漫画版『Fate/Apocrypha』第2~3話感想 赤の陣営の聖杯大戦開幕前夜、時計塔が用意した百戦錬磨、闘争に特化したマスターたちが「千界樹」を滅ぼすために動き出す
コンプエース2016年9月号より
今回動き出すのはユグドミレニアに対抗することになる赤の陣営。
時計塔の惜しみないバックアップによってマスターとして参戦するは戦闘特化の魔術師の精鋭たち。
そしてそこに聖堂協会から派遣された監督役までもがマスターとして名を連ねる。
一筋縄ではいかぬ連中で構成され、足並み揃えた彼らによって黒の陣営を切り崩す!
というのが時計塔の描いた絵図。始まりは確かにそんなコンセプトだったけどネ。
その赤の陣営のマスターでもメインとなる一人がこの獅子劫界離。
魔術使いの賞金稼ぎで見ての通り出る作品を間違えてそうなビジュアル。
時計塔の学び舎を歩いているだけで若き魔術師たちは怯えて逃げ惑う始末。
見た目だけでなく獅子劫さんにの戦場を彷徨い歩く男の空気にも反応したのかもしれない。
だが彼がいい人であり、腕の良い魔術師であり、頼りになるマスターなのは間違いないのさ。
召喚するサーヴァントを見れば漫画から入った人もきっと注目するはず。
この触媒はわかりやすく言うなら円卓の騎士ピックアップの確定チケットというところか。
円卓の騎士って誰が来てもやはり強いし型月的にはアーサー王関連でドラマ性もバッチリだよね。
赤のマスターたちの目的は時計塔の依頼を達成して聖杯大戦に勝利すること。
時計塔は報酬を支払い、そして大聖杯は回収するという話。
だが参加したマスターたちには明言されてない報酬がもうひとつある。聖杯である。
まあ報酬というと語弊があるけど要は契約内容はユグドミレニアを殲滅するまで。
そこからは何が起こっても自己責任でというわけだ。
そして首尾よく聖杯大戦に勝ったマスターの目の前にあるのは準備OKの願望機。
魔術師らしい謀略と出し抜き戦の開幕というわけである。
魔術師はこわいなー。そして時計塔こわいなー。
既に現地入りしている赤のマスターたちも登場。
というより原作小説より出番が増えてた
「これは誅伐だ」という昔の友人…同じエリートで講師の繋がりですネ。
その友人と召喚するクラスまで同じになるのは運命というやつなのだろうか。
コミカライズでこういう出番とネタの広げ方は面白いので大歓迎です。
赤のマスターたちが聖杯大戦参加前に意思疎通を図る場といった感じ。
どいつもこいつも危険な魔術師なのにアットホームな雰囲気を感じる。
実際に後の展開で紅茶でも飲んで仲良く歓談することになるから間違ってないよネ。
双子の魔術師は兄弟が揃って魔術の本領が発揮されると意気込んでおる。
兄弟キャラはかませというセオリーがあるけれど、
それゆえに兄弟キャラの能力は強力というケースもよくある。これは頼りになりそうだネ。
赤のマスターの中には亜種とはいえ聖杯戦争で勝ち残った者もいる。
とはいえそれは最強を証明せよ!といった戦いではなかったようだ。
こういう聖杯戦争はオンラインゲームにおけるクエストを彷彿とさせる。
ドロップ品は負担した依頼主がロット優先でお願いしますみたいな?
それをサーヴァントと結託し全員まとめて排除したのがこのロットウェル・ベルジンスキー。
そういえばこの人って名前に「ロット」が入ってるって感想を書いてて気がついたのだ。
ついでにこのシケた聖杯はサーヴァントをくべたら耐えられなくなり大爆発してしまったという。
それにしてもこの依頼主、この目的でなんで有名な戦闘特化の魔術師を招き入れたのか。
掴みはバッチリ。赤のマスターはそれぞれが実力者であることが読者にも伺い知れる。
そんな彼らが時計塔もお墨付きの触媒でサーヴァントを召喚すれば鬼に金棒であろう。
そう、彼らはまだサーヴァントを召喚してないのである。
そんなところにやってきたのがシロウ・コトミネ氏というわけである
先にサーヴァントを召喚していたら彼らにもまた違った運命があったのかもしれない。
シロウさんの髪型は漫画からの人をドキワクさせる演出かもしれないと思った。
一方、遅れて現地入りした獅子劫さんは無事にサーヴァントを召喚。
円卓の騎士の中から彼が引き当てたサーヴァントは叛逆の騎士モードレッドでした。
これがまた相性が良いコンビとなって活躍してくれるのですよ。
最初は「女」という失言しちゃうけどこればっかりはしょうがないのだ。
そんな獅子劫さんに早速手を出してくるシロウさん。
セミラミス様もその姿を見せてくれるぞ。石田あきらさんの女帝もこれまた麗しい。
サーヴァントの姿も見せて情報も提供して優しい言葉をかけてくるシロウさん。
獅子劫さんからサーヴァントの真名を聞き出して協力も取り付ける流れに持っていこうとする。
この流れに乗ったら…まあお茶でもどうぞって差し出してくれるに違いない。
だが獅子劫さんはこれを拒否。
相手に自分の命は預けてもサーヴァントの真名は教えたくない。
加えてモードレッドの直感を考慮した上での判断である。
決めたら行動も早い。話を切り上げて席を立ち、シロウの前からすたこらさっさと撤退。
実際にいつまでもこの場にいたら面倒なことになっていたと思われる。
ヘタをしたら赤の陣営のサーヴァントに取り囲まれてた可能性もある。
サーヴァントの意見を聞き入れた上での冷静で的確な決断力はいっそ清々しくもあるぜ。
それはモードレッドの心にも多少なりとも響いていた。
この二人が絆を深めるのが「Fate/Apocrypha」の魅力の一つなのだ。
コミカライズでの描写に期待です。
黒の陣営の七騎に続いて赤の陣営の七騎も召喚された。
14騎のサーヴァントもで揃いついに最後の英霊ジャンヌ・ダルクが登場する。
今回の戦いを調停するために…ってレティシアさんなんか服装が普通とか思ってしまった。
とにかくこれで役者も揃った。さあ聖杯大戦の開幕だ。
1話で黒の陣営の宣戦布告、2話で赤の陣営による反撃の開始、そして3話でルーラーの参戦。
ここまでかけてじっくりと描写して頂いたので読み応え抜群のコミカライズでした。
赤のマスターは今回の会話劇だけでも好感度が上がった。それだけに惜しい。
長いコミカライズになりそうですがオリジナルシーンも期待して末永く追いかけたいですね。
これは誅伐だとか言う友人…一体何ネスなんだ…