベル。要はじゃれあっているだけ。
だが周囲の人間からすりゃとんでもない規模のぶつかり合いだよエアだってぶっぱなしてるし!
もう逃げ出す魔術師から今からでも参戦できないかと画策するやつまで反応は様々。
あと聖杯戦争の事後処理に頭を悩ませるのは万国共通である
砂漠の半径数キロメートルが溶けてガラスになったクレーターはガス爆発!ガス爆発です!
エルキドゥはランサーなわけですが宝具は自分自身が槍になるようなものですね。
その本質は楔。宝具名にもあるとおり神と人を繋ぎ止めるのが役割だとか。
楔といえばCCCでも触れられてましたが
Fakeでもそのエピソードとかも含めて軽く解説されてました。
ギルガメッシュの反目だけでなくエルキドゥの行動まで誤算とか神々は散々である。
さらにあとがきでは奈須きのこ先生によって二人の関係が詳しく説明されてます。
>この世界における神話において二人が辿る結末は
>『stay night』でも『Fake』でも同じですが、過程は微妙に違うのです。
>作品ごとの違いをあえて分類するなら、
>Zeroは『stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界』
>Apocryphaは『途中までは同じだけど今は完全に別の世界』
>エルメロイの事件簿は『完全に同じ世界、ただし三田誠スパイスにより大気濃度がちょい違う濃密魔術もの』
>そして『strange Fake』は『同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界』
ギルガメッシュとエルキドゥ二人共に楽しそうでもっと会話が見たい。
そんな最強同士の対決に割ってはいろうとするものが居ましたよダークホースのペイルライダー。
やはりエルキドゥはペイルライダーとは相性が悪いみたいで天敵とまで言ってますね。
最高クラスの気配感知を持っているからエルキドゥはさっさっと撤退。
エルキドゥを撤退させるほどなんだから凄いぞ。
よってペイルライダーの被害にあったのは魔術師たちが放った複数の使い魔であった。
そのペイルライダーもやはり今後もマスター第一に動いてくれそうですね。
ギルガメッシュとエルキドゥをなんとかしようとしたのも椿のためですもの。
やはりどこか微笑ましいものがあるよねこの主従は。
ギルガメッシュとエルキドゥの激突は椿の夢の世界に影響を与えるほどの規模だったんですが
今後もサーヴァント同士がぶつかって激しい戦闘になったらもれなくペイルライダーが乱入
と考えると怖すぎるよねw
あとマスター第一に考える災厄が今後どういう暴れ方をするのかと考えると
アメリカの組織が椿に余計なことしてペイルライダー大暴走とかもありそうな予感だ。
組織といえばファルデウスさんですがイレギュラーだらけで苦労するポジション。
ギルとエルキドゥに対していきなり激突しないよね?まさかだよね?といった反応に加え
仕方ないけど見当違いの可能性を考慮したり深読みしすぎな彼の思考は読者からすれば面白い。
一応は黒幕と深いところで繋がっているぽいので最後まで生き残りそうな気はするが
事後処理しつつちょっかいをかけては撤退する役回りになりそうな気がするぜ。
黒幕といえば謎の少女なんですが名前はキャスターさんによるとフランチェスカらしい。
フランチェスカ(Francesca)はイタリア語圏の女性名。
これを何もかも対照にするとフランソワ(François)のフランス語圏の男性名になる。
どうにもプレラーティーを連想させるけど彼女の正体はやはり今は謎。
コミック版でも警察署長オーランド・リーブと会話してましたが思った以上に大物のようで
地の文でも警察署長さんの「老害」発言が見ようによっては負け惜しみに見えるとも言われている。
なんというか苦労人ポジションその2ないし振り回される系の役回りになりそうな予感が強まったぞ。
というよりキャスターにも既に手玉に取られ始めているぞw
キャスターは逆に一気に存在感と大物オーラを纏い始めてきましたね。
この男、単なる女好きの道楽者にあらず!いつの間にか機密事項を把握してたぜ。
そして原典を超える宝具を作成する以外の能力も明らかになったっぽいキャスター。
なんでもインターネットで普通は知れないような情報もゲットできるっぽく
黒幕の情報から敵マスターの情報までいつの間にかゲットしてて署長を脅すときた。
魔術で無限にコピーをつくる魔術師のことなどネットのどこに転がってるんだと思ったけど
あれはファンサービスでもなんでもなくマジな発言だったのか。
あくまで自分の楽しみ優先で物申すキャスターはいっそ清々しい。
彼もまた何をやらかすかわからないイレギュラーの一人だと実感しましたよ。
さらに魔術協会も聖堂教会も動き出すぞ。
アインツベルンのホムンクルスと見られる少女までやってきて事態が動く動く。
それもこれもギルガメッシュとエルキドゥの激突が原因。まさしく世界が動いた。
聖堂教会は武闘派を送り込むので今回は監督役ではなく引っ掻き回し役になりそうだし
魔術協会はそれこそエルメロイⅡ世がほんとに参戦するかもしれない勢い。
英霊も魔術師も組織もアメリカという国に入り乱れてもはやカオス。
それだけに読者はワクワク感がぱないの。先が早く読みたくて仕方ないの。
随所に散りばめられたネタも型月ファンからするとニヤリとするものが多いんですよね。
まさかキッツィーランドの名前を見るとは思わなかったw
そしてエルメロイⅡが見た走馬灯のような光景にも色々と仕込まれてまして。
フラットくんがいかに彼に迷惑をかけ続けたかの歴史となってるんですが
新品のゲーム機のアカウント名を「ロンドン☆スター」で登録するという氷室の天地ネタの回収から
アポクリファで水銀メイドに色々とやらかしたことなどありましたが最後がこれまた凄かった。
>果ては吸血種の王の一人が所有するカジノ船に乗り込んで騒動を起こした事に至るまで
ホントになにやってんのw
かつてホロウでカジノ船のことが出たときはヴァン=フェムのそれっぽいよね程度だったネタも
ここまでくればガチだよフラットくんどんだけ修羅場潜ってるのだろうかw
登場したわけではないけどこれでFakeに二十七祖のネタが増えたね!
ちなみに平行世界ではこのカジノ船に士郎もルヴィアも関わってたりするぞ。
フラットくんはといえばキャラの良さも魔術師としての力量も一級品ですよね。
まだ卒業してないけど彼なら王冠を手にしても驚かないぜ。
あとみんな思ってることでしょうけど、時計に変化したジャック
妖怪ウォッチならぬ英霊ウォッチだこれ!
アポクリファといえばエルメロイⅡ世の弟子の解説があるんですけど家名が見たことあるのばかり
最近発売したばかりの「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」のネタもあったりするぞ。
っていうか例の彼女も出てきたし執筆した時期とか地味に気になるぜ。
なんかもう人間関係とか弟子とかに秘められた可能性もやばすぎて面白いぞ。
若年層の弟子の全てが王冠に次ぐ位階の魔術師として成長し
OBに至っては王冠を手にすると噂されるエルメロイ教室がぱない。
>奈須「昔『エルメロイの弟子は全員『王冠』の位を得ている』と言ったな……あれは嘘だ」
>成田「ぎゃあああぁぁーッ!」
>奈須「こいよ成田、過去の設定なんか捨ててかかってこい!」
>成田「設定の齟齬なんて怖かねぇ!野郎、ぶっ壊してやる!」
一番笑ったのはあとがきのこの二人のやりとりかもw
そしてこの聖杯戦争のヴィジターであるメガネをかけ髪を金髪に染めた東洋人。
コミカライズ版ではその驚くべき爆弾だった彼女の名も明らかになりました。
アヤカ・サジョウ、そうミスリードでもなんでもなくPrototypeの彼女でした。
さらに召喚したサーヴァントはセイバーですよ。
ただしFate/Prototypeの彼女とは宇宙が違うので別人。
氷室の天地とも無関係とは言い切れないという言葉も添えられていて
どういった存在なのか明らかにするには今後の展開を踏まえて謎解きする必要がありますね。
とりあえずは2巻で語られる蝉菜マンションの赤頭巾の怪談に期待。
セイバーもこれまたPrototypeとは別人とはっきり明言されてます。
あとがきからするとヒントはいくつかあって真名は次回でわかるっぽい。
・金色の髪に赤い毛が混ざっている
・古い西洋の貴族、ないしは王族とわかる荘厳な装束
・顔立ちは美しく、瞳は獣のように爛々と輝いている
・宝具名は前半がぼかされた「×××××勝利の剣(エクスカリバー)」となっている
エクスカリバーと名の付く何かを宝具として持ってることを考えればかなり絞れそうですね。
この聖杯戦争は偽物だらけなのでアーサー王の偽物とか?
じゃあ聖剣も偽物かと考えて某RPGの1ダメージ固定のエクスカリパーを思い出したぜ。
何にせよ管理人的には格好良い男セイバーの誕生の予感が嬉しくて祝福したい。
いやあ「Fake」すごかった
「Fake」は「Fate」の新章とされてますが単なるFateシリーズではないんですよね。
だって登場するキャラとネタの数々が他の型月作品を知っていると嬉しくなるものばかりですもの。
それでいて成田良悟さんの描き方も上手くて夢中になっちゃいました。
今回だけでも多くの型月作品ネタが使われていてファンなら歓喜すること請け合いです。
管理人的にはやはり観測者(オブザーバー)たちですよ。
あんなん喜ぶに決まってるよねとんだサプライズだよ!
まさしくかつてないほど壮大な仕組みで実現する聖杯戦争。
それもこれも「偽物」というテーマでありえない未来を描いているからこそでしょうか。
ある意味では偽物なのは聖杯戦争だけではなく「Fate」そのものであると言えるかもしれませんよ。
ならば偽物が駆逐されたときこの偽典がどう昇華されるというのか。
成田良悟さんが仕掛けたびっくり箱を楽しみつつ見届けたいと思います。
新しいセイバーは獅子心王リチャード一世なんじゃないかコレ、獣の瞳、西洋の王族、エクスカリバーとかから考えるとコイツしか出てこん